日本の伝統的な行事であるお盆。
そんな大切な日に、亡くなったペットちゃんをどのように供養すべきかお困りではありませんか?
ご先祖様の霊を迎える中で、亡くなった大切なペットちゃんを思い出し、寂しさを募らせている飼い主様もいらっしゃるでしょう。
そんな時は、ご先祖様と一緒に大切なペットちゃんを偲ぶ機会を作れば、お盆に帰ってきたペットちゃんに感謝の気持ちを伝えられます。
家族として過ごした日々を振り返り、その存在に感謝する時間を持つことは、私たちの心の癒しにつながります。
このページでは、お盆におけるペットちゃんの供養方法について解説します。
大切な存在との絆を大切にし、お盆に帰るペットちゃんを温かく迎える方法を一緒に考えてみましょう。
お盆の意味とは?ペットちゃんのためにお盆の供養はするべき?
お盆は帰ってきた魂をお迎えして、再び戻っていく魂の冥福を祈る期間になります。
日本では古くから、家族を見守るご先祖様の霊を祀る祖霊信仰が自然に根付いてきました。
生物の魂は四十九日で他界するとされますが、お盆に現世に戻ってくると信じられています。
※参考サイト
家族の一員として、ペットちゃんにもお盆の供養をする飼い主様が増加
かつては、お盆の供養は人間のためのものという認識が一般的でした。
しかし、近年はペットちゃんを家族の一員として捉える考え方が広まり、人間同様に火葬を行い、遺骨をペット霊園や動物霊園に納めることが珍しくなくなってきました。
この認識の変化に伴い、ペットちゃんのためのお盆も現代の家族観を反映した慣習として受け入れられつつあります。
【お盆の供養はペットちゃんとの関係を見つめ直すこと】
筆者の友人は昨年亡くなった愛犬のために、今年初めてお盆の供養をしたそうです。
リビングに小さな祭壇を設け、愛犬の写真と好きだったおもちゃを飾りました。
そして、お盆の3日間、家族で毎日線香をあげたり、愛犬の好物だったおやつを供えたそうです。
この経験を通じて悲しみが和らぎ、感謝の気持ちが強くなったと友人は話してくれました。
ペット葬儀の形態に応じたお盆の供養方法は?お墓がなくても大丈夫
ペットちゃんの遺骨がどこにあるかによって、お盆の迎え方は異なります。
一般的に魂は遺骨の安置場所に戻ると考えられているため、安置方法に応じて準備も変わります。
お墓、自宅、合同葬など、各ケースでのお盆の過ごし方を見ていきましょう。
ペットちゃんのお墓がある場合
ペット霊園にお墓がある場合、お盆にはお墓参りをします。
お墓参りとあわせてお掃除も一緒に行いましょう。
お参りをするときはお花やペットフードなどを供え、線香をあげます。
お参りが終わったらペットフードなど、腐敗しやすいお供え物は持ち帰りましょう。
自宅でペットちゃんの遺骨を供養している場合
自宅でペットちゃんの遺骨を保管している場合、仏壇を清掃し、盆提灯やお供え物を用意します。
仏壇にはペットちゃんが大好きだったおやつやおもちゃをお供えしましょう。
合同葬をして遺骨が手元にない場合
合同葬でお骨が手元にない場合でも、供養は可能です。
ペット火葬業者によっては、お盆の時期に合同法要を実施している場合があるためです。
お骨が無くても写真やメモリアルグッズを見て、思いを馳せるだけでも立派な供養です。
どの方法でも、大切なのはペットちゃんへの感謝の気持ちです。
それぞれの状況に合わせて、心を込めた供養を行いましょう。
亡くなったペットちゃんがお家に帰るために必要なお盆の準備とは?
お盆の季節、ペットちゃんの魂を自宅に迎える際には道具を揃えておく必要があります。
盆提灯
盆提灯は魂の帰路を照らす重要な役割を果たします。
お盆は多くの魂が現世に戻ってくるため、ペットちゃんが迷子にならないよう、遺族が盆提灯で目印を用意するのです。
盆提灯には吊り下げ型と置き型があり、ペットちゃんを祀っている仏壇や盆棚、または供養グッズの近くに設置するのが一般的です。
天井付近に仏壇がある場合は吊り提灯が適しています。
置き型は組み立て式がほとんどのため、お盆が終わった後は畳んで収納できます。
ペットちゃん専用の盆提灯も通販サイトなどで販売されているため、探してみるのもおすすめです。
盆棚とお供え物
盆棚はお盆の期間に設置する特別な棚で、供物を置くために使用します。
設置場所は地域により異なりますが、ペットちゃんの場合は普段お骨を祀っている場所の近くや、家族が集まりやすい場所に設けることが多いようです。
自宅で法要を行う際は、盆棚に向かって読経を行うのが一般的です。
盆棚にはナスとキュウリで作った精霊馬を置くことが多く、これはペットちゃんがあの世からこの世に戻ってくる乗り物とされています。
精霊馬だけでなく、ペットフードやおやつ、お水もお供えしてあげましょう。
盆棚の設置時期は地域により異なりますが、多くはお盆法要直前に準備します。
【お供え物も忘れずに】
ペットちゃんのお供え物として、生前愛用していたおもちゃ、よく使っていたシーツ、お気に入りのおやつなども盆棚に飾ってあげましょう。
これらはお家に帰ってきたペットちゃんを喜ばせる効果があるとされています。
ペットフードやおやつ、お水は傷んでしまう前にこまめに取り替えましょう。
ペットちゃんの迎え火や送り火はいつ焚く?火の取り扱いに注意
ペットちゃんが迷わず飼い主様のお家へ帰ってこられるように、迎え火を焚いてあげましょう。
対して、送り火はご先祖様のお見送りのために焚きます。
お盆のスケジュールと迎え火・送り火を焚くタイミング
迎え火、送り火を焚く日は新盆(7月)か、旧暦の盆(8月)の始まりと終わりの日です。※1
お盆は【魂をお迎えする「お盆の入り」(13日)】【自宅で魂が過ごす「中日」(14・15日)】【魂が帰る「送り盆」(16日)】というスケジュールです。
そのため、迎え火、送り火を焚くタイミングは以下の通りです。
・迎え火:7月・8月の13日
・送り火:7月・8月の16日
※1 お住まいの地域・考え方によって異なるため、お家の事情にあわせて判断してください
これらの火は霊に見えるように、玄関や庭、道路などで焚くのが一般的です。
ただし、アパート暮らしや都会では焚き火が難しい場合があります。
その場合は省略しても構いませんし、代わりにろうそくや線香、LEDのキャンドルライトで代用しても構いません。
ろうそくや線香を使う場合は、火が周辺の物に燃え移らないよう十分な注意が必要です。
他にペットちゃんを飼っている場合は、ペットちゃんが誤って火に触れないように注意しましょう。
ペットちゃんの仏壇がなくてもお盆の供養はできる?揃えられる範囲でOK
ペットちゃんの仏壇がなくてもお盆の供養はできます。
仏壇は本来、家庭内の小さなお寺として機能し、御本尊をお祀りしご先祖様を供養する場所でした。
しかし、これは信仰の場であるため、仏教徒でない方の家に仏壇がなくても問題はありません。
仏壇や位牌がない場合は、簡単な精霊棚を作りましょう。
小さなテーブルの上に和紙を敷き、お花やお水、精霊馬、季節の果物などを並べてお供えします。
道具をすべて揃える必要はなく、香炉と花立て、ローソク立ての3点セットを用意するだけでも、簡単にお盆の用意が完了します。
お線香の代わりにお花や食べ物の香りがするお香を使用しても構いません。
最近では煙の少ないものや自然な香りのお線香も販売されているので、好みに合わせて選びましょう。
まとめ
お盆に亡くなったペットちゃんをお迎えする準備は、近年増加している新しい慣習です。
かつては人間のみが対象でしたが、ペットちゃんを家族の一員と考える価値観の変化により、ペットちゃんの霊もお迎えする習慣が生まれました。
そのため、ご先祖様と一緒にペットちゃんの魂をお迎えして、供養するのもおすすめです。
お盆の期間中は盆提灯や盆棚を準備し、ペットちゃんの好物やおもちゃをお供えします。
そして毎日手を合わせて、ペットちゃんへの感謝と追悼の気持ちを伝えましょう。