マンションでのペット火葬は、戸建てとは違った注意点が必要な場合も多いです。
今回は、マンションでの火葬時に周囲の方に迷惑を掛けない場所選びや、火葬方法の選び方をご紹介します。
この記事の監修者
高間 健太郎
(獣医師)
大阪府立大学農学部獣医学科を卒業後、動物病院に勤務。診察の際は「自分が飼っている動物ならどうするか」を基準に、飼い主と動物の気持ちに寄り添って判断するのがモットー。経験と知識に基づいた情報を発信し、ペットに関するお困り事の解消を目指します。
マンション暮らしの方のペット火葬方法
ペットちゃんを火葬する方法は「霊園に依頼」「自治体に依頼」「訪問火葬を依頼」の3通りあります。
霊園と自治体の場合は遺体を指定された場所まで搬出する必要があるのに対し、搬出する距離を最小限に抑えられて、その場で火葬してもらえる訪問火葬が、マンションの場合は便利な場合も多いです。
マンションで訪問火葬を依頼するメリット
訪問火葬のメリットは火葬場所を指定できること。マンションから火葬場所が遠い場合でも安心して供養できます。
訪問火葬を利用するメリットや注意点は以下のコラムにまとめています。
ぜひ参考にしてください。
マンションで火葬できない場所
たくさんの人が暮らしているマンションだからこそ、ルールを守って火葬を依頼するようにしましょう。
居住・共有スペースに影響する場所
火葬車を駐車した場所が悪く他の方の邪魔になっている、煙や臭いが拡散してお部屋に入ってしまうなど、周囲の方に迷惑を掛けないように注意が必要です。
火葬業者が事前に注意を払ってくれる場合も多いですが、依頼する前に事前に確認しておくのがおすすめです。
許可を取っていない場所
当然ながら、許可を取っていない場所での火葬は厳禁です。
また、コインパーキングや駐車場での火葬は「火気の使用」や「駐車以外での使用」など、規約で禁止されていることが多いことも覚えておきましょう。
障害物がある場合
火葬車の中には火葬車の屋根から熱風を排出するモデルもあります。
そのため、電線や木など火葬車の上に障害物がある場合や屋根のある駐車場では火葬できないことがあります。
マンションの方に迷惑を掛けない火葬場所
株式会社AlbaLinkは集合住宅で暮らす500人を対象に「アパート・マンションの騒音トラブルに関する意識調査」を実施。
その中では「騒音に悩んだ経験がありますか?」という質問に「ある」と答えた方が78%と過半数を占めていました。
他人の立てる音は強いストレスになる、という研究もあります。訪問火葬に使われる火葬車は防音かつ煙の発生を抑えられるものが多いですが、火葬を待っている間や拾骨の際の話し声まではシャットアウトできません。
そのため、マンションで火葬を行う際には、特に騒音に気を付ける必要があります。
そこで、この章では騒音に関するトラブルを避けて、周囲の目を気にせずお見送りができる場所の選び方をご紹介します。
※参考サイト
【アパート・マンションの騒音トラブルランキング】男女500人アンケート調査 株式会社AlbaLink
マンションの駐車場
許可が取れた場合はマンションの駐車場で火葬できます。その場合は周囲の方に迷惑を掛けないよう、音や話し声に注意するようにしましょう。
私有地・お庭
こちらであれば許可は不要です。ただし、マンションの共用庭・専用庭はマンションが管理している土地のため、無許可で火葬を行うことはできません。
ご実家の駐車場やお庭など、火葬に適した場所がないか探してみてはいかがでしょうか。
マンションから離れた場所
マンション内に火葬ができそうな場所がない場合は、一緒にお出かけした場所や普段の散歩ルートなどマンションから離れた場所で火葬するのも手です。
わからなければスタッフに確認
許可を取れなさそうな場合は、ペット火葬業者に連絡し、火葬できそうな場所を知らないか相談してみるのもおすすめです。
訪問火葬以外の方法を検討
ペット霊園が車で行ける範囲にある場合は、遺体を持ち込んで火葬してもらうことを検討するのもおすすめです。
特に、火葬後に霊園での埋葬を考えている場合は火葬から供養までを一度に任せられるため安心です。
マンションで火葬を依頼する時間帯
周囲に迷惑が掛かりにくい時間帯・日程を選ぶことが悔いのないお見送りにつながります。
訪問火葬業者は日時指定を承ってくれるところも多いため、希望を伝えてみてはいかがでしょうか。
迷惑が掛かりにくい時間帯
火葬の日程を指定できる業者の場合は17~19時の帰宅時間を避けて、20~21時ごろを指定するのがおすすめです。
昼間は「車を囲んで何をやっているのか」と気にする方も多いですが、夜になれば人通りも少なくなり、場所さえ気を付ければ周囲の人の目線を気にせず火葬が行えます。
「夜間」は何時から?
筆者はマンションの騒音に困り、管理会社に連絡したことがあります。しかし、管理会社は「深夜になっても収まらなければ対処します」とつれない返答で、”深夜”の騒音で悩んでいる筆者はとても困ってしまいました。
深夜に騒音を立てられるのは困ったものですが、”深夜”というのは厳密には何時からのことを指すのでしょうか。「騒音規制法」では午後10時から翌日の午前6時までを夜間と定義しており、基準以上の大きさの音を出すことを規制していますが、これは工場や建設工事にのみ適応されるので、生活騒音には適応されません。
ただ、何時であっても物音は気になりますし、特に夜にうるさくされるのは腹ただしいものです。
夜に火葬を依頼するのは有効な方法です。しかし”夜”がいつごろを指すのか人それぞれ基準が異なる以上、被害を受けた方の考え方によっては「夜中に騒音を立てた」とトラブルになることも考えられます。そのため、あまりに遅い時間は避けて、時間帯は問わず話し声などの物音はできる限り抑えるようにするのがおすすめです。
※参考サイト
マンションへの訪問火葬業者の選び方
訪問火葬業者は年々その数を増やしているため、どこに依頼していいのか迷ってしまう場合も多いです。
まずはホームページを確認し、気になったところに連絡してみるのがおすすめです。
多くの実績がある
多くのペットちゃんの火葬に携わってきた実績がある業者の場合は、作業実績に伴って火葬可能な場所を把握している場合も多いため、安心してお見送りすることができます。
逆に実績がない業者では、知識不足から周囲に迷惑を掛けてしまうなどトラブルの原因になることがあります。
ホームページの確認方法
訪問火葬のホームページには選び方のヒントになる情報が載っています。例として、火葬車の情報であれば煙や臭いが発生しないか確認できるほか、社名のロゴの有無など、マンションまで来てもらった際をイメージできます。
サイトを見て疑問に思ったことがあれば、スタッフさんに確認してみましょう。
親身になって提案してくれる
初めて火葬を依頼する場合「ここで火葬していいのか」など色々と不安に感じることも多いかと思います。その際はスタッフに遠慮なく相談し、親身になって回答してくれるかを見てみるのがおすすめです。
まとめ
マンションでの火葬は遺体を搬出する必要がない「訪問火葬」がおすすめですが、周囲の方々に迷惑を掛けないように騒音と火葬を行う場所に注意する必要があります。
また、マンションの敷地内は事前に許可を取らないと火葬を行えない場合があるため、他にいくつか火葬場所の候補を考えておく、依頼する業者に相談するなどの対策を考えておくことも大切です。