
キュウカンチョウは飼育環境によっては20年以上と長生きをする鳥です。
それほどの長い月日を家族として暮らしてくれたキュウカンチョウが体調を崩し、死にそうになっている状況は心が痛む光景のはず。
大切な家族が苦しい思いをしていたら、少しでも楽になるように治療してあげてください。
また、大切なペットちゃんとのお別れも、一緒に過ごす大切な思い出の一つです。
このページではキュウカンチョウが死ぬ前に見せる症状やお見送りについて紹介します。
この記事の監修者

高間 健太郎
(獣医師)
大阪府立大学農学部獣医学科を卒業後、動物病院に勤務。診察の際は「自分が飼っている動物ならどうするか」を基準に、飼い主と動物の気持ちに寄り添って判断するのがモットー。経験と知識に基づいた情報を発信し、ペットに関するお困り事の解消を目指します。
キュウカンチョウが死ぬ前に見せる変化

キュウカンチョウに多い死因は、誤食・誤飲・病気と言われています。
日本では、犬や猫と比べると鳥類の医学はまだまだ発展途中で、状態が悪化してからでは治療するにも限界があるのが実情です。
そのため、少しでも異変を感じたら速やかに動物病院へ連れて行き治療を受け、飼育環境を見直しましょう。
羽が膨れる、寝る時間が長い、食欲低下などの症状は、多くの病気で共通して見られます。
常日頃からおかしな様子はないか、よく観察してください。
また、早期発見・早期治療は当然として、病気にさせないための予防が重要です。
キュウカンチョウに多い病気
肥満 | 動きが鈍くなる、飛べなくなる個体もいる 肝臓疾患、痛風、糖尿病など様々な病気が続発する |
卵塞 | 地面にいることが多い、お腹が大きく膨れる、食欲の低下、元気がなくなる 嘔吐や痙攣を起こして死に至ることもある |
感冒 | 若鳥に多発する傾向がある くしゃみ、咳、流涙、眼結膜の発赤・腫脹、鼻汁の排泄、呼吸音異常 呼吸回数の増加、声の異常 |
毛引き(羽つつき) | 自分の羽毛をかじる・抜くなどの症状が出る |
また、キュウカンチョウの場合は鉄貯蔵病(ヘモクロマトーシス)にも注意が必要です。
鉄分を多く含むフルーツなどの食べ物の摂りすぎで、体内に鉄が蓄積される病気です。
くしゃみなどが現れた後、症状が進むと腹水がたまって死亡します。
※参考サイト
ペット動物販売業者用説明マニュアル(哺乳類・鳥類・爬虫類)(環境省)
キュウカンチョウとのこれからの生活を考える

キュウカンチョウに病気が見つかった場合、健康の尊さをひしひしと感じるはず。
大切なキュウカンチョウが健康で幸せな生涯を過ごせることは飼い主様すべての願いです。
その願いを叶えるために、キュウカンチョウの健康や体のケアを一度見直してみることをおすすめします。
飼育環境を見直す
快適な環境作りは、健康のための基本です。
ケージの掃除は毎日 | キュウカンチョウの便は水っぽくてすぐにケージ内が汚れるため、毎日掃除 ※汚れたままだど細菌が繁殖し感染症の原因になる |
エサ(主食・副食) | キュウカンチョウ専用(低鉄分)のフードを9割として、残り1割は水分量の多い果物や野菜(リンゴ、梨、蒸かしたサツマイモ)をさいの目に切って与える 昆虫(コオロギ、ミルワーム)など生餌も与える |
定期的な日光浴 | 30分~1時間ほど日光浴をさせる ※骨粗しょう症や骨格異常、軟卵などの予防 |
ストレスを溜めない | 鳥用おもちゃ、水浴び用のグッズ、安眠のためのケージカバー、防寒用の保温用品を用意する ※ケージ内での水浴びが難しい場合は、ケージごと風呂場に連れて行き、水シャワーを浴びせてあげたり、湯船に浅く水を溜めて鳥かごごと入れたりすると良い |
ケガの予防 | 動き回れるよう大きめのケージにする ケージの素材は竹材にする ※金属製だとつついてくちばしを傷付けてしまう |
誤食・誤飲の予防 | キュウカンチョウは光る物が大好きなため、ケージの近くにビーズやアクセサリーなど誤食・誤飲しそうな物は置かない |
脱走防止 | キュウカンチョウを放鳥させる場合は、窓や扉を閉め、家族にも放鳥することを伝える |
毎日、健康チェックを行う
「外見」「動き方・行動」「便・尿」は毎日観察し、違和感や異常がないか確認しましょう。
外見 | くちばし・脚・羽などの変色・変形 ケガの有無、体重の急激な増減がないか確認 |
動き方・行動 | 食欲がない、うずくまり羽をふくらましている、元気がない、飛ばない・飛べない、羽を地面につけている、嘔吐、くしゃみ、咳、呼吸が早いなど ※これらの症状が見られる場合は、体調不良または病気の可能性がある |
便・尿 | 排泄物に血が混じっているなど便・尿の状態に異常はないかを確認する |
日々の健康チェックに加えて、専門的な健康診断を受けることも大切。
1年に1回は受けることをおすすめします。
鳥類専門の動物病院を探しておく
お家の近くに動物病院はいくつかあるかと思いますが、鳥類を診てくれる病院か確認しておくと安心です。
安心して大切なキュウカンチョウを診察してもらえる、かかりつけ医を見つけておけば、いざという時にも安心できます。
・アクセスが良い
・通いやすい距離
・鳥類専門の獣医さんが在籍している
・休日の診察ができる
・親身に対応してくれる
・口コミが良い
加えて、キュウカンチョウの診断歴がある鳥類の専門医がいることが理想です。
キュウカンチョウが死ぬ前に決めておきたいこと

キュウカンチョウが生きている間に、葬儀・供養方法について決めておきましょう。
しかし、今から別れのことを考えるのは抵抗があるという方もおられると思います。
しかし、その時になってからでは悲しみから冷静な判断ができず、後々後悔することにもなりかねません。
大切な家族だからこそ、最期にも向き合う覚悟をしてください。
キュウカンチョウのお見送り方法
キュウカンチョウのお見送り方法には「土葬」や「火葬」などがあります。
土葬は、ペットちゃんを身近に感じられ、いつでもお墓参りができるのが魅力です。
ただし、自身が所有する土地でなければ行えないことに加え、悪臭や害虫が発生しないよう徹底した管理が必要です。
対して、火葬なら遺骨が残るので、納骨・埋葬・手元供養と供養方法の選択肢も増え、悪臭・害虫トラブルの心配もありません。
葬儀業者によってサービス内容は異なるので、葬儀や供養の情報を早めに集めましょう。
ハピネスでは鳥類のお見送りにも多く携わってきました。
その経験を活かして大切な家族のお見送りをサポートします。
まずはご要望をお聞かせください。
また、キュウカンチョウのお見送りに関する流れは、以下のページで詳しく解説しています。
まとめ
キュウカンチョウが死ぬ前には羽が膨らむ、食欲が無くなるなど見た目・行動に変化が現れます。
様子がおかしい場合は誤飲・誤食・病気など何らかの異常を伝えようとしている可能性があります。
早めに病院に連れていきましょう。
また、キュウカンチョウはエサに含まれた鉄分の影響で病気になるなど、食事やケージの環境で体調を崩すこともあります。
キュウカンチョウが快適に過ごせるように環境を整えてあげることに加えて、信頼できるかかりつけ医を見つけておくことが大切です。