ペット火葬は夜間でもできる?火葬を依頼する際の注意点は?

ペットちゃんとのお別れは、予測していないタイミングで訪れるもの。

そんな場合でもきちんとお見送りに立ち会えるように、夜間の火葬を希望される方も多いです。

今回は、夜間にペット火葬を依頼する際の注意点についてご紹介します。

この記事の監修者

高間 健太郎(獣医師)

高間 健太郎
(獣医師)

大阪府立大学農学部獣医学科を卒業後、動物病院に勤務。診察の際は「自分が飼っている動物ならどうするか」を基準に、飼い主と動物の気持ちに寄り添って判断するのがモットー。経験と知識に基づいた情報を発信し、ペットに関するお困り事の解消を目指します。

ペットちゃんの火葬は夜にもできる?どこに依頼すればいい?

ペット火葬は夜間でもできる?火葬を依頼する際の注意点は?

ペットちゃんは夜間の火葬に対応している霊園や民間のペット火葬業者に依頼すれば夜間の火葬も可能です。

人間の場合は死亡届の提出や火葬許可証の取得が必要であり、死後24時間が経過する前の火葬が法律で禁止されています。

対して、ペットちゃんの場合は火葬・埋葬に関する法律が定められていないため、夕方に亡くなった子を当日の夜間に火葬することもできます。

※参考サイト

昭和二十三年法律第四十八号 「墓地、埋葬等に関する法律」

夜に火葬を依頼できる場所

夜に火葬を依頼できる場所

結論から言うと、夜にペット火葬を依頼できるのは民間のペット火葬業者・霊園に限られます。

詳しく解説します。

自治体の斎場

大阪府ではペットちゃんの遺体を引き取って合同火葬してくれます。

しかし、午前8時から午後4時30分までの受付時間があり、夜間の受付は行っていません。

お住まいの地域によって受付時間は異なりますが、基本的には夜間の火葬は行っていないケースが多いです。

※参考サイト

「ペットなどが死んだ場合の引き取り」 大阪府

ペット霊園

自治体とは違い、夜間の対応をしてくれる場合もあるため、まずは事前に確認してみましょう。

自治体と同じように受付時間を設定しているところも多いため、まずは事前に相談するのがおすすめです。

火葬を行う施設のため、夜間であっても周囲の目線を気にせずお見送りができるメリットがあります。

民間のペット火葬業者

火葬炉を搭載した火葬車で指定された場所まで赴く「訪問火葬」を行っている民間のペット火葬業者の場合は、夜間の火葬が可能です。

火葬場所を自由に指定できるため、思い出深い場所でお見送りできるメリットがあります。

ペットちゃんの火葬を夜にしてはいけない理由は?

ペットちゃんの火葬を夜にしてはいけない理由は?

ペットちゃんの火葬を夜に行うことは法律的に問題ありません。

しかし、ネットでは「夜に火葬するのは良くない」と主張する声もあります。

夜間に火葬することでお見送りに悔いを残す可能性があることも覚えておきましょう。

理想通りのお見送りにならないことがある

夜間のお見送りの場合は「火葬後の読経を依頼できない」「参列者を呼びにくい」など、理想通りのお見送りが行えない場合も多いです。

しきたり・家族の考え

人間の場合は昼間に火葬・葬儀を行うことが多いため、夜間のお見送りは非常識だとして家族が難色を示す場合もあります。

人間の葬儀とは違ってまだまだ歴史が浅いペットちゃんの火葬・葬儀は、まだまだ風習やルールが根付いていません。

そのため、人間の葬儀を参考に対応するケースが多いためです。

せっかくのお見送りの日に悔いを残さないよう、本当に夜間に火葬していいか相談して決めるようにしましょう。

周囲に心配をかけることがある

夜に活動することは本人たちにまったくその気がなくても周囲の方々に不安を与えたり、怪しく見られたりすることもあるのです。

筆者が住んでいたマンションの前には公園があり、夜には若者がたむろすることがありました。

遅い時間まで彼らが残っている場合は警察が来て、何やら話している様子を見かけることがありました。

筆者の知る範囲では悪さをしている様子は見られませんでしたが、マンションの誰かが通報したのだと思われます。

このように周囲に怪しまれたり、迷惑を掛けたりしないように、夜間に依頼する場合は周囲に配慮しましょう。

また、霊園の場合は周囲の目線を気にせずに火葬を行えるため、どこに依頼するかもよく検討するのがおすすめです。

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夜の火葬時の注意点

夜の火葬時の注意点

夜間の火葬は昼間とは勝手が異なる場合が多いです。

初めてペットちゃんのお見送りを経験する方はもちろん、経験がある方も以下の注意点に気を付けてください。

想定より時間が遅くなることがある

火葬自体は大まかに1時間~1時間30分程度で完了することが多いです。

しかし、火葬に立ち会って拾骨まで行う場合は、火葬だけではなく家からのお見送りから拾骨までの時間も考慮しておく必要があります。

あまりに遅い時間に依頼して、次の日の活動に影響を及ぼさないように注意しましょう。

深夜料金がかかることがある

火葬業者によっては深夜料金がかかる可能性もあります。

気になる場合は事前に業者に確認しておきましょう。

家族全員でのお見送りができない場合がある

家族の中に18歳未満の未成年の方がいる場合は、あまり遅い時間の火葬に立ち会うことができません。

例として大阪府の場合は16歳未満の方を午後8時から翌日の午前4時まで、16歳から18歳未満の方でも午後11時から翌日午前4時まで外出させないように条例で定められているためです。

家族全員で愛するペットちゃんをお見送りしたい場合は、遺体が傷まないように安置して、次の日以降に火葬した方が良い場合もあります。

※参考サイト

「青少年の夜間連れ出し等の禁止」 大阪府

話し声に注意

ペットちゃんの火葬に立ち会う際はペットちゃんにこれまでの感謝を伝えたり、火葬を待つ時間はペットちゃんを偲んで思い出話をしたりと、たくさん話したいことがあるはず。

しかし、夜間にペット火葬を行う場合は話し声で周囲の方に迷惑を掛けないように注意が必要です。

特に家の付近や公園などで火葬を行う訪問火葬の場合は、話し声や音に注意が必要です。

経験豊富な業者に依頼

夜間の火葬には注意すべき点も多いですが、飼い主様だけではなく依頼する業者にも注意すべき点があります。

具体的には「火葬時に発生する煙・臭い・音を極力抑える」「周囲に迷惑が掛からない火葬場所を提案してくれる」業者に依頼すれば安心です。

そのためには最新型の火葬炉を導入している、その地域内での火葬実績が豊富な業者かどうかをホームページで確認するのがおすすめです。

お見送りを急ぐ必要はない

お見送りを急ぐ必要はない

遺体を安置してから火葬するまでは、ペットちゃんと過ごせる最後の時間です。

急ぎで火葬しなければいけない事情がある場合を除いて、もう少しゆっくりとペットちゃんと過ごせないか検討してみるのもおすすめです。

慌ただしくなる

夜間に火葬を行う場合のデメリットとして、周囲の目線や明日の予定が気になって慌ただしいお見送りになることが挙げられます。

ゆっくりと見送ってあげたい場合は、翌日以降にたっぷりと時間が取れるタイミングを探すのもおすすめです。

安置方法

ペットちゃんの遺体は適切に安置すれば冬場であれば2~3日、夏場でも2日ほどはきれいな状態を保たせることができます。

少しでも長く安置するためのポイントとして、以下の方法を忘れずに行いましょう。

  • お腹部分を重点的に冷やす
  • 冷やすものはこまめに交換する
  • 直射日光を避け、涼しい日陰で保存する
  • 漏れ出た体液はこまめに拭き取る
  • 小動物の場合は冷凍庫で安置もできる

日が昇ってから依頼

また、夜間の火葬サービスを受け付けてくれる業者は自治体の受付時間よりも早い時間帯に火葬を行ってくれることもあります。

どうしてもお昼に予定を開けられない場合は、朝から火葬できないか検討するのもおすすめです。

まとめ

民間のペット火葬業者や24時間対応のペット霊園に依頼すれば、ペットちゃんの火葬・葬儀を夜間に行えます。

その際には周囲の方に迷惑をかけないように火葬を行う場所や声・音などの騒音に注意しましょう。

ペットちゃんの火葬は夜に行う際は、利用できるサービスの関係で思うようなお見送りが行えない、周囲の目線が気になって集中できないなどのデメリットもあります。

そのため、愛するペットちゃんのお見送りをゆっくりと、満足できる形で行いたい場合は次の日の朝、もしくはお昼に行えないかスケジュールを見直すことも大切です。

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