カブトムシが死んだら埋めるのはNG!葬送・安置方法と標本の作り方

カブトムシが亡くなった際、遺体をどうすればいいのかわからず困惑する飼い主様は多いのではないでしょうか。

昆虫も他のペットと同じように葬儀が出来るのなら知りたい、と思うのは飼い主様の当然の心理です。

実際のところ、カブトムシは他のペットちゃんと同様に葬儀や火葬をすることができますし、飼い主様のご要望に沿って供養方法を選ぶこともできます。

そこでこのページでは、カブトムシのお見送り方法を3種類ご紹介し、遺体の安置の仕方や標本にする場合のやり方もお伝えします。

大切なカブトムシを人と同様に弔いたい、ずっと手元で供養したいとお考えの飼い主様は、このページを参考にしてください。

このページでわかること

亡くなったカブトムシを庭に埋めてはいけない理由を解説

カブトムシが死んだら埋めるのはNG!葬送・安置方法と標本の作り方

ひと昔前なら死んでしまったカブトムシなどの昆虫を庭に埋めてお墓を作ることも一般的でした。

しかし、現在では庭などに埋葬することは推奨できません。

飼育していたカブトムシには、野生のカブトムシにはいない雑菌などがついている可能性があります。

また、ヘラクレスオオカブトのように海外から輸入された外来種には、日本にない病原菌や寄生虫が潜んでいることも考えられます。

耐性を持たない病原菌や寄生虫によって、野生のカブトムシに悪影響が出て絶滅させてしまうリスクがあるのです。

生態系が崩れると、私たち人にまで二次被害が及ぶこともあります。

生きたカブトムシを放逐することはもちろん、遺体を庭などの土壌に埋めることもやめておきましょう。

カブトムシや他の生き物たちを危険にさらすことがないよう、亡くなった後も責任を持つことが大切です。

※参考サイト

「カブトムシ・クワガタさいごまで大切に飼おう!」環境省

カブトムシが死んだらどうすればいい?見送り方と注意点

埋葬できないなら、カブトムシが死んだときはどうすれば良いのかでしょうか。

結論から言えば、カブトムシが死んだら「火葬する」のが最善の方法と言えるでしょう。

この章では、カブトムシの葬送方法3つと注意点をご紹介します。

カブトムシの3つの葬送方法

ペットのカブトムシが亡くなった場合「火葬を依頼する」「燃えるゴミとして出す」「標本にする」の3つの方法があります。

●手厚く弔いたい人には火葬がおすすめ

ペット火葬業者やペット霊園の中には、カブトムシなどの昆虫の火葬をしてくれるところがあります。

人と同じように弔えるうえに、病原菌や寄生虫が発生する心配もないので安心です。

昆虫には骨がなく灰しか残らないため、火葬後は他の昆虫たちと一緒に霊園で埋葬されるようです。

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●手軽なのは燃えるゴミとして出す方法

大切なペットちゃんの遺体をゴミとして廃棄することに抵抗感を持つ飼い主様も多いと思います。

しかし、他のカブトムシをはじめとした生態系や環境を守るという観点から考えると有効な方法です。

●手元で供養したい人は標本という選択肢もある

「亡くなった後も身近に感じていたい」「手元供養したい」という飼い主様なら、標本にするのがおすすめです。

殺菌したり防腐処理をしたりと手間がかかりますし、その後の管理も必要になりますが、ずっと近くで供養することができます。

カブトムシを見送る際の注意点

●「死んだふり」を死亡と間違わない

カブトムシは敵が目の前に現れると「死んだふり(擬死)」をします。

また、時にはひっくりかえったまま体力温存のためにじっとしていることもあります。

死んだふりを亡くなっていると勘違いしないよう注意しましょう。

死んだふりの見分け方
  • すべての脚をしっかりと折りたたんで小さくなっている(死んでいる場合は手足が伸びきって、触れても反応がない)
  • 触覚に触れると反応がある
  • 頭と胴体の間がしっかりと詰まっている(死んでいる場合、隙間ができてぐらつく)

●プランター葬はやめておくのが無難

小動物などの葬送方法として人気のプランター葬ですが、カブトムシの場合はやめておくほうが良いと筆者は思います。

死んだふりをしていて、それを亡くなったと思いプランター葬してしまった場合、土から出てきて逃げてしまう可能性があります。

亡くなっている場合でも、病原菌や寄生虫がプランターの土を汚染する可能性も否定できません。

一緒に植えている植物に影響が出たり、野生動物が掘り起こしてしまったりすることも考えられます。

昆虫葬をする人が増加中!昆虫葬の依頼先と費用相場は?

カブトムシは小学生を中心とした子供世代と、その保護者世代に多く飼育されています。

子供たちに命の大切さを伝えるという情操教育の面からも、昆虫葬の需要は高まっているようです。

昆虫葬とは

昆虫葬とは、その名の通り昆虫の葬儀のことで、ペット火葬の一つです。

飼っていた昆虫が亡くなった際、人と同じように弔うことで、別れの悲しみを受け入れ、命の尊さを感じる手助けになります。

カブトムシをはじめとした昆虫類は、小学生以下の子供たちが初めて飼うことが多い生き物です。

子供たちにとってかけがえのない家族であり友達でもある昆虫の「死」を受け入れ、悲しみと向き合うことは容易ではないでしょう。

加えて、大切なペットちゃんの遺体をゴミとして処分するのは、子供たちにとって酷なことです。

昆虫葬は、「ちゃんとお葬式してあげたい」という子供たちの思いから生まれたのです。

昆虫葬の依頼先と費用相場

昆虫葬を行ってくれるペット火葬業者やペット霊園は増えてきています。

金額は業者によって異なりますが、3,000~5,000円くらいが相場のようです。

ただし、業者によっては昆虫葬を行っていないところもあります。

そのため、まずはいくつかの業者や霊園に問い合わせて、どのような葬儀を行ってくれるのかを確認し、要望にあうところを見付けましょう。

依頼先葬儀方法
ペット火葬業者訪問火葬ペット専用火葬炉を備えた車で自宅まで訪問し、その場で葬儀・火葬をしてくれる
持ち込み/郵送・施設までカブトムシの遺体を持ち込む、または郵送すると葬儀をしてくれる

・火葬はせず、そのまま埋葬する業者もある
ペット霊園カブトムシの遺体を霊園へ持ち込むと火葬してくれる

カブトムシの旅立ち準備~きれいに遺体を安置する方法

きれいな姿で見送れるように、カブトムシが亡くなったら遺体を丁寧に安置してあげましょう。

カブトムシの遺体の安置方法

①必要な物を準備する

安置に必要な物を用意しましょう。

安置に必要な物
  • 棺(箱やタッパーなど)
  • 乾燥剤
  • 歯ブラシ、筆など
  • ティッシュ、キッチンペーパー、綿など
  • 防虫剤(長期間安置する場合)

②遺体のお手入れをする

遺体に付いた土や水分を取り除きます。

ティッシュで体の表面を拭いたり、歯ブラシや筆で細かな部分の土を落としてあげましょう。

注意点
  • 強く触れると遺体を傷めることがあるので、優しく触れるようにしてください

③棺に遺体を納める

棺にティッシュやキッチンペーパーなどを敷き、遺体を納めましょう。

注意点
  • 水分が多いと腐敗しやすくなるため、棺には乾燥剤も一緒に入れてください
  • 長期間、安置を行う場合は防虫剤も入れましょう

カブトムシを手元で大切に供養したい!昆虫標本の作り方

飼っていたカブトムシを標本にする場合は、死後2日以内に飼育ケースから取り出しましょう。

それ以上放置していると、遺体の腐敗が進み脚や触覚が取れてしまうので、標本にするのが難しくなります。

以下に、標本の作り方の一例をご紹介します。

カブトムシの標本の作り方

①必要な物を準備する

ホームセンターやインターネット通販で購入できる他、100円ショップなどで買えるものもあります。

標本を作るために必要な品
  • 昆虫針(3~5号)
  • 裁縫用のマチ針
  • 発泡スチロール板
  • ピンセット
  • タッパーなどの箱(乾燥用)
  • 洗濯ネット
  • 乾燥剤
  • 防虫剤
  • 標本箱

②昆虫針を刺し、発泡スチロール板に固定する

カブトムシの右側の上羽(中脚と後脚の間くらいの位置が目安)に昆虫針を垂直に刺して、発泡スチロール板に固定します。

point!
  • 中央からずらして右側の上羽に針を刺す理由は、カブトムシの体の真ん中の構造を守り観察しやすくする目的がある

③脚や触覚の形を整える

ピンセットで脚や触覚の形を整えながら、マチ針を体に添わせるように発泡スチロール板に刺して形を固定します。

Point!
  • 遺体を傷付けないよう、マチ針は添えるように使うことが大切
  • 図鑑や標本写真を見本にして形を整える

④2週間~1カ月ほど乾燥させる

タッパーなどの箱に、発泡スチロール板に固定したカブトムシと乾燥剤、防虫剤を入れ、洗濯ネットで覆います。

風通しの良い日陰で管理し、大型のカブトムシで1カ月ほど、小型のメスのカブトムシで2週間ほど、十分に乾燥させます。

Point!
  • 洗濯ネットに入れるのは、カブトムシの遺体に卵を産み付ける害虫の侵入を防ぐため

⑤マチ針を外し標本箱に入れたら完成

マチ針を外したら、標本箱にカブトムシを移して完成です。

一般的な標本の場合、採集地や採集年月日などを記載したラベルを付けます。

しかし供養が目的なら、墓標代わりにペットちゃんの名前や亡くなった日付などを記載したラベルを付けるのも良いでしょう。

Point!
  • 湿気でカビが生えたり、ダニに食われたりする可能性もあるため、標本箱に乾燥剤と防虫剤を入れておくと安心
  • 防虫剤は有効期限を確認し、定期的に新しい物に取り替える

すぐに標本にしない場合は適切に保管する

カブトムシの遺体を標本にしたいけれど「すぐには必要な物が揃わない」「時間がない」という人もおられるでしょう。

どうしてもすぐに標本にできない場合は、遺体が腐敗したり、虫が湧いたりしないよう適切に保管しなくてはいけません。

タッパーやジップロックに入れてから冷凍庫で冷凍保存するか、タッパーに防虫剤や乾燥剤を入れてしっかりと乾燥させましょう。

注意点
  • 保管していたカブトムシを標本にする場合は、軟化(お湯で遺体をふやかす)作業が必要
  • 難易度が上がるため、初心者の場合は保管せずにすぐ標本にするのがおすすめ

まとめ

カブトムシが死んだら「火葬を依頼する」「燃えるゴミとして出す」「標本にする」の3つの方法でお見送りできます。

生態系や環境を守るために、庭やプランターに埋葬するのはやめておきましょう。

カブトムシを始めとした昆虫は、火葬をすると灰になってしまうので、他のペットちゃんのように遺骨を残すことができません。

大切な思い出を形に残したい方は、標本にする他、メモリアルグッズを用意するのもおすすめです。

メモリアルグッズについては下記のコラムでご紹介していますので、ぜひご参照ください。

このページのポイント
  • カブトムシの見送りには「昆虫葬」という火葬の選択肢がある
  • 手元供養する際は標本にするのもおすすめ

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