ゴールデンハムスターは、その愛らしい姿と人に懐きやすい性格で、多くの飼い主様にお迎えされています。
しかし寿命がおよそ2~3年と短いことから、お別れのときが突然訪れる場合もあります。
大切な家族の一員を失った悲しみの中で、何をすべきかわからなくなることもあるでしょう。
本記事ではゴールデンハムスターが亡くなった際の適切な対応方法や供養について詳しく解説します。
まずはゴールデンハムスターが本当に亡くなったのか確認する
ゴールデンハムスターが動かなくなった場合、まずは「擬似冬眠」の可能性がないかを確認しましょう。
疑似冬眠はその名称に「冬眠」という言葉が含まれているものの、実際は生命の危機に瀕した仮死状態を指します。
野生のハムスターの一部を除き、ペットとして飼育されているゴールデンハムスターが冬眠することは極めて稀です。
突然動かなくなった場合、疑似冬眠か死後硬直のいずれかである可能性が高くなります。
疑似冬眠の主な原因は、低体温症とエネルギー不足です。
外気温の急激な低下により、ゴールデンハムスターは体温維持のため褐色脂肪細胞で皮下脂肪をエネルギーに変換しますが、体の小さなゴールデンハムスターには限界があり、エネルギー不足から低体温症を引き起こし、疑似冬眠状態に陥ることがあります。
疑似冬眠状態にあるゴールデンハムスターは、毛並みの乱れが少なく、手足に柔軟性があり、お腹に弾力性が残っているのが特徴です。
まぶたはしっかりと閉じており、ひげへの反応性もわずかながら残っています。
しかし体温は室温程度まで低下し、呼吸数も減少しています。
疑似冬眠から回復させるためには、室温を適切に上げることが重要です。
ペット用ヒーターやカイロ、人肌程度に温めたペットボトル、あるいはドライヤーの弱い温風を50cm程度離して使用し、体温を徐々に上昇させます。
意識を取り戻したゴールデンハムスターには、人肌に温めた濃い砂糖水を与え、エネルギーを補給させます。
回復後も再び低体温症に陥らないよう、ゲージ周辺の保温に十分な注意を払いましょう。
残念ながらすでに亡くなっている場合は、適切に遺体を安置し次のステップへ進みます。
生前の姿をきれいに保つために遺体を安置する
ゴールデンハムスターが亡くなった際、最初に行うべきことは正しい方法での安置です。
丁寧に安置をすれば、生前のかわいらしい姿を保ちながら最後のお別れができます。
まずは柔らかいタオルで遺体を拭き、体を清めます。
そして用意した箱にペットシーツや新聞紙を敷き、その上にタオルやガーゼで包んだご遺体を納めます。
保冷剤をタオルで包み、頭やお腹付近に当てて冷却します。
保冷剤は直接肌に触れないようタオルで包み、定期的に交換してください。
最後に箱の周りにお花やゴールデンハムスターが好きだったおやつなどを飾り、感謝の気持ちを伝えましょう。
また、涼しい場所に安置すれば2〜3日間ほど生前の状態を保てます。
腐敗が始まる前に次の供養の手続きを進めるようにしましょう。
ハムスターを見送る方法は「土葬」と「火葬」の2種類
ゴールデンハムスターを見送る方法としては、「土葬」と「火葬」の2つがあります。
どちらを選ぶかは飼い主様次第ですが、それぞれの特徴を理解し、最適な方法を選びましょう。
土葬はご遺体を土に埋めて自然に還す方法です。
庭やプランターなど私有地でのみ行えるため、公園などの公共の場所に埋葬することは法律違反となります。
害虫や異臭の発生を防ぐため、1~2メートルほどの深さに埋める必要があります。石灰を使用することで、防臭効果を高め分解を促進できます。
土に還るまで数年以上掛かることもあり、土地の管理が長期的に必要です。
火葬は近年多くの飼い主に選ばれている供養方法です。
ペット専用の火葬炉で火葬を行い、火葬方法によっては遺骨を受け取り、飼い主様が希望する形で供養ができます。
合同火葬では他のペットと一緒に火葬し、遺骨は返却されません。
一任個別火葬ではペットちゃんの遺体を預けると、火葬場で個別に火葬してもらえます。
返骨には対応してもらえないため、遺骨を受け取って供養したい場合は立会個別火葬を選びましょう。
最近では火葬車が飼い主様のご自宅の近くに訪問し、火葬をその場で行う訪問火葬も注目を集めています。
火葬後に選べる火葬方法は3種類
火葬後は、遺骨をどのように供養するかを決めます。
主な供養方法として以下の3つが挙げられます。
手元供養
遺骨を骨壺に納め、自宅で保管する方法です。
仏壇やリビングに置いてお線香をあげることで、いつでもゴールデンハムスターを身近に感じられます。
また、遺骨をアクセサリーに加工するメモリアルグッズも人気です。
ペット霊園での供養
ペット霊園の納骨堂やお墓に遺骨を納める方法です。
霊園によっては、樹木葬やお花畑葬など、特別な供養方法も選べます。
ペット霊園は定期的な法要を行ってくれるため、頻繁に霊園を訪れることができない飼い主様でも安心して供養を任せられます。
散骨
遺骨を粉骨にし、海や山など自然の中に撒く方法です。
散骨を選ぶ場合は、事前に土地の所有者や自治体に許可を得ることが必要です。
粉骨に対応している葬儀業者を利用するとスムーズに供養できます。
ゴールデンハムスターが死んだ後の気持ちの向き合い方
ゴールデンハムスターを失うことは、飼い主様にとって大きな悲しみをもたらします。
ゴールデンハムスターを失ったペットロスと向き合うためには、心のケアが何よりも重要です。
ペットロスになると孤独感や責任感に苛まれたり、集中力の低下や不眠などの症状が発生します。また、涙が止まらなくなったりするなどの身体的不調も現れます。
これらの症状に悩まされることは珍しくありません。
まずはゴールデンハムスターを亡くした悲しみを受け入れ、家族や友人に気持ちを伝えて心の負担を軽くすることが大切です。
また、新しい趣味を始めてみたり、ゴールデンハムスターを飼っている方とお話をするのも癒しにつながるでしょう。
特にお子様がゴールデンハムスターを可愛がっていた場合、その気持ちに寄り添い、命の大切さを教える機会にしてください。
日々の餌やりやケージの清掃など、ペットちゃんを飼う責任を果たし、大切に育ててきた姿勢も褒めてあげましょう。
一生懸命お世話をしていたペットちゃんが死んでしまった悲しみは自然な感情であり、その気持ちを十分に受け止めることが大切です。
「また新しいペットを飼えばいい」といった軽率な発言は避け、お子様の感情に寄り添いましょう。
まとめ
ゴールデンハムスターとのお別れは辛いですが、火葬や土葬を通じて感謝の気持ちを伝えれば、その存在を心に刻むことができます。
火葬や供養の方法に迷った際は、小動物の火葬に特化したペット火葬業者に相談すれば、安心して最期の時間を過ごせるでしょう。