大切なペットちゃんが亡くなり、どうしても気力が湧かない場合は学校を休みたくなる方も多いはず。しかし、休んだ場合は周囲の人にどう思われているか、心配になる方も多いのではないでしょうか。
今回はペットちゃんが亡くなった際に周囲の人に衝突せずに休む方法や、心のケアについてご紹介します。
この記事の監修者
高間 健太郎
(獣医師)
大阪府立大学農学部獣医学科を卒業後、動物病院に勤務。診察の際は「自分が飼っている動物ならどうするか」を基準に、飼い主と動物の気持ちに寄り添って判断するのがモットー。経験と知識に基づいた情報を発信し、ペットに関するお困り事の解消を目指します。
ペットが亡くなったら学校を休んでいい?
結論から言うと、ペットが亡くなって学校を休むことはまったく問題ありません。心が痛んで何もする気が起きない時には、ゆっくり休んで心を落ち着かせることも大切です。ただし、学校を休む際にはいくつか注意点があります。
休む理由は何と伝える?
欠席理由を正確に言う必要はありません。ペットちゃんのお葬式のための「家の都合」悲しくて何もする気が起きない場合は「体調不良」など理由をぼかして伝えましょう。
・ウソはつかない
ただし、本当の理由を隠すために明らかなウソをつくのは辞めましょう。休む理由を伝える際は「親戚の葬儀」や「病気で病院に行く」など自分の状況をウソでごまかさないようにして、詳しい理由の方をぼかすことが大切です。
一度ウソを付くとそれを隠すためにさらにウソを重ねなければいけない場合が多いうえ、万が一バレた時に周囲の信頼を一気に失ってしまいます。
無断欠席はしない
どうしても気持ちが辛くて何もする気が起きない場合、学校に欠席連絡をするのも面倒に感じられるかもしれません。しかし、無断欠席はしないようにしましょう。
これは学校のルールを破るだけではなく「犯罪に巻き込まれて行方不明になったのではないか」と捜索されることになるなど、思いがけず大ごとになる可能性があるからです。
忌引きにはならない
お葬式が平日に行われる場合は「忌引き」扱いになり、欠席としてカウントされません。
ただし、これは人間に限った話。ペットちゃんのお葬式の場合は忌引きとして扱われないのがほとんどです。
人によって考え方は異なる
「ペットが亡くなって辛かったので休んだ」という発言は大切な家族の一員が亡くなったと考えるか、ペット(動物)が亡くなったと考えるかで、人によって捉え方が変わります。
理解してくれる人がほとんどでしょうが、人によっては「大げさだ」と思う人もいることを知っておきましょう。
ペットが原因で休むのはズル休み?
これは個人的な考えですが、筆者はペットちゃんを亡くした悲しみで学校を休むことはズル休みではないと思います。
「ズル休み」というのは正当な理由なしに学校を休むことを指します。嫌な授業があるので仮病を使うなど、自分の都合のためにウソをついて休むこと、と考えればイメージしやすいでしょうか。
対して、ペットちゃんが亡くなったことで「悲しくて何もできない」「お葬式をしてあげたい」というのはあなたにとっては事実であり、正当な理由があると思います。
これを「単なる屁理屈」と考えるか、学校生活を円滑に送るために「嘘も方便」と考えるかは自由ですが、ペットちゃんとのお別れはたった1度きりのことです。後悔しない方を選ぶようにしてください。
ペットが亡くなったら学校は何日休む?
学校を休む場合は、2日を基準に考えるのがおすすめです。
ペットちゃんのお見送りは何日かかる?
ペットちゃんと最後の時間を過ごしてから見送りたいという理由から安置した次の日に火葬する方も多いです。
ペット火葬業者に依頼すれば、当日中に火葬してお骨にしてもらえる場合もあるため、ペットちゃんのお見送りには1~2日ほどあればいい事がわかります。
3日以上休むのはOK?
先ほど紹介した2日はあくまで基準のため、休む日程は何日でも構いません。
しかし、3日を超えて休むと授業内容や部活などこれまでの学校生活で頑張ってきたものについていけなくなる可能性があることは考えておきましょう。
・休むとサボり癖が付く?
筆者の経験から言うと、付きやすくなると思います。筆者は学生時代に人間関係のトラブルで4日ほど学校をサボったことがありますが、両親からお叱りを受けて渋々登校することにしました。
休んでいる最中は「明日は行こう」と思いながらも「合わせる顔が無い」「会いたくない人がいるし…」など延々と行きたくない理由を探していたので、きっかけがなければズルズルと休み続けていたのではないかと思います。
「何日まで休む」と決めたらしっかりと休み、決めた日にはきっちりと学校に行けるようにしておくことが大切です。
・無理をしてでも行った方が良い?
休むことにどうしても後ろめたい気持ちがあったり、周囲の人に責められていないか気になってしまう場合は、少しだけ勇気を出して学校に行くのも一つの手です。
どうしても心と体が辛くなったら保健室で休ませてもらえばいいですし、授業を受けるなど普段通りの生活を送れば悲しさが少し軽くなることもあるからです。
周囲の人はどう思う?
ペットちゃんが亡くなり、気持ちを落ち着かせるために学校を休むことは悪いことではありません。しかし、友達や先生から悪口を言われるのではないかと心配な方もいるのではないでしょうか?
学校を休んだ人がいる場合、周囲の人達はどう思っているのでしょうか。
友達や先生はどう思う?
友達であっても、学校を1~2日休んだくらいでは特に何も思わない人も多いはず。心配はしても過度にこちらの事情に立ち入ろうとしてくる人は限られてきますし、あまり関わりのない間柄のクラスメイトならなおさらです。
先生もたくさんの生徒を見てきているはずなので、休んだことを叱ったり嫌なことを言ってくる人はかなり珍しいはず。
家族はどう思う?
ペットちゃんと一緒に過ごしてきた家族は同じように悲しみや寂しさを抱えているはず。きちんと気持ちを話せば、あなたの気持ちを理解してくれるはずです。
悪く捉える人もいる
ペットちゃんが亡くなって学校を休むことを「サボり」と悪く捉える人も中にはいます。
ただし、そこまで厳しいことを言えるのは欠席理由を知っているからです。休んだ理由は聞かれた場合のみ「体調を崩した」「家の都合」など無難な理由で説明するのがいいでしょう。
全員を納得させるのは難しい
人はそれぞれ考え方が違うもの。こちらの事情を汲んで理解してくれる人もいれば、そうでない人もいます。
周囲の人全員を納得させるのは難しいです。自分の気持ちを大切にして、あまり周囲を気にしすぎないことも大切です。
どうしても気持ちが辛い場合は
ペットちゃんとの別れを惜しむことは悪い事ではありません。しかし、気持ちが辛い場合はどうすればいいでしょうか。
ペットロス
ペットちゃんを失ったことで心身にダメージを受けた状態を「ペットロス」と言います。
悲しみのあまり眠れなくなったり、ご飯を食べられなったりと生活に支障が出てきた場合は病院で診てもらいましょう。
ペットロスについては以下の記事で症状や対処方法をまとめています。
苦しい気持ちから抜け出すための参考になれば幸いです。
泣くことは悪いことではない
悲しいのはペットちゃんのことを愛していた何よりの証です。涙を流すことはストレス解消になってペットロスの解消にも役立つため、悲しくなったら泣くことはまったく悪いことではありません。
・保健室に行く
登校した後でも気持ちが辛くなって耐えられない場合は、保健室で休むようにしましょう。
身近な人に相談
悲しさを吐き出すことで楽になる場合もあります。
家族などわかってくれそうな人や、信頼できる先生に相談することに加えて、電話やLINEなどを使って匿名で相談ができる窓口を利用するのもおすすめです。
※参考サイト
まとめ
ペットが亡くなった際に学校を休むことは悪い事ではありません。しかし、中には「ペットが原因で休むのはズル休みだ」と思う人もいます。休む際はあくまでウソをつかず、理由は「体調不良」「家の都合」とぼかして伝えるようにし、お見送りが済んだら学校に行けるように気持ちの準備をしておきましょう。
悲しいのはあなたがペットちゃんを愛していた何よりの証です。自分の気持ちが少しでも楽になるように、ゆっくり休むことも大切です。