ハムスターや爬虫類などの小動物のペットちゃんがが亡くなった時、どのように弔えばいいのか迷う飼い主様は少なくありません。
「燃えるゴミに出すのは正しい方法なの?」「埋葬はどこでする?」などわからないことも多いですよね。
倫理的に賛否両論ありますが、トカゲなどの爬虫類、ハムスターなどの小動物の遺体を燃えるゴミに出すのは違法ではありません。
対して、ペットの遺体の埋葬(土葬)は、私有地以外に行うと違法となり処罰されます。
当ページでは小動物を送り出す5つの方法の特徴と合法・違法の理由、ペット火葬の費用についてご紹介します。
供養方法にお悩みの小動物の飼い主様は、ぜひ当ページを呼んで参考にしてください。
ハムスターや爬虫類が死んだらどんな弔い方がある?5つ紹介

ハムスターや爬虫類などの小動物の弔い方には様々なお見送りの方法があり、手間や料金に違いがあります。
この章では5つの方法とそれぞれの特徴をご紹介します。
民間のペット火葬業者に火葬を依頼する
民間のペット火葬業者には、出張ペット火葬とペット霊園があります。
ハムスターや爬虫類などの小動物は体が小さく、従来の火葬炉では火力調整ができず灰になるため遺骨は残せませんでした。
しかし近年、高性能の火葬炉が開発され、一部のペット火葬業者では小動物・爬虫類の遺骨もきれいに残せるようになったのです。
人間と同じように手厚く弔いたい、遺骨を手元で供養したい、という多くの飼い主様に選ばれている方法です。
【ペット火葬業者による出張ペット火葬】
出張ペット火葬は火葬炉を搭載した車で飼い主様の自宅や希望の場所まで来て火葬してくれます。
利便性が高いので、車を持たない人や多忙な人、外出が難しい高齢の飼い主様からの需要が高いです。
【ペット霊園】
ペット霊園はペットちゃんの遺体を持ち込むことで、火葬から納骨または埋葬までしてくれます。
永代供養してくれるところが多く、お墓の管理も任せられるのが特徴です。
・人と同じように手厚く弔うことができる
・火葬方法を選べる(合同火葬・一任個別火葬・立会個別火葬)
・供養方法を選べる(手元供養・墓地へ埋葬・霊座(納骨堂)へ納骨)
・オプションメニューが豊富(読経の手配、骨壺・遺骨キーホルダーなどの販売)
・時間の融通が利く
・ペット火葬業者によっては小動物の遺骨もきれいに残せる
・費用が高額になりやすい
自治体にペットの火葬を依頼する
自治体に依頼すればペットちゃんの遺体を引き取ってくれます。
動物愛護の観点から、動物専用火葬炉を使用する自治体も増えつつありますが、ゴミと一緒に燃やしている自治体もあります。
動物の遺体は法律上、一般廃棄物として扱われるためです。
拾骨・返骨に対応してくれる自治体はごく一部のみで、ほとんどは他の動物たちと一緒に火葬されるため返骨できません。
火葬後の遺骨は、埋め立て地へと運ばれ一般廃棄物と一緒に埋め立てられます。
安価で利用でき費用が抑えられますが、ゴミと一緒に燃やしたり、埋め立てられたりすることに抵抗を感じる飼い主様も多いです。
・安価(無料~数千円程度)
・自治体によって対応が異なる(多くは立ち会いや拾骨・返骨ができない)
・受付時間が限られる(平日のみの対応で、夕方までのところが多い
燃えるゴミとして出す
ハムスターや爬虫類などの小動物は体が小さいので、タオルなどで包んだ遺体をビニール袋に入れて燃えるゴミに出すこともできます。
ペットちゃんの遺体は何らかのウイルスや菌を保有していることもあります。
そのため、遺体を焼却してウイルスや菌の拡散を防ぐという点では、有効な方法だと言えます。
当然、大切なペットちゃんをゴミとして処分してしまうことに抵抗を感じる人も多いはずです。
しかし、ハムスターやトカゲのような小さなペットちゃんを見送るための有効な選択肢の一つです。
・費用がかからない
・手間がかからない
・時間を気にする必要がない
・抵抗感や罪悪感を感じる人が多い
自宅の庭に埋葬する
ハムスターや爬虫類などの小型のペットちゃんなら、自宅の庭に埋葬するという人も多いでしょう。
庭があるお家が少なくなったこともあって行う人は減少しているようですが、昔からある弔い方です。
費用がほとんどかからないのがメリットですが、野生の動物が掘り返さないように深く穴を掘る必要があるなど労力がかかります。
また、悪臭や虫の発生を防ぐため、定期的な確認と長期的なお手入れも欠かせません。
・費用がかからない
・いつでもお墓参りができる
・手間がかかる
・作業に数時間がかかる
・土に還るまでの10年以上は管理が必要
・気軽に引越しや土地の売却ができない
プランター葬をする
庭がないお家でも気軽にできるプランター葬は、小動物のペットちゃんの飼い主様に人気の方法です。
ペットちゃんをイメージした色や花言葉で植える花を選び、毎日お世話をすることがペットロスの緩和にも良いと言われています。
ただし、庭への埋葬と同じく、悪臭や虫が湧くなどのトラブルが発生するリスクはあるため、しっかりと管理しなくてはいけません。
・庭がなくても埋葬できる
・ペットちゃんを身近に感じられる
・ペットちゃんの代わりに草花のお世話ができる
・費用が安く済む(プランターや土、肥料などの費用のみ)
・土に還るまでの10年以上は管理が必要
ハムスターや爬虫類の遺体を燃えるゴミに出すのは違法ではない

「ペットの遺体を燃えるゴミに出す」という行為は倫理的にどうなのか、と思う方も多いかもしれませんが、これは法律違反ではありません。
しかし、ペットちゃんの遺体を燃えるゴミに出すことについて賛否が分かれるのは事実です。
家族同然として一緒に暮らしてきたペットちゃんの遺体は、丁寧に弔ってあげたいというのが多くの飼い主様の思いでしょう。
しかし、飼い主様にとって大切な家族でも、法律上は動物の遺体は一般廃棄物として扱われます。
そのため、燃えるゴミとして出すという方法も、法律上は問題ないのです。
とはいえ、同じ命を持つものとして動物の遺体を一般廃棄物として扱うことを改めるよう求める声も年々大きくなっています。
時代や価値観の変化とともに、法律が見直される日も近いかもしれません。
この法律において「廃棄物」とは、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であって、固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによって汚染された物を除く。)をいう。
廃棄物処理及び清掃に関する法律 第2条第1項
ハムスターや爬虫類の遺体の埋葬は場所によっては違法になる

ペットちゃんの遺体の埋葬は私有地でのみ行うことができます。
その他の場所、例えば公園や河原、賃貸物件の庭、川に流すなどの行為は法律で禁止されています。
動物の遺体は一般廃棄物として扱われるため私有地以外に埋葬すると不法投棄とみなされるのです。
違反した場合、5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方が科せられます。
何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。
廃棄物処理及び清掃に関する法律 第16条
それでも「自然に還してあげたい」という思いから、公共の場所に埋葬する人もいます。
しかし、これは違法行為であるうえに、自分で管理ができない場所に埋めてしまうのは問題です。
ペットちゃんの遺体の埋葬では野生動物に掘り起こされる、悪臭や虫の発生などのリスクが伴います。
また、ペットちゃんが何らかのウイルスや菌を保有していた場合、野生の動物たちに病気が蔓延してしまう可能性もあるのです。
ペットちゃんを大切に思うのなら、私有地やプランターに埋葬するか、ペット火葬業者や自治体に依頼して弔うことを推奨します。
どうしても難しい場合は、燃えるゴミに出す方法も検討せざるを得ないでしょう。
やってはいけない小動物の弔い方6例|その理由も解説

ハムスターや爬虫類などの小動物の遺体の間違った弔い方6例と、やってはいけない理由を解説します。
公園に埋める
公園の敷地内や花壇に埋めたという話しも耳にしますが、この行為は違法なので絶対にやめましょう。
公園の所有者は自治体や国、事業者などです。
公有地や他者の所有物である公園にペットちゃんの遺体を埋めるのは不法投棄となる紛れもない犯罪行為です。
加えて、公園は地域の子供達や住人たちの憩いの場です。
万が一、悪臭や虫が発生したり、野生動物に掘り起こされたりしたら、公園の利用者に迷惑をかけることになります。
海に放流する
「自然に還してあげたいから」と海へペットちゃんの遺体を流す人もいるそうです。
しかし法律上、動物の遺体は一般廃棄物として扱われるため海へ流す行為は不法投棄にあたります。
また、ペットちゃんの遺体には菌やウイルスがいる可能性があり、海洋生物への悪影響が出る可能性も否定できません。
ハムスターやトカゲなどのペットちゃんの遺体をそのまま海へ流す行為は絶対にやめましょう。
ただし、火葬して遺骨になっている場合は、社会通念上「廃棄物」には該当しないとされています。
遺骨を粉骨してパウダー状にし、マナーを守ったうえでの海洋散骨なら行っても大丈夫です。
・漁場や海水浴場は避ける
・人目につかないよう配慮する
・遺骨は必ずパウダー状にしてから散骨する
山に埋める
山の所有者に許可を得られていないのに埋葬する行為は不法投棄となり処罰されるので絶対にやめましょう。
自分で所有している山の場合は私有地となるため、ペットちゃんの遺体を埋めても問題ありません。
また、山の所有者に許可を得られた場合も大丈夫です。
ただし、ハムスターや爬虫類などの小動物の遺体でも土に還るまでには十年ほどはかかります。
その間に悪臭や虫が発生したり、野生動物に掘り返されたりしないようにしっかりとした管理が求められます。
川や池に放流する
たとえ小さなハムスターやトカゲであってもペットの遺体を川や池に流すのは法律で禁止されているため行ってはいけません。
この行為は不法投棄はもちろん、上水道の水源となる河川に流した場合は水道汚染罪に該当する可能性もあります。
ペットちゃんの遺体には菌やウイルスがいる可能性があり、それにより水質が汚染されてしまうことが懸念されるからです。
刑法(e-GOV法令検索)
水道汚染罪(刑法143条)
水道により公衆に供給する飲料の浄水又はその水源を汚染し、よって使用できないようにした者は、6月以上7年以下の懲役に処する。
賃貸の戸建て・マンション・アパートの庭に埋める
賃貸住まいの場合、ペットちゃんの遺体を敷地内に埋めたいなら所有者の許可を得る必要があります。
植物を植えるなど、普段から庭の管理を自分で行っていたとしても、許可なくペットちゃんの遺体を埋めてはいけません。
勝手に埋葬を行った場合は不法投棄とみなされ処罰されます。
黙って埋葬したことが所有者にバレたら損害賠償を請求されたり、掘り起こして引き取るよう要求されたりする可能性もあります。
トイレに流す
ペットちゃんの種類や体の大きさにかかわらず遺体をトイレに流してはいけません。
基本的にトイレに流して良いのは排泄物とトイレットペーパー、水だけです。
これ以外のものを流す行為は、排水管の詰まりやポンプ施設の設備が故障する原因にもなるため禁止されています。
しかし、それ以前に大切なペットちゃんの遺体をトイレに流してしまうのは可哀そうではないでしょうか。
禁止されている行為ですから当然行ってはいけませんが、何よりもペットちゃんの尊厳を大切にしてあげてほしいと筆者は思います。
ペット火葬業者を利用した場合の費用相場はどれくらい?

民間のペット火葬業者に依頼する場合、気になるのはどれくらいの費用が掛かるのかということではないでしょうか。
火葬費用は、ペットちゃんの体の大きさと、どのような火葬方法を選ぶかで決まります。
ペット火葬業者各社の料金を参考に算出したハムスターや爬虫類などの小動物の火葬費用の相場は7,000~20,000円です。
金額に幅があるのは、火葬方法によってサービス内容と費用に差があるからです。
これに「出張費」「夜間料金」「霊園への埋葬費」「永代供養費」が、状況に応じて加算されます。
小動物の場合、2kg以下の小動物料金が適用されるため、犬や猫と比べると費用は抑えられます。
火葬方法3種類の特徴と費用相場
火葬方法には「合同火葬」「一任個別火葬」「立会個別火葬」の3種類があります。
それぞれの特徴と費用相場を解説します。
●費用が一番安いのは「合同火葬」
合同火葬では、他のペットちゃんのご遺体と一緒に火葬されます。
他のペットちゃんの遺骨と混ざってしまうため、返骨はできません。
遺骨はペット霊園へ運ばれ合同墓地に埋葬されたり、海や山などに散骨されたりします。
「火葬はしてあげたいけれど費用も抑えたい」という飼い主様に選ばれています。
小動物の合同火葬の費用相場:7,000~10,000円
●遺骨の返骨が可能な「一任個別火葬」
一任個別火葬では、ペットちゃんの遺体をスタッフが引き取り、個別に火葬してくれます。
立ち会いできない飼い主様に代わって、スタッフが拾骨を行います。
事前に依頼しておけば、遺骨の返骨が可能です。
「立ち会うのはできないけれど、遺骨は手元で供養したい」という飼い主様にぴったりの方法です。
小動物の一任個別火葬の費用相場:10,000~15,000円
●人と同じように葬儀ができる「立会個別火葬」
立会個別火葬では、飼い主様立ち会いのもと、ペットちゃんを個別で火葬します。
ペットちゃんの遺骨を飼い主様の手で拾ってあげることもできるのが特徴です。
「人と同じように手厚く弔いたい」「家族みんなで立ち会いたい」という飼い主様に人気の方法です。
ハムスターの立会個別火葬の費用相場:15,000~20,000円
大切な家族を見送る方法は後悔のないように選択しよう

弔い方は様々ですが、ペットちゃんへの感謝と供養の気持ち、そして後悔のない選択が大切です。
筆者は、過去に何匹もの愛犬や愛猫を弔ってきましたが、1匹目以外は火葬の後にペット霊園の同じ墓地に埋葬してもらっています。
最初の愛犬の時には、まだペット火葬が一般的ではなく自治体で火葬してもらったため遺骨は返ってきませんでした。
当時は仕方なかったこととはいえ、同じお墓に入れてあげたかったと今でも悔いが残っています。
他にも、ペットちゃんの弔い方で後悔したことがあるという飼い主様のお声をいくつかご紹介します。
「庭に埋めたペットの遺体が、野生動物に掘り起こされていた。火葬してあげれば良かった」
「飼っていた昆虫の遺体を、子供が学校に行っている間にゴミに捨てたら泣かれてしまった」
「ハムスターの遺体を燃えるゴミに出したと話したら、周りの人から非難された」
自身の選択やペットちゃんへの申し訳なさからくる後悔、他者を傷付けた後悔、言わなければよかったという後悔を抱える方が多い印象でした。
ペットちゃんの弔い方は、一人ひとりの倫理観や価値観の違いが出るとてもセンシティブなことです。
とくに幼い子供たちに命の尊さを伝える場面では、しっかりと話し合って供養方法を決めるのが望ましいでしょう。
また、十分に考えたうえで選択した方法でも、人に話すことで他者を不快にさせたり、逆に自分が嫌な思いをしたりすることもあります。
悲しみを誰かと共有するのは心を癒すことにつながりますが、賛否が分かれる事柄については心の中に留めておくことも必要なのかもしれません。
まとめ
ハムスターや爬虫類など小動物の遺体の弔い方として多くの飼い主様から選ばれているのは、民間業者によるペット火葬やプランター葬です。
人と同じように手厚く弔えることや、ペットちゃんの存在を身近に感じられることが人気の理由のようです。
賛否はありますが、ペットちゃんの遺体を燃えるゴミとして出すことは違法ではありません。
対して、気軽に行ってしまいがちな埋葬は、私有地以外に行えば違法行為になり罰せられるので注意が必要です。
ペットちゃんの安らかな旅立ちと供養のためにも、十分に検討して弔い方を決めてくださいね。