ハリネズミは死ぬ前にどうなる?動かなくなったらどうすればいい?

上を見るハリネズミ

大切なハリネズミが死んでしまうことを不安に感じる飼い主様は多いです。

しかし、対処方法を知れば不安は和らぐはず。

ハリネズミが死ぬ前の症状を知っておけば、心の準備もできるうえ、迅速な治療で命が助かるかもしれません。

このページでは、ハリネズミが死ぬ前に見せる症状、かかりやすい病気や対策を解説します。

大切なハリネズミに健康で長生きしてほしい、という飼い主様はぜひ参考にしてください。

この記事の監修者

高間 健太郎(獣医師)

高間 健太郎
(獣医師)

大阪府立大学農学部獣医学科を卒業後、動物病院に勤務。診察の際は「自分が飼っている動物ならどうするか」を基準に、飼い主と動物の気持ちに寄り添って判断するのがモットー。経験と知識に基づいた情報を発信し、ペットに関するお困り事の解消を目指します。

ハリネズミが死ぬ前の症状

部屋んぽするハリネズミ

ハリネズミが亡くなる直前には「意識がもうろうとする」「呼吸が弱くなる」「体温が低下する」などの症状が見られます。

その他にも以下のような症状が見られます。

ハリネズミの死期が近いサインと危険な病気
  • エサを食べなくなり急激に痩せる
  • 睡眠時間が増えて一日中眠っている
  • 意識がもうろうとし目が虚ろになる
  • 呼吸が不規則になり、弱まる
  • 体温が低下して手足が冷たくなる
  • けいれんを起こす子もいる

突然死にも注意

ハリネズミは突然死が多い動物でもあります。

かかりやすい病気を知っておけば、突然死を防ぐこともできるので覚えておきましょう。

【突然死する原因】

●ストレス

ハリネズミはとてもストレスに弱い動物です。

ストレス過多の状態は免疫力が低下するばかりか、心不全発症のリスクも高くなります。

大きな音や急に触るなど、ハリネズミをわざと驚かせるのはやめましょう。

また、ケージ内は適度な温度(24~29度)湿度(40%前後)を保つようにしましょう。

ハリネズミはストレスを感じると、針を逆立てて鼻息を荒げる仕草が見られます。

ストレスのサインが見られた場合は接し方や飼育環境を見直してください。

●化学物質

シンナーなどのきつい臭いで、ハリネズミが死んでしまったという事例もあります。

家でスプレーなどを使用する場合は換気して、臭いが充満しないように気を付けましょう。

また、殺虫剤は注意書きをよく読み、使用するかを判断してください。

ハリネズミが動かなくなったら、仮死状態かも?

驚くハリネズミ

ハリネズミは気温の変化で仮死状態になり、死んだように動かなくなることもあります。

その場合は早めに死亡確認をして、対処してあげましょう。

ハリネズミの死亡確認方法

ハリネズミがぐったりして動かない場合は、早めに死亡確認を行いましょう。

①涼しい部屋に移動させ体の状態を確認する

まずは、ハリネズミを涼しい部屋に連れていきましょう。

ハリネズミは体が小さいので、亡くなったらすぐに死後硬直が始まります。

手足が硬直していないか、曲げ伸ばしができるかを確認しましょう。

加えて、お腹を触ってみて柔らかい弾力があれば仮死状態の可能性が高いです。

②ひげの反応を見る

ひげにそっと触り、何か反応があれば、生きていることがわかります。

③呼吸数を確認する

通常時の呼吸数は25~50回/分ですが、仮死状態では数回/分ほどになります。

約1分間ハリネズミの体を観察して、お腹が動くかを確認しましょう。

また、ハリネズミが生きていることが確認できた場合でも、室温やハリネズミの状態に応じて処置をして、病院に連れていきましょう。

部屋が暑すぎる場合

ケージ内の温度が30℃以上になると夏眠して仮死状態になる、もしくは熱中症になります。

どちらもぐったりと脱力することに加えて、熱中症の場合は呼吸が荒くなる、ヨダレを垂らす、けいれんするなどの症状が見られます。

どちらも命に関わる危険な状態のため、早めに対処しましょう。

【熱中症・夏眠の対処方法】

とにかく早めに動物病院で診察を。

病院に行くまでの応急処置として、体が熱い(体温が高い)場合は体を冷やしましょう

ハリネズミの体の冷やし方

濡れタオルをビニール袋で包み、体に当ててゆっくりと冷やす。

目を覚ました場合ははちみつを溶かした水を与えてエネルギー補給を行い、獣医師に診せる。

部屋が寒すぎる場合

ケージ内の温度が20℃を下回るとハリネズミは元気を無くし、さらに12℃以下になると低体温症になって、丸くなって動かなくなります

低体温症はハリネズミの体に多大な負担を掛ける状態です。

早めの対処に加えて、ケージ内の環境の調査や再発しないように対策することが大切です。

ハリネズミの低体温所の対処方法

36度ほどにした湯たんぽやペットヒーターでハリネズミの体をゆっくりと温める。

回復した場合ははちみつを溶かした水を与えてエネルギー補給を行います。

その後、直ちに動物病院を受診。

ハリネズミの快適な生活のためにできること

甘えるハリネズミ

ハリネズミと一緒に過ごす中で「大切なこの子が幸せで健康に暮らすために何ができるか」と考える飼い主様は多いはず。

体調を崩した経験があるならなおさらです。

この症ではハリネズミが幸せに寿命を全うするために知っておきたいことを紹介します。

ハリネズミがかかりやすい病気を把握する

アニコム損保の保険契約を行った人を対象にした調査によると、ハリネズミの保険の請求割合で圧倒的に多いのは「皮膚疾患」です。

次いで「全身性の疾患」、「消化器疾患」、「腫瘍」と続きます。

これらの病気は、最悪の場合ハリネズミを死に至らしめることもあります。

引用元)アニコム「家庭どうぶつ白書2023」(アニコムホールディングス株式会社)

*アニコム損保のペット保険「どうぶつ健保」の保険金支払い実績、同社が実施したアンケート調査の結果などに基づいたデータ

*「請求割合=保険金支払いのあったどうぶつの数/保険に契約しているどうぶつの数」と定義

*あくまで1年間のうちに1回でも保険金支払いがあった場合は1としてカウント

その他にも、ハリネズミが注意すべき病気はいくつもあります。

●ダニ

ハリネズミはダニ症から皮膚疾患になり、死んでしまうケースがあります。

ダニ対策
  • ケージ内に砂場を用意する
  • 定期的に36度程度のぬるめのお風呂に入れてあげる
  • 濡れタオルなどで体を拭いてあげる など

●ハリネズミふらつき症候群(WHS)

ハリネズミふらつき症候群とは、その名の通り歩くとふらつき最終的には全身が動かなくなるハリネズミ特有の神経系の病気です。

Point!

発症してから1~2年以内に亡くなる例が多く、原因不明で予防法や治療方法も確立されていない

●癌、腫瘍

ハリネズミは腫瘍ができやすい動物で、高齢のハリネズミは癌で死ぬケースが多いです。

病気の予防対策
  • ハリネズミの体調や行動を毎日観察して、異変にすぐ気付けるようにする
  • 異変があればすぐに動物病院を受診する
  • 定期健診を受ける

●誤食・誤飲

誤飲・誤食によって中毒や消化不良を起こし、重篤な消化器疾患になることがあります。

かじると危険なものはケージ付近に置かないようにし、部屋を散歩させる場合は周囲を片付けて安全を確保しましょう。

Caution

かじると危険な物

電気コード類、薬、化粧品、中毒性のある植物、設置型の殺虫剤 など

ハリネズミを長生きさせる秘訣

健康の基本は人と同様、バランスの良い食事適度な運動ストレスのない環境です。

それに加えて、長生きのためには毎日の健康チェック定期的な健康診断がとても大切です。

●バランスの良い食事

ハリネズミに必要な栄養素がバランス良く配合されている専用フードを主食にしましょう。

副食やおやつとしてコオロギやミルワーム、野菜、果物、鶏肉などを与えます。

ペットちゃんの好みや食べる量をよく観察して、与える量を調節してください。

飲み水は常に新鮮なものを用意してください。

食事量の目安主食:大さじ1~2杯  副食:小さじ1~2杯  おやつ:少量
食事回数成長期:朝・夜の2回  大人:夜1回
食べてはいけない物牛乳、チョコレート、ネギ類、アーモンド、ブドウ など

●適度な運動

野生のハリネズミは一晩に3~5㎞もの距離を歩き回ることもあるため、飼育下では運動不足への対策が必要です。

運動不足解消のための工夫例
  • ケージ内に回し車を設置する
  • ケージ内におやつを隠して探させる
  • 生きたミルワームやコオロギを与えて捕まえさせる
  • 飼い主様が見守る中で部屋んぽ(部屋の中を散歩)をさせる など

●ストレスを溜めさせない

ハリネズミは非常に神経質な動物なので、飼育環境は徹底して管理しましょう。

クーラーやヒーターなどを利用して、ケージ内を適切な温度・湿度に保ち、大きな音や強い臭いがするような場所は避けてください。

夜行性のため、昼間は薄暗くして静かに過ごさせてあげましょう。

また、ハリネズミは警戒心が強いので、最初から過度なスキンシップをすることは厳禁です。

まずは、飼い主様の臭いがついた服などをケージに入れて2~3日様子を見ることから始め、ゆっくりと慣らしてあげましょう。

ストレス対策例
  • 生態や性質に合わせた環境を整える
  • 適度な距離間で接する など

●毎日の健康チェック

体調の異変にいち早く気付けるように、毎日の健康チェックは欠かせません。

また、ダニ症予防のため2週間ごとを目安に、36度ほどのお湯で足湯をしたり、濡れタオルなどで体を拭いてあげましょう。

健康チェック例
  • 体重や食事量の変化
  • 皮膚や針、爪に異常はないか
  • 排泄物(ストレスや消化不良で便が緑色になる)の確認 など

●定期健診

病気やケガの早期発見、早期治療のために半年に1度を目安に健康診断を受けましょう。

かかりつけ医の選び方
  • 通いやすい距離にある
  • ハリネズミを専門に診てくれる獣医師がいる
  • 衛生管理が行き届いている
  • 医療設備が新しい
  • 信頼できる/相談しやすい

ハリネズミが死んだ後にすること

日に照らされるハリネズミ

たくさんの愛情を注いだハリネズミとも、いつかはお別れの時が来ます。

その際はしっかりと旅立ちを見送り、供養してあげましょう。

ハリネズミが死んだ後にすることは「見送り」「死亡確認」「安置」の3つです。

【見送りから安置までの手順】

エサを食べない、意識がもうろうとしているなど、死ぬ前のサインが見られた場合は、できるだけそばで見送ってあげましょう。

ハリネズミが動かなくなったら、死亡確認をします。

ハリネズミの死亡確認

お腹の動き、鼻先から呼吸を確認します。

また、死亡後のハリネズミは体が硬直して柔らかさを失っていきます。

死んでいるとわかったら遺体を安置します。

まずはこれまでの感謝の気持ちを込めて身体をきれいに拭いてあげましょう。

遺体から体液や排泄物が溢れることもあるので、定期的に確認して清潔な状態を保ってあげてください。

きれいになったら棺にペットシーツを敷き、その上に優しく寝かせてあげれば安置完了です。

・遺体を冷やす

ハンカチなどで包んだ保冷剤やドライアイスを体に添えて冷やし、安置している間はこまめに取り替えます。

夏場ならクーラーを効かせた涼しい部屋、冬場なら暖房のついていない部屋に安置することで遺体の腐敗を遅らせることができます。

夏場で1~2日、冬場で2~3日ほどきれいな状態を保てます。

この間にペットちゃんの火葬の手配や葬儀を行ってあげてください。

ここまで完了すればお見送りの準備は完了。

後は希望する供養方法に応じて火葬・埋葬などお見送り方法を決めてあげてください。

お見送りについて詳しく知りたい方は、こちらを参考にしてください。

まとめ

死期が近づいたハリネズミには「食欲が無くなる」「睡眠時間が増える」「意識がもうろうとして体温が低下する」などの変化が起こります。

また、ケージ内の温度が低すぎる、または高すぎるなど適温が保たれていないことで弱ってしまうこともあるため注意が必要です。

大切なペットちゃんと少しでも長く過ごせるように、日々健康管理をしてあげることは飼い主様の務めです。

筆者は幼少期から犬や猫を飼っていますが、平均寿命よりも早くこの世を去った子もいれば、大往生だった子もいます。

すぐに異変に気付けて、手遅れにならずに済んだ子もいました。

ペットちゃんごとに体質も性格も全然違うので、その子に合ったお世話がとても大切だと実感しています。

ハリネズミの場合、本当に死んでしまったか判断できないときや、なぜ死んでしまったかわからず悲しいときもあるでしょう。

そんなときは獣医師に診てもらうことで納得でき、心が救われることもあるので、頼れる動物病院は必ず見つけておいてください。

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