
ヤドカリはデリケートな生き物であり、温度やストレスなどによって命を落としてしまうことがあります。
特に脱皮前はじっと動かなくなるので、死んでいるかどうか慎重に確認する必要があります。
このページでは、ヤドカリが死んだと思ったときにやることと、安置方法や供養方法などについて詳しく解説します。
ヤドカリが動かなくなってもすぐに触らない

ヤドカリが貝にこもり、しばらく動かなくなってもすぐに触らないでください。
ヤドカリが脱皮の準備を始めている可能性があります。
脱皮が近くなると、餌を食べなくなったり、砂に潜ったり出たりを繰り返すようになります。
やがて、砂の中に潜って動かなくなります。
脱皮前はほとんど動くことができないうえに、体が大きく変化する非常にデリケートな状態です。
このときに触ったり、水を掛けたり、砂を掘り返したりなどストレスを与えてしまうと脱皮不全で命を落としてしまいます。
大型のヤドカリは地面に潜らず、地上で脱皮する場合があります。
この時も触ったり持ち上げたりしてしまうと死んでしまいます。
脱皮前は1ヶ月程度じっとしていますので、ヤドカリが動かなくなったときはしばらく様子を見ましょう。
1ヶ月以上経過してもヤドカリが動かなかったり、眼柄や触覚が見える状態まで貝殻から出ていたり、水槽から腐敗臭がするようになった場合は残念ですが死んだと判断しましょう。
水槽の中で他のヤドカリを飼育している場合は、他のヤドカリが遺体を食べ始めていることもあります。
ヤドカリが死んだら速やかに水槽から取り出し、安置する

ヤドカリが死んでいるのを確認した後は、水槽から速やかに取り出して遺体を安置しましょう。
ヤドカリの腐敗が進んでいた場合、腐敗臭が強くなってしまうだけでなく、水や砂に腐敗液が染み付いて水槽内のガラスや設備が汚れてしまったり、同じ水槽で飼育している他のヤドカリの健康状態を悪化させてしまう可能性があります。
まずはヤドカリの体についた水分や砂を落とします。そしてヤドカリの体より一回り大きい箱を用意し、ヤドカリの遺体を置きます。
遺体を入れた箱は直射日光を避け、できるだけ涼しい場所で保管しましょう。
ヤドカリの供養方法を火葬・プランター葬から選ぶ

ヤドカリの供養方法として「火葬」と「プランター葬」という2つの選択肢があります。
火葬の場合、専門の火葬業者に依頼する方法と、可燃ゴミとして処分する方法があります。
専門の火葬業者に依頼する場合、火葬の形式によっては火葬後に遺骨を返してもらえるため、自宅で供養したり、キーホルダーなどお好みの形に加工して手元供養ができます。
ただし、ヤドカリのような小さなペットちゃんの火葬に対応していない業者もあるため、事前に相談をして、ヤドカリの火葬に対応できるか確認しておきましょう。
一方、可燃ゴミとしての処分も可能です。
ヤドカリの遺体は小さいため、ティッシュや紙袋で包んで処分できます。
この方法は費用がかからず、予約も不要なため手続きが簡単です。
遺体をゴミとして処分するため、飼い主様によっては罪悪感を覚えてしまうかもしれません。
もう一つの選択肢であるプランター葬は、プランターに埋葬する供養方法です。
遺体を埋めた場所にお花を植えれば、お花の世話を通じて死んだヤドカリを偲ぶことができ、ヤドカリを身近に感じられることから、寂しさを和らげる効果もあります。
また、プランター葬であればお庭がないマンションやアパートでも埋葬ができ、場所の制約がないことも大きな利点です。
なお、公園など一般の場所への埋葬は廃棄物の不法投棄となりますので、一般の土地への埋葬は避けましょう。
他のヤドカリを飼育していた場合は、飼育方法を見直す

水槽内で他のヤドカリを飼育している場合は、ヤドカリの死因から飼育方法を見直してみましょう。
ヤドカリの死因や、習性を理解した上で適切な環境を整えれば、健康的な飼育が行えます。
また、ヤドカリの死因を他のヤドカリの飼育に活かすことは、死んでしまったヤドカリの供養にもつながります。
飼育環境については、適切な湿度管理が重要です。
高すぎる湿度は危険で、24時間濡れた状態が続くと細菌が繁殖し、ヤドカリが手足を切断するため死亡につながる可能性があります。
また、ヤドカリは臆病な生き物なので、過度な接触は避けましょう。
触りすぎによってヤドカリがストレスを抱え、死んでしまったというケースも少なくありません。
ヤドカリは1日の大半を物陰で過ごすため、適切な隠れ場所がないとストレスで死んでしまう可能性があります。
ヤドカリがストレスを溜めないよう、隠れ家を用意するのも効果的です。
ヤドカリの飼育数も重要で、過密飼育は脱皮時の共食いなどの深刻な問題を引き起こす可能性があります。
まとめ
動かなくなったヤドカリにすぐ触れるのは避け、脱皮の可能性を考えて様子を見守りましょう。
万が一死んでしまった場合は、速やかに取り出し、火葬やプランター葬などの供養方法を選びます。
また、他のヤドカリの健康を守るため、湿度管理や隠れ家の設置、過密飼育の回避といった飼育環境の見直しも重要です。
ヤドカリの死を他のヤドカリの飼育に活かし、感謝の気持ちを持ちながらお世話しましょう。