飼い主様のほとんどが「ウーパールーパーを健康で長生きさせたい」と思っておられるのではないでしょうか。
可愛いペットちゃんといつまでも一緒に暮らしたい、というのは多くの飼い主様の願いだと思います。
ペットちゃんに長生きしてもらうためには、「快適な環境」「適切な食事」「ストレス対策」に気を付けることが大切です。
このページでは、ウーパールーパーを長生きさせるためのコツや病気・ケガの予防対策、治療法について詳しくご紹介します。
ウーパールーパーを長生きさせたい飼い主様、これからウーパールーパーを飼おうと思っている方もぜひ参考にしてください。
ウーパールーパーの寿命は5~8年!20歳以上のご長寿も
ウーパールーパーの平均寿命は5~8年と言われていますが、飼育下では10年以上の長生きな子も多いようです。
海外では、20年以上生きた長寿のウーパールーパーの存在も報告されています。
その一方で、ウーパールーパーには突然死が多いという話も聞きます。
基本的には、ウーパールーパーは再生能力に優れていて、適切な飼育方法を徹底すれば病気にもなりにくいそうです。
もちろん人と同様、ウーパールーパーも健康状態や丈夫さには個体差があるため一概には言い切れません。
しかし、飼い主様の心掛け次第で、ウーパールーパーの突然死を防ぎ、長生きさせられる可能性も高くなるのです。
長生きのコツは快適な環境と適切な食事、ストレス対策
すべての生き物にとって「快適な環境」「適切な食事」「ストレス対策」を行うことは、健康長寿のために欠かせません。
可愛いペットちゃんと1日でも長く一緒にいるために、ウーパールーパーに適した環境を整えましょう。
ウーパールーパーにとって快適な環境を整える
ウーパールーパーにとって、水質や水温の管理は非常に重要です。
その他にも、快適な環境のために大切なことを以下にまとめましたのでご覧ください。
快適な環境 | 注意事項 | |
水質管理 | ・カルキ抜きをした水を使用する ・ろ過フィルターを設置し水質を 清潔に保つ ・1週間に1度を目安に、水槽内の水 の1/3程度を水換えする | ・エサの食べ残しやフンが残ったままでは病気になりやすくなる ・止水を好むため、強い水流が起こらないようにする |
水温調整 | 水槽用の冷却ファンやエアコンで 水温を5~15度に保つ | ・水温25度を超えると命の危険がある ・水温は20度を超えないようにする ・水温が5度以下になり寒すぎると冬眠してしまう |
水深 | ウーパールーパーの体高より 深いくらいにする | ・深すぎると肺呼吸時に負担になる ・浅すぎると変態(陸化)しやすくなる可能性がある |
飼育方法 | 単独飼育が望ましい | ・多頭飼育では、共食いして手足やエラが欠損することがある ・一匹が病気になった際、同水槽内の他の個体にうつるリスクがある |
水槽のサイズ | 横幅45~60cmの大きめの水槽 | ・体長に合わない小さな水槽では、動きづらくケガをしやすくなる ・水質が悪化しやすく病気にもなりやすくなる |
水槽の設置場所 | 直射日光の当たらない場所 | ・ウーパールーパーは夜行性のため明るい場所はストレスになる ・直射日光が当たると水温が高くなりやすい |
必需品 | ・ろ過フィルター ・水槽用クーラー、冷却ファン ・水温計 ・隠れられる場所(壺、土管など) ・カルキ抜き(中和剤) ・掃除道具(スポンジ、スポイト、 ピンセットなど) ・水草(必須ではないが、入れれば 浄水効果が高まる) | ・石や底砂利は誤飲の原因になるため入れないほうが良い (入れる場合は、粒の小さなものにして食べてしまっても排泄できるようにする) ・カルキ抜きはウーパールーパーの粘膜を保護する専用のものを使用する ・掃除に洗剤は使わない |
ウーパールーパーにとって適切な食事の量と回数
ウーパールーパーのエサは「人工飼料」や「冷凍アカムシ」です。
冷凍アカムシは、解凍してから少しずつ与えましょう。
エサの与え方 | 注意事項 | |
食事量 | ・体長、体重、フンの状態などを観察 して量を調整する ・毎回、同じ時間に同じ量を与える | ・食べ過ぎると消化不良の危険がある ・人工飼料はお腹の中で膨らむことを考慮して量を調整する必要がある ・食べ残したエサを放置すると水質が悪化するので、水槽内から取り除く |
食事回数 | 基本的には1日1回 大きくなったら2~3日に1回でも大丈夫 | ・小さい内でも週に1日は与えない日を作ると良い |
ウーパールーパーがストレスを溜めないための工夫
ウーパールーパーも人と同じで、ストレスが溜まると体調が悪くなり、病気にもかかりやすくなります。
ストレス対策例 | 対策理由 |
冷暗所に水槽を置く | ・夜行性のため明るい場所はストレスになる ・水槽内や水温が高くなってしまう |
隠れられる場所の確保 | ・夜行性のため暗い場所を好む ・安心できる場所を作るため |
触らない | ・ウーパールーパーは、人の体温でも火傷してしまうことがある (どうしても触れる必要がある時は、手を水に浸けて表面温度を下げてから触れる) |
飼育環境を頻繁に変えない | ・急激な環境の変化はストレスになる ・視力が弱いため、オブジェなどの装飾品を入れすぎるとケガの原因になる ・水温を下げるために氷を入れるなどするのは厳禁 |
ウーパールーパーがかかりやすい病気と予防対策・治療法
この章では、ウーパールーパーがかかりやすい病気をご紹介します。
原因や予防対策、かかってしまった際の治療法もお伝えしますので参考にしてください。
●水カビ病
エラや四肢の末端部分などに白いふわふわとした綿のようなカビが生える病気で、放置すると患部が腐ります。
繊細で損傷しやすい部位は、傷口に水カビ病の細菌が感染しやすいのです。
原因 | 予防対策 | 治療法 |
水質の悪化による免疫力の低下 | ・ろ過フィルターの設置 ・定期的な水換え ・食べ残したエサを取り除く ・水槽内を清潔に保つ | ・治るまでは毎日水換えを行う (1/2~2/3ほどの飼育水を換える) ・浄化能力が高いろ過フィルターに変える ・水槽内を掃除する |
●腹水症
ウーパールーパーの腹部に水が溜まり体が膨らんでしまう病気で、専門の獣医師による治療が必要です。
原因 | 予防対策 | 治療法 |
感染症、心・肝・腎不全 血栓症、栄養不足、老化など | ・飼育環境の保全 ・適切な給餌 | ・速やかに専門の動物病院で治療を受ける (腹水を抜く、抗生剤の投与、薬浴など) |
●メキシコサラマンダーの転覆症候群(通称:ぷかぷか病、浮遊病)
体内にガスが溜まってしまい、ウーパールーパーが水面に浮かんでしまう病気で、専門の獣医師による治療が必要です。
原因 | 予防対策 | 治療法 |
原因不明 (水質悪化や過食、老化などによる免疫力の低下や、外傷、体腔内ガス、肺疾患、消化管閉塞などが推測される) | ・飼育環境の保全 ・エサの食べ過ぎを防ぐ ・エサの見直し | 速やかに治療を受ける (ガスの吸引、抗生剤の投与、病変部の切除) |
●皮膚病
細菌や寄生虫によって皮膚に炎症が出る病気で、悪化すると皮膚が変色したり、裂けてしまうこともあります。
食欲不振に陥り、内臓障害を併発する場合もあるので、専門の獣医師の治療を受けましょう。
原因 | 予防対策 | 治療法 |
細菌や寄生虫の感染 | ・飼育環境の保全 ・単独飼育(ケガの予防) | 速やかに専門の動物病院で治療を受ける (抗生剤の投与、薬浴など) |
ウーパールーパーのケガや誤食の対処法と専門医の重要性
ウーパールーパーは、仲間同士で共食いしたり、何かに驚いてパニックになりどこかへぶつけたりしてケガをすることがあります。
また視力が悪いため、動くものに反応して何でも口に入れてしまうので誤食・誤飲も多いです。
ケガや誤食・誤飲の原因と予防対策、治療法
そもそもケガや誤食を防ぐことが大切ですが、起きてしまった場合に備えて対処方法も確認しておきましょう。
●外傷
ウーパールーパーは再生能力が非常に高く、触覚や手足が損傷しても再生します。
軽度の損傷なら1週間程度、重度の損傷でも1カ月ほどで再生するそうです。
ただし、外傷部位が細菌や寄生虫に感染すると皮膚病などになる危険性もあるため、清潔な飼育環境を整えることが大切です。
原因 | 予防対策 | 治療法 |
多頭飼育、水槽内の装飾過多など | ・単独飼育 ・障害物となりそうなものは水槽内に置かない | ・自然治癒を促す (水質の保全、水温を5~15度の低温にする、栄養価の高いアカムシを与える) ・動物病院で処方されるホルトフレーター溶液の使用 (魚類用の治療薬はウーパールーパーには有毒の場合があるため使用しないこと) |
●誤食・誤飲
飲み込む前ならピンセットで取り除くことも可能ですが、ケガをさせる危険性もあるので動物病院を受診するのが安心です。
飲み込んでしまっている場合は、全身麻酔での開腹手術が必要になることもあります。
原因 | 予防対策 | 治療法 |
石や底砂利、過剰な装飾(ビー玉など) | ・ウーパールーパーが飲み込めるサイズのものを水槽内に入れない ・石や底砂利を敷かない (入れる場合は細かいサイズにして、飲み込んでも排泄できるようにする) | ・速やかに専門の動物病院を受診する |
飼い始める前にウーパールーパーの専門医を探しておこう
ウーパールーパーをはじめとした両生類を専門に診察してくれる獣医師は、犬や猫と比べるとまだまだ少ないのが現状です。
いざという時に専門医にかかれるかどうかは、ペットちゃんの命をつなぐためにとても重要なことです。
万が一の事態が起こったときに、慌てて探すのでは手遅れになってしまうこともあります。
飼い始める前に飼い主様の責任として、通える場所に専門の獣医師がいる動物病院を見付けておきましょう。
加えて、病気の早期発見・早期治療のためにも、動物病院で定期的な健康診断を受けることを推奨いたします。
ウーパールーパーが寿命で亡くなったら火葬するのがおすすめ
ウーパールーパーなどの両生類が亡くなった場合は、「可燃ゴミとして処分」か「火葬」が推奨されています。
理由は、ペットちゃんがウイルスや真菌を保有していた場合、埋葬したり川に流したりすれば他の両生類に感染が広がるからです。
実際に、過去にはパナマやオーストラリアの一部地域で「カエルツボカビ症」がパンデミックを起こし、両生類が滅ぼされています。
ウーパールーパーに感染症の症状がなく、寿命で亡くなった場合でも、ウイルスや真菌の保有は否定できません。
そのため、ウーパールーパーの遺体は焼却することが望ましいのです。
※参考サイト
火葬することは飼い主様の心の安らぎにもつながる
可燃ゴミとして処分するのは可哀そうだと感じる飼い主様は、ぜひペット火葬業者やペット霊園に相談して火葬してあげてください。
筆者が飼っているのは犬や猫ですが、亡くなった際に火葬で弔うことは自分自身の心の安らぎにもつながっていると感じています。
火葬して愛するペットちゃんとの別れの悲しみと向き合うことは、心の整理になります。
筆者もたくさんのペットちゃんを火葬して見送りましたが、その経験のすべてが大切な思い出として心に残っています。
大切なペットちゃんとの別れだからこそ、悔いを残さないようにしてくださいね。
ウーパールーパーの遺体の安置方法や火葬の費用相場、供養方法については下記関連コラムをご参照ください。
まとめ
ウーパールーパーに合った飼育環境を整え、病気やケガを予防できれば10年以上の長生きも夢ではありません。
「快適な環境」「適切な食事」「ストレス対策」を心掛けて、愛情をもって丁寧に飼育してあげてください。
ウーパールーパーは、飼育難易度がやや高い生き物ですが、その愛くるしい姿で飼い主様を癒してくれることでしょう。
そして万が一、病気になってしまった場合は直ちに専門の獣医師に診せ、適切な治療を受けてください。
また亡くなってしまった場合は、そのまま埋葬するのではなく「火葬」をして弔ってあげましょう。