
大切なウーパールーパーはいつまでも元気で長生きしてもらいたいもの。
そのためには、「快適な環境」「適切な食事」「ストレス」に気を付けることが大切です。
このページでは、ウーパールーパーを長生きさせるためのコツや病気・ケガの予防対策、治療法についてご紹介します。
ウーパールーパーを長生きさせたい飼い主様、うちの子が体調を崩している疑いがある方は、参考にしてください。
ウーパールーパーが死ぬ前に見せる行動と対処方法

ウーパールーパーの様子がおかしい場合は、病気が原因で弱っていることが考えられます。
白い綿のようなものが付いている
この状態になったウーパールーパーは水カビ病にかかっている恐れがあります。
主にエラや四肢の付け根部分などに症状が現れ、放置すると患部が腐ってしまいます。
原因 | 予防対策 | 治療法 |
水質の悪化による免疫力の低下 | ・ろ過フィルターの設置 ・定期的な水換え ・食べ残したエサを取り除く ・水槽内を清潔に保つ | ・治るまでは毎日水換えを行う (1/2~2/3ほどの飼育水を換える) ・浄化能力が高いろ過フィルターに変える ・水槽内を掃除する |
免疫力の低下に加えて、ケガで傷口に菌が入ったことが原因の場合もあります。
体が膨れている
お腹が膨れたら腹水症の可能性があります。
この場合はお腹の水を抜く必要があるため、必ず獣医さんに処置してもらいましょう。
原因 | 予防対策 | 治療法 |
感染症、心・肝・腎不全 血栓症、栄養不足、老化など | ・飼育環境の保全 ・適切な給餌 | ・速やかに専門の動物病院で治療を受ける (腹水を抜く、抗生剤の投与、薬浴など) |
水面に浮かんでしまう
水面に浮かんだままで沈めない場合は浮遊病、ぷかぷか病に陥っている可能性があります。
こちらの場合も獣医師さんに体内のガスを抜いてもらう必要があります。
原因 | 予防対策 | 治療法 |
原因不明 (水質悪化や過食、老化などによる免疫力の低下や、外傷、体腔内ガス、肺疾患、消化管閉塞などが推測される) | ・飼育環境の保全 ・エサの食べ過ぎを防ぐ ・エサの見直し | 速やかに治療を受ける (ガスの吸引、抗生剤の投与、病変部の切除) |
皮膚が荒れている、変色する
寄生虫や細菌が原因で皮膚がダメージを受けている可能性があります。
悪化すると皮膚の変色や裂けなど深刻なダメージを引き起こすことがあります。
放置すると食欲不振や内臓障害を併発することもあるため、早めに診察・治療が必要です。
原因 | 予防対策 | 治療法 |
細菌や寄生虫の感染 | ・飼育環境の保全 ・単独飼育(ケガの予防) | 速やかに専門の動物病院で治療を受ける (抗生剤の投与、薬浴など) |
ウーパールーパーが死ぬ前にしてあげたいこと

ウーパールーパーに病気が見つかった場合は早めに治療してもらうことに加えて、病気にならないように環境を整えることも大切です。
可愛いペットちゃんと1日でも長く一緒にいるために、ウーパールーパーに適した環境を整えましょう。
快適な環境 | 注意事項 | |
水質管理 | ・カルキ抜きをした水を使用する ・ろ過フィルターを設置し水質を 清潔に保つ ・1週間に1度を目安に、水槽内の水 の1/3程度を水換えする | ・エサの食べ残しやフンが残ったままでは病気になりやすくなる ・止水を好むため、強い水流が起こらないようにする |
水温調整 | 水槽用の冷却ファンやエアコンで 水温を5~15度に保つ | ・水温25度を超えると命の危険がある ・水温は20度を超えないようにする ・水温が5度以下になり寒すぎると冬眠してしまう |
水深 | ウーパールーパーの体高より 深いくらいにする | ・深すぎると肺呼吸時に負担になる ・浅すぎると変態(陸化)しやすくなる可能性がある |
飼育方法 | 単独飼育が望ましい | ・多頭飼育では、共食いして手足やエラが欠損することがある ・一匹が病気になった際、同水槽内の他の個体にうつるリスクがある |
水槽のサイズ | 横幅45~60cmの大きめの水槽 | ・体長に合わない小さな水槽では、動きづらくケガをしやすくなる ・水質が悪化しやすく病気にもなりやすくなる |
水槽の設置場所 | 直射日光の当たらない場所 | ・ウーパールーパーは夜行性のため明るい場所はストレスになる ・直射日光が当たると水温が高くなりやすい |
必需品 | ・ろ過フィルター ・水槽用クーラー、冷却ファン ・水温計 ・隠れられる場所(壺、土管など) ・カルキ抜き(中和剤) ・掃除道具(スポンジ、スポイト、 ピンセットなど) ・水草(必須ではないが、入れれば 浄水効果が高まる) | ・石や底砂利は誤飲の原因になるため入れないほうが良い (入れる場合は、粒の小さなものにして食べてしまっても排泄できるようにする) ・カルキ抜きはウーパールーパーの粘膜を保護する専用のものを使用する ・掃除に洗剤は使わない |
ストレスを貯めず、快適に暮らすための工夫
ウーパールーパーも人と同じで、ストレスで体調を崩し、病気になりやすくなります。
また、ストレスが原因で食欲が急激に落ちることもあります。
ウーパールーパーの健康のためにも、ストレス管理も欠かさず行うようにしてください。
ストレス対策例 | 対策理由 |
冷暗所に水槽を置く | ・夜行性のため明るい場所はストレスになる ・水槽内や水温が高くなってしまう |
隠れられる場所の確保 | ・夜行性のため暗い場所を好む ・安心できる場所を作るため |
触らない | ・ウーパールーパーは、人の体温でも火傷してしまうことがある (どうしても触れる必要がある時は、手を水に浸けて表面温度を下げてから触れる) |
飼育環境を頻繁に変えない | ・急激な環境の変化はストレスになる ・視力が弱いため、オブジェなどの装飾品を入れすぎるとケガの原因になる ・水温を下げるために氷を入れるなどするのは厳禁 |
また、食事内容や量の工夫も、大切なペットちゃんの健康を守るために大切なことです。
エサの与え方 | 注意事項 | |
食事量 | ・体長、体重、フンの状態などを観察 して量を調整する ・毎回、同じ時間に同じ量を与える | ・食べ過ぎると消化不良の危険がある ・人工飼料はお腹の中で膨らむことを考慮して量を調整する必要がある ・食べ残したエサを放置すると水質が悪化するので、水槽内から取り除く |
食事回数 | 基本的には1日1回 大きくなったら2~3日に1回でも大丈夫 | ・小さい内でも週に1日は与えない日を作ると良い |
また、エサの鮮度や種類によってはぷかぷか病の原因になることもあるため、古すぎるエサは与えないように注意が必要です。
ケガ、病気を適切に治療する
ケガや病気の対策も大切ですが、いざという時にはすぐに対処することも大切です。
【外傷】
ウーパールーパーは再生能力が非常に高く、触覚や手足が損傷しても再生します。
軽度の損傷なら1週間程度、重度の損傷でも1カ月ほどで再生するそうです。
ただし、外傷部位が細菌や寄生虫に感染すると皮膚病の原因になることもあるため、清潔な飼育環境を整えることが大切です。
原因 | 予防対策 | 治療法 |
多頭飼育、水槽内の装飾過多など | ・単独飼育 ・障害物となりそうなものは水槽内に置かない | ・自然治癒を促す (水質の保全、水温を5~15度の低温にする、栄養価の高いアカムシを与える) ・動物病院で処方されるホルトフレーター溶液の使用 (魚類用の治療薬はウーパールーパーには有毒の場合があるため使用しないこと) |
【誤飲・誤食】
飲み込む前ならピンセットで取り除くことも可能ですが、ケガをさせる危険性もあるので動物病院を受診するのが安心です。
飲み込んでしまっている場合は、全身麻酔での開腹手術が必要になることもあります。
原因 | 予防対策 | 治療法 |
石や底砂利、過剰な装飾(ビー玉など) | ・ウーパールーパーが飲み込めるサイズのものを水槽内に入れない ・石や底砂利を敷かない (入れる場合は細かいサイズにして、飲み込んでも排泄できるようにする) | ・速やかに専門の動物病院を受診する |
両生類の専門医を探しておく
ウーパールーパーをはじめとした両生類を専門に診察してくれる獣医師は、犬や猫と比べるとまだまだ少ないのが現状です。
早めの受診は、ペットちゃんの命をつなぐためにとても大事なことです。
万が一の事態が起こったときに、慌てて探すのでは手遅れになってしまうこともあります。
飼い主様の責任として、通える場所に専門の獣医師がいる動物病院を見つけておきましょう。
加えて、病気の早期発見・早期治療のためにも、健康診断を受けるのも大切です。
・ウーパールーパーを専門に診てくれる獣医師がいる
・自宅から通いやすい距離にある
・信頼できる/相談しやすい
・ホームページなどで症例・治療例が紹介されている
・衛生管理が行き届いている
ウーパールーパーは火葬して見送る

ウーパールーパーなどの両生類が亡くなった場合は、「可燃ゴミとして処分」か「火葬」が推奨されています。
理由は、ペットちゃんがウイルスや真菌を保有していた場合、他の両生類に感染が広がるためです。
実際に、過去にはパナマやオーストラリアの一部地域で「カエルツボカビ症」がパンデミックを起こし、絶滅した両生類もいるようです。
ウーパールーパーに感染症の症状がなく、寿命で亡くなった場合でも、ウイルスや真菌の保有は否定できません。
そのため、ウーパールーパーの遺体は焼却することが望ましいのです。
※参考サイト
火葬は飼い主様の心の安らぎにもつながる
可燃ゴミとして処分するのは可哀そうだと感じる飼い主様は、ぜひペット火葬業者やペット霊園に相談して火葬してあげてください。
筆者が飼っているのは犬や猫ですが、亡くなった際に火葬で弔うことは自分自身の心の安らぎにもつながっていると感じています。
火葬して愛するペットちゃんとの別れの悲しみと向き合うことは、心の整理になります。
筆者もたくさんのペットちゃんを見送りましたが、その経験のすべてが大切な思い出です。
大切なペットちゃんとの別れだからこそ、悔いを残さないようにしてくださいね。
ウーパールーパーの遺体の安置方法や火葬の費用相場、供養方法については以下のページを参考にしてください。
まとめ
ウーパールーパーの様子がおかしい場合は病気の疑いがあります。
例として体に綿のようなカビが生える水カビ病、体が腹水で膨れてしまう腹水病など、体の異常や異変はペットちゃんからのSOSサインかもしれません。
まずは両生類を診てくれる病院で治療を受け、再発しないように水槽内の環境を整えてあげましょう。
ウーパールーパーは環境の変化やストレスが原因で体調を崩すことも多いです。
水槽内は清潔にして細菌や寄生虫を取り除き、ストレスなく過ごせるようにしてあげましょう。