
メダカが死んでしまったら、遺体を安置してお見送りの準備を進めてあげましょう。
体の小さいメダカは土葬したり、元居た川に話してあげたいと考える方も多いかもしれませんが、方法や場所によっては法律違反で罰せられることもあります。
このページでは大切なメダカを悔いなく、法律順守でお見送りできる方法をご紹介します。
大切な家族の一員を安らかな気持ちで送り出すための助けになれば幸いです。
この記事の監修者

高間 健太郎
(獣医師)
大阪府立大学農学部獣医学科を卒業後、動物病院に勤務。診察の際は「自分が飼っている動物ならどうするか」を基準に、飼い主と動物の気持ちに寄り添って判断するのがモットー。経験と知識に基づいた情報を発信し、ペットに関するお困り事の解消を目指します。
メダカが死んだら遺体を安置する

メダカが死んだら一番にやることは、水槽内から取り出すことです。
水槽内に遺体を残していると、水質が悪化して他のメダカに悪影響が及ぶ可能性があります。
【メダカは死んだらどうなる?】
体がひっくり返って水槽の底に沈んでいる場合が多いです。
死亡から時間が経つと、遺体にはガスが溜まって浮かんできます。
また、死んでしまったメダカは体や目が白くなるなど、見た目で気付くこともできます。
【メダカの遺体の安置方法】
メダカの遺体を安置するために、以下の品を用意しましょう。
用意する物 | 使い方 |
タッパー | 棺の代わりにする |
キッチンペーパー | 遺体を乾燥させないために濡らす |
保冷剤 | 遺体を冷やすために使う |
必要な品が揃ったら、取り出した遺体を安置します。
【メダカの遺体を安置する】
メダカの安置は主に3ステップで行います。
1:遺体をきれいにする
メダカの遺体を優しく水洗いします。
乱暴にしたり強い流水で洗うと、ヒレや体を傷付けてしまうことがあるため注意が必要です。
2:遺体を棺に納める
タッパーに濡らしたキッチンペーパーを敷いて棺を作ります。
キッチンペーパーを濡らす理由は魚の遺体は乾燥して傷むため、安置している間も湿らせておく必要があるためです。
長時間安置する必要がある場合は、乾いてしまう前に定期的に取り換えるのもおすすめです。
棺の用意ができたら、遺体を納めてキッチンペーパーで全身を包みます。
3:保冷剤で遺体を冷やす
棺の中に保冷剤を入れて冷やします。
遺体を冷やすことで傷みを抑えて、きれいな姿でお見送りができます。
安置できたら、お見送りの準備をしましょう。
メダカの遺体は外に出さない!してはいけない供養方法

メダカのような体の小さいペットちゃんは、お庭に埋葬するなどの方法で自然に返してあげたくなる方も多いはず。
しかし、供養方法によっては法律違反になる場合もあるため注意が必要です。
してはいけない供養方法
「池や川への放流」「自分で火葬」は法律違反になる場合があるため注意が必要です。
【池や川への放流】
メダカが亡くなった後は自然に戻すために、池や川への放流を考える方も多いです。
飼い主様はメダカを思って行ったことかもしれませんが、これは立派なNG行為です。
メダカがなんらかの菌や病気を持っていた場合、環境に悪影響を及ぼす危険があります。
【無断で遺体を放置すると罰せられることも】
ペットちゃんのご遺体を私有地以外の場所で手放すことは不法投棄にあたります。
そのため、どれだけメダカのことを思っていたとしてもペナルティの対象となります。
また、同じ理由で川などに放流した場合に加えて、私有地以外の山や森に埋めることも不法投棄として罰せられます。
【自分で火葬する】
体の小さいメダカは自分で埋葬したいと考える方も多いかもしれませんが、基本的には自力で火葬することは避けた方が無難です。
【遺体を燃やすことは法律違反】
ペットちゃんの遺体は法律上廃棄物扱いです。
廃棄物をご自身で燃やすことは、廃棄物処理法に違反してしまいます。
また、ご家庭で出せる火力では遺体がきれいに火葬できない場合もあります。
大切なペットちゃんの遺体を傷付けるだけの結果に終わらないため、何より法律違反をしないためにも、火葬してあげたい場合は火葬業者か自治体に依頼することをおすすめします。
ハピネスではメダカや小型の熱帯魚の火葬事例も多数あります。
心に残るお見送りになるように、心を込めてサポートしますので、まずはご相談ください。
【メダカの遺体をトイレに流す】
メダカの遺体をトイレに流すのはおすすめできません。
ペナルティを受ける可能性は低いですが、思わぬ事故に見舞われることがあります。
・メダカをトイレに流すと何が起こる?
メダカの遺体は小さいですが、配管の詰まりの原因になることがあります。
メダカ1匹の遺体が配管に詰まることはイメージしにくいかもしれません。
しかし、メダカが病原菌を持っていた場合は、処理場に悪影響が及ぶ可能性もあります。
可能性は低くても悪影響が及ぶ危険性がある以上は、避けた方が無難と言えますし、大切なペットちゃんをトイレに流すのはかわいそうではないでしょうか。
メダカが死んだら火葬して見送るのがおすすめ

メダカの遺体は火葬して見送るのがおすすめ。
メダカの場合は「ペット火葬業者」「自治体」に火葬を依頼できます。
法律違反やお見送りが不本意な結果で終わることが心配な場合は、専門家に任せることをおすすめします。
ペット火葬業者に依頼
専門業者に火葬を依頼するのもおすすめです。
最近は小さな魚でも火葬してくれる業者も増えており、業者によってはお骨も残せます。
【火葬のメリット】
遺体を火葬してお骨にすることで、供養方法の選択肢が広がることがメリットです。
手元供養や、匂いを抑えられるお骨にしてから庭に埋葬するなど、安全に配慮してご要望に応じた供養方法を選べるようになります。
ただし、メダカの状態や火葬炉の性能によってはお骨が残らないこともあります。
お骨を残したい場合は、事前に問い合わせてから依頼するようにしましょう。
自治体に火葬を依頼する
自治体はペットちゃんの遺体の引き取り・火葬を行ってくれます。
ただし、メダカ1匹分を引き取ってもらえるかどうかは自治体の判断によるため、事前に問い合わせることをおすすめします。
また、火葬にお金を掛けたくない場合は、燃えるゴミに出すことも選択肢の一つです。
【ゴミに出す場合もきちんとお見送りを】
大切なメダカをゴミに出す場合は、しっかりとお見送りしてあげましょう。
きちんと遺体を安置してお別れをして、安らかに旅立てるように祈ってあげましょう。
また、マナーを守って周囲の方への配慮も忘れないようにすることがポイントです。
・遺体が外から見えないように布や袋で包む。濡れ、汚れを防げる紙袋がおすすめ
・野生動物やカラスに注意する
・ゴミ出しのルールを守る
また、小動物が死んだ後に燃えるゴミに出すことの是非や詳しいメリットは、以下のページで紹介していますので、参考にしてください。
メダカの供養方法を考える

メダカの供養方法は「私有地での埋葬・プランター葬」「手元供養」がおすすめです。
どちらも周囲に迷惑をかけず、大切なペットちゃんを丁寧に見送ることができる方法です。
私有地での埋葬・プランター葬
公共の場や川に遺体を放つことは法律違反になりますが、私有地やプランターの中に遺体を埋葬することは法律上問題ありません。
手頃なお見送り方法ですが、周囲とのトラブルには注意が必要です。
筆者も小さい頃、飼育していたメダカが亡くなると庭の花壇に埋めていたことがあります。
しかし、数日ほどすると野良猫が掘り起こしたのか、花壇が荒れていることがありました。
このように、遺体の臭いを嗅ぎつけた野生動物や害虫による被害が拡散することで近隣の方々とトラブルになる恐れがあります。
埋葬する場合は「深めに穴を掘る」「消臭効果のある石灰を撒く」などの対策が必要です。
【心配な場合はプランター葬も検討】
周囲とのトラブルが心配な場合はプランターに埋葬するプランター葬がおすすめです。
プランターは室内に置く事もできるうえ、体の小さいメダカなら数年ほどで土に還ります。
手軽に埋葬ができるためおすすめの方法です。
手元供養
近年は火葬炉の性能が高まったことで、メダカのような体の小さいペットちゃんもお骨を残せるようになりました。
そのお骨は埋葬するほかに、手元に残してお家で供養する選択肢もあります。
これを手元供養と呼びます。
ペットちゃんの存在を身近に感じられるうえ、自分のタイミングで埋葬できます。
お別れが寂しい方や、四十九日・百箇日など節目の日に埋葬してあげたいなどの条件がある場合にピッタリな供養方法です。
まとめ
メダカの遺体は廃棄物のため、川や池などに遺体を放流すると不法投棄で罰せられることがあります。
また、飼育中に感染した病気を自然にばらまくことにもつながります。
そのため、メダカを供養する際は「私有地での埋葬・プランター葬」「手元供養」など、自然に遺体を出さない方法を選ぶようにしましょう。
また、近年はメダカの火葬を承ってくれる火葬業者も増えており、使用している火葬炉によってはきれいにお骨を残すことも出来ます。
人間をお見送りするときと同じく丁寧にお見送りできますので、大切な家族の一員を丁寧に見送りたい場合は考えてみましょう。