愛するペットちゃんを専門家の手でお見送りする際には、どうしてもお金が必要になります。
しかし、火葬を依頼するためのお金がない場合はどうすればいいのでしょうか。
この記事の監修者
高間 健太郎
(獣医師)
大阪府立大学農学部獣医学科を卒業後、動物病院に勤務。診察の際は「自分が飼っている動物ならどうするか」を基準に、飼い主と動物の気持ちに寄り添って判断するのがモットー。経験と知識に基づいた情報を発信し、ペットに関するお困り事の解消を目指します。
ペット火葬にかかるお金は?
ペット火葬にかかる料金は「火葬方法」「ペットちゃんの種類・体重」「オプション」の3項目から決定します。
このページではチワワのような体重1~5kgの小型犬の火葬を行うケースを例に説明します。
火葬方法
火葬方法には「斎場での火葬」「訪問火葬」「自治体での火葬」の3通りが挙げられます。
加えて、火葬方法として「合同火葬」「個別火葬」のどちらかを選ぶ必要があります。
体重1~5kgの小型犬の火葬を行う場合 | ||
火葬方法 | おおよその料金 | 特徴 |
斎場での火葬 | 10,000~23,000円程度 |
・合同火葬・個別火葬で料金が異なる ・読経・埋葬なども依頼できる |
訪問火葬 | 10,000~20,000円程度 |
・合同火葬・個別火葬で料金が異なる ・火葬の立ち会い・拾骨なども可能 |
自治体での火葬 | 引き取り~3,000円程度 |
・基本的に返骨されない(例外あり) ・体重に制限がある場合がある |
(火葬方法) 合同火葬 | 依頼先によって異なる |
・基本的に返骨されない ・個別火葬より安価で依頼できる |
(火葬方法) 個別火葬 | 依頼先によって異なる |
・基本的に返骨してもらえる ・拾骨などオプションを付けられる |
まとめると、拾骨や火葬後の供養を検討する場合は多少お金はかかりますが個別供養を行える方法を検討し、とにかく安く火葬を済ませたい場合は自治体に依頼するのがポイントです。
ペットちゃんの種類・体重
火葬コストの関係で、基本的には体重が重くなるにつれて料金が高額になります。
オプションの有無
斎場・訪問火葬の場合は必要に応じて僧侶の手配や、お花など必要な準備を揃えてもらうこともできます。
支払う金額
正確な支払い額は依頼先や用意されている火葬プランによって異なりますが、小型犬の合同火葬を行う場合はおよそ15,000~20,000円ほど用意しておく必要があります。
また、冠婚葬祭、ペット葬儀サービスを手掛ける株式会社サンセルモが行った「ペットの命に関する意識や保護動物に関するアンケート」では、ペット葬儀の予算額は「30,000円以下」と回答した方が全体の6割を占めていたそうです。※1
このアンケート結果からペットちゃんの火葬を行う際の予算額は30,000円程度を基準にペットちゃんの種類や体重に応じて依頼先に見積もりしてもらい、その金額がすぐに払えるかどうかに応じて判断する必要があることがわかります。
*参考サイト
「ペットの飼育経験がある360名に聞く「ペットの命」に関する調査」株式会社サンセルモ
※1 サンセルモ調べ
ペット火葬を少しでも安く行う方法は?
出費が重なって、ペットちゃんの火葬を行うお金がない場合は、少しでも安く火葬できる方法がないか探してみましょう。
合同火葬を行う
合同火葬は複数のペットちゃんと一緒に火葬を行う方法です。
他の子と混同してしまうため遺骨は返ってきませんが、個別火葬より安価で火葬を行うことができます。
相見積もりを取る
火葬を業者に依頼する場合は2~3社程度から相見積もりを取ることをおすすめします。
相場を把握する意味もありますが、相見積もりをすることで業者によっては多少値引きされる場合もあります。
任せたいものだけを依頼する
オプションを外してもらったり、火葬に必要な品物はある程度自分で用意するなど、業者に依頼する工程を減らせば料金が安くなる可能性があります。
「拾骨は自分で行いたい」など、火葬・葬儀に関するご要望や方針を決めて、できる作業は自分で対応するのも有効です。
ただし、愛するペットちゃんをお見送りするのですから削ることばかりではなく、必要な工程だからこそ専門家に依頼するという考えで作業を選ぶようにしましょう。
ペットの火葬を安くするための注意点
自治体に依頼すれば安く火葬してもらえますが、供養のために返骨を希望する場合は火葬業者に依頼することになります。
そこで、ペット火葬業者により安く依頼するための方法をご紹介します。
近場の業者を選ぶ
訪問火葬を依頼する場合は、依頼したい場所の近くで活動している業者を選ぶのもポイント。
交通費などの諸経費を削減し、依頼費を安くできます。
自分の価値観で判断する
筆者は一人暮らしを始める際、家電店のスタッフに言われるがまま家電を購入した結果、結局使わなかった品や部屋のサイズに合わない品まで買ってしまい損をした経験があります。
このように、専門家の話はすべて鵜呑みにしてしまいたくなりますが「そういうものだろう」という判断基準は危険です。
自分の知識や考えで要・不要を判断することが大切だと痛感する出来事でした。
火葬を依頼する際には金額だけではなくサービスにも目を配って、納得できるプランを設定してもらうようにしましょう。
お金がない時にペット火葬を行う方法は?
手元にお金はないがペットちゃんのために火葬を行ってあげたい方は、こちらの方法を検討してみてはいかがでしょうか。
後払い・カード払いを活用する
手持ちが少ないことが原因で支払いできない場合は、後払いやクレジットカードでの支払いを検討しましょう。
ただし、この方法が使えるのは一部の訪問火葬やペット火葬業者に限られることに注意が必要であり、きちんと後から支払いができる目途を立てておくようにしましょう。
自治体に依頼する
自治体によってはペットちゃんの火葬を無料で行っていることもあります。
ただし、他のペットちゃんと合同火葬のため返骨されなかったり、ご遺体を廃棄物として燃えるゴミと一緒に焼却してもらう形になるなど、思った通りの火葬・葬儀が行えない可能性も考慮する必要があります。
お金が入るまで待つ
あと数日ほどでお金が用意できる場合は、ペットちゃんのご遺体を冷凍保存して期日まで待つ選択肢もあります。
ご自宅の冷凍庫を使用するため衛生面での問題があることや、小型のペットちゃんでしか活用できない方法ではありますが、どうしても火葬してあげたい場合は検討してみてください。
ペットちゃんの遺体を冷凍保存する方法やメリット・デメリットはこちらの記事にまとめてあります。
悪徳業者に注意
契約を結んでから高額な追加料金を請求したり、コストカットのために個別火葬と偽って合同火葬を行ったりと、悪質な対応をするペット火葬業者も存在します。
相見積もりを取って相場を確認、その業者の口コミなども判断材料にして、悪徳業者に依頼しないように注意が必要です。
火葬を行わない供養方法もある
ペットちゃんをお見送りする方法は火葬だけではありません。
どうしてもお金が工面できない場合は、違う供養方法を検討するのも手です。
土葬する
「私有地・正式な許可を得た場所」かつ「不法投棄や水道汚染など条例に抵触しない場所」での土葬も一つの選択肢です。
ただし、遺体が土に還るまでは数十年程度と長い月日がかかることを考慮しておくようにしましょう。
プランター葬
土葬を行えない場合はプランター内の土に埋葬するプランター葬がおすすめです。土葬と違って必要があれば移動させることができ、花の種を植えることもできます。
ただし、土葬と同じく遺体が土に返るまでは長い月日がかかることや、虫の発生なども考慮しておく必要があります。
まとめ
お金がない状況でペットちゃんを火葬してもらう方法としては「自治体に火葬を依頼する」「不要なオプションを外してもらい、合同火葬など安い火葬プランを活用する」「クレジットカードや後払いを活用する」ことの3通りが挙げられます。
ペットちゃんとのお別れはこの一回しかありません。お金がないことが原因で下した決断で後悔しないよう、最適な方法を判断するようにしてください。