フェレットの寿命は5年から10年と言われています。人間と比べるとはるかに短い寿命ですが、それでも一緒に遊んだ時間はかけがえのない思い出ですよね。
心残りのないお別れをするためにも、今回はフェレットの死後に行うべき葬儀方法、埋葬方法についてご紹介いたします。
この記事の監修者
高間 健太郎
(獣医師)
大阪府立大学農学部獣医学科を卒業後、動物病院に勤務。診察の際は「自分が飼っている動物ならどうするか」を基準に、飼い主と動物の気持ちに寄り添って判断するのがモットー。経験と知識に基づいた情報を発信し、ペットに関するお困り事の解消を目指します。
フェレットの死後は何をすればいい?
フェレットが亡くなった場合、ご自宅でご遺体をきれいにして安らかに眠らせてあげましょう。
フェレットの遺体の手入れ
ご遺体は時間が経つと目の水分が乾燥し、時間が経つにつれてくぼんでゆきます。その状態で死後硬直が始まるとまぶたを閉じることができなくなります。
飼い主様の手で接着剤でまぶたを閉じ、固定することもできますが、ご遺体の体液が指に付着したり、ご遺体を損傷させる恐れがありますのでおすすめできません。まぶたは死後硬直が始まる前に閉じてあげるか、葬儀会社に希望を伝えてエンゼルケアを依頼してみましょう。
夏場など気温が高いときはご遺体から体液が流れ出ることがあります。体液には菌やウイルスが繁殖しているため、手袋をはめてティッシュなどで優しく拭き取ってあげるようにしましょう。
フェレットの遺体の安置方法
死後硬直が始まる前に楽な姿勢に整えてあげましょう。
フェレットは身体が小さいため、棺桶に入れるときに体を上手く収めることができず困ることはないと思いますが、それでも身体がねじ曲がっているなど、苦しそうな姿勢だと安らかに眠れそうにないですよね。
ご遺体を自然な体勢に整えたらダンボールや木箱、バスケットに入れて、その回りをドライアイスや保冷剤などを敷き詰めて冷やします。気温が高い場合は頭やお腹の下へさらにドライアイスを敷いてあげます。お棺の隙間にはフェレットが大好きだった食べ物や写真、お花を入れてあげましょう。
安置を行う場所
ご遺体を入れた箱は野良猫やカラスにご遺体を持ち去られないよう、必ず室内で保管します。臭いなどが発生し、どうしても室内に置きたくない場合は外で管理しても大丈夫ですが、その場合は棺に蓋をすることを忘れないようにしてください。
フェレットのお葬式はしてもらえる?
フェレットも犬や猫のようにお葬式や火葬をしてもらうことができます。
しかし、体の小さいフェレットは、遺骨が残らないのではないかと不安に感じている方がいらっしゃるかもしれませんが、実績が豊富な業者に依頼すれば、フェレットでもきれいに遺骨を残るように火葬してもらえます。
保健所による火葬
お住まいの市にある保健所へ申し込み、火葬してもらいます。安価で火葬を依頼することができますが、遺骨は遺灰などは返してもらえません。
ペット葬儀社による火葬
火葬から納骨、供養まで人間の葬儀と変わらない形式で葬儀をすることができます。
ご家族と亡くなったペットちゃんのみで行う個別火葬と、他のペットちゃんのご遺体と一緒に火葬を行う合同火葬という二つの方法から選ぶことができ、個別火葬の場合は出棺から火葬まで立ち会うことができるため、最後までペットちゃんをお見送りすることができます。
フェレットは骨格が小さいため、遺骨を引き取りたいのであれば他のペットちゃんと遺骨が混ざらないように個別火葬を選ぶことがおすすめです
訪問火葬
火葬用の炉を備えた車が自宅まで出向き、火葬を行ってくれます。
火葬場が近くになくても火葬ができるため便利ですが、火葬中は臭いや煙が発生します。集合住宅やマンションの前など、近隣にお住まいの方の迷惑になりそうな場合は依頼場所を慎重に選ぶ必要があります。
火葬はすぐに行うべき?
葬儀会社の予約状況やご家族様の都合により、数日後に葬儀を行うことになった場合、ご遺体を傷ませないようにしっかりと冷やし続ける必要があります。
細菌は10度から60度の温度で活動をしますので、ご遺体が10度以下になるように冷却するか、ご遺体が傷まないうちに速やかに葬儀を行うようにしてください。
また、敷地内であっても個人で勝手にペットちゃんのご遺体を焼くことは絶対にやめましょう。許可されていない場所で動物を焼却すると火災や空気汚染を引き起こし、野焼き行為として訴えられる可能性があります。
フェレットの供養方法はどうやって決める?
この章ではフェレットの主な供養方法について紹介します。
ペットちゃんを供養する理由は、たくさんの思い出に感謝を込めてペットちゃんの安らかな眠りを祈る以外にも、飼い主様の寂しい気持ちを和らげる狙いもあります。
そのため、愛するフェレットの供養方法は飼い主様の希望に応じて選ぶ事が大切です。
今回は主要な供養方法をピックアップしますが、より詳細に知りたい場合は、以下のコラムを参考にしてみてください。
埋葬する
小動物であれば、ご自宅のお庭やプランターに埋葬することもできます。
そのままの埋葬ではなく、火葬してお骨にすれば臭いや害虫の発生などのリスクを抑えられます。
公園や山林などの私有地に無断でペットちゃんの遺骨を埋めるのは避けましょう。
不法投棄で罰せられる場合があります。
そのため、フェレットの遺骨を埋める場所がない場合は、合同供養やペット霊園の納骨堂に納めることを検討しましょう。
納骨
ペット霊園のお墓、あるいは納骨堂に遺骨を納めます。飼い主様の代わりにお墓の管理をしてくれるうえ、合同供養であれば読経をしてもらえますので、人間と同じように丁寧に弔ってもらえます。
また、遺骨は個別墓に収めるか、合同供養墓へ収めるかを飼い主様が選択をすることができます。
個別墓は亡くなったペットちゃんを手厚く供養することができますが、高い費用が必要となります。一方で合同供養墓は費用を抑えられ、他のペットちゃんが眠っている場所であれば寂しくありません。
散骨
火葬後に残った骨を粉砕し、パウダー状になった物を海や山に撒いて自然に返す供養方法です。
海や山へ散骨する場合は、独断で行うと水質を悪化させ、生態系を破壊してしまう恐れがあります。散骨で供養する場合は環境、法律に精通した業者に依頼して行うようにしてください。
手元供養
いつでも思い出せるように手元供養品として小さな骨壺に遺骨を入れて自宅で保管したり、フェレットのふかふかの毛を活かしたりして、アクセサリーやキーホルダーに加工される方も多いです。
フェレットを亡くした悲しみを克服する方法は?
葬儀が全て終了してお見送りが完了したとたんに、ペットちゃんを亡くした喪失感に襲われてしまう方は多いです。
悲しみで心が押しつぶされてしまわないいように、ペットロスによる悲しみは隠さずに他人に打ち明けてみましょう。他人からの共感が孤独を和らげてくれるかもしれません。
気持ちが落ち着いたら、ペットちゃんが使用していたケージやおもちゃなどを処分しましょう。引き続き使用できる状態の物はフェレットを飼っている人やペットボランティア団体に寄付をすることもできます。
家族同然で可愛がっていたペットちゃんの死を受け入れることは簡単なことではありません。無理をせず、時間をかけてゆっくりと死を受け入れることが大切です。
まとめ
フェレットは体が小さいため、感染症や病気にかかると短期間で命を落としてしまうことがあります。
そのため不幸にも早いお別れとなってしまうこともありますが、短い時間のなかでもたくさんの思い出をくれた大切なペットちゃんは丁寧に弔ってあげましょう。
フェレットは体が小さいためご自宅のプランターやお庭に埋めて埋葬することもできますが、大切な家族として弔ってあげたいのであれば納骨をすることがおすすめです。火葬業者によっては火葬後に残った遺骨を供養塔まで運んでくれる業者が存在しますので、ぜひ業者へ相談してみましょう。