
うさぎは死ぬ前に呼吸が乱れるなど、体調を崩していることがわかる場合も多いです。
しかし、うさぎは不調を隠す性質があるため、気付いた時にはすでに危険な状態の場合もあります。
早期発見と治療のためには日々うさぎの体調と様子に気を配り、変化を見逃さないようにすることが大切です。
今回はうさぎの体調不良のサインとその原因について紹介します。
うさぎが死ぬ前に見せる行動

うさぎの平均寿命は約8年で、猫や犬に比べて寿命は少し短い動物です。
生後1〜6カ月で人間の歳で言うと約2〜13歳になり、1〜3年で約20〜34歳、4〜6年で約40〜52歳、7〜9年で約58〜70歳となり、体が少しずつ衰え始めます。
体が衰えると、小さな段差につまずいたり、食の好みが変わったり、睡眠時間が増えるようになります。
うさぎが高齢になったら、もしものときにすぐ対処できるよう、常に様子を観察しましょう。
体温が下がる
うさぎの平熱は38~40度ですが、死ぬ前は血圧が低下し、少しづつ体温が下がっていきます。
うさぎの体温は耳を触ることで測れます。
普段のふれあいの際に、うさぎが嫌がらないように触って普段の体温を覚えておくようにしましょう。
体温が下がる理由は?
うさぎの体温が下がる理由は「冷房の付けすぎなど、室温の極端な低下」「急性毛球症 ※1を発症している」などが考えられます。
特に急性毛球症は命にかかわる状態のため、早めの対処が必要です。
※1 飲み込んだ毛玉が胃に詰まっている状態。
体温の低下に加えて「元気がない」「排せつをしなくなる」などの症状が出ます。
呼吸が不規則になる
死ぬ前のうさぎちゃんの呼吸は不規則で、呼吸が荒くなってきます。
呼吸が不規則になったら、容体が急変するケースもあるため、覚悟をしましょう。
うさぎの呼吸が乱れる理由
細菌に感染したり、肺炎を起こしている場合は呼吸に異変が見られる場合が多いです。
熱中症になった場合、呼吸が荒くなることがあります。
しかし、室温に問題がないにも関わらず呼吸が乱れている場合は、より深刻な不調を疑いましょう。
死ぬ前は内臓の動きが弱るため、心不全や心臓病など重大な不調が原因の場合も考えられるからです。
頭が上がらなくなる
頭を上げるための筋力や体力が低下し、その結果うさぎの頭は自然と下がってきます。
どんな生き物も、死ぬ前は衰弱していきます。
旅立つ時まで心地よく過ごせるように、頭の下にクッションを敷くなど楽な体勢にしてあげましょう。
声は最後まで届く
人間が死んだ後に最後に機能を失うのは聴覚、という説があります。
うさぎも目が見えなくなって意識を失っても、飼い主様の声は聞こえている可能性があります。
愛するペットちゃんが苦しんでいる姿を見るのは苦しいもの。
しかし、ペットちゃんに別れの言葉を言えないと後悔する事になるかもしれません。
実際、筆者は学生の頃、実家で亡くなった愛犬を看取れなかったことを今でも後悔しています。
悲しさや寂しさは一旦抑えて、ペットちゃんの旅立ちを見守ってあげてください。
うさぎがかかりやすい病気
うさぎがかかりやすい病気の症状を理解しておけば、ちょっとした異変にも気づきやすくなり、早期発見と治療につながります。
胃腸うっ滞
うさぎは消化器系のトラブルを起こしやすい動物で、中でも「胃腸うっ滞」は注意が必要です。
ストレスや食事内容、気温の変化など、些細なことが原因で発症し、悪化すると命に関わることもあります。
食欲がない、お腹が張っている、便の量が少ないなどの異変に気づいたら、できるだけ早く獣医師に診てもらいましょう。
不正咬合
うさぎの歯は一生伸び続けるため、牧草を食べることで自然に削れます。
しかし、伸びる速度と削れる速度のバランスが崩れると、噛み合わせが悪くなり「不正咬合」になります。
食べづらそうにしている、よだれが多い、目の周りが濡れている、目が突出しているといった症状が見られたら、不正咬合の可能性があります。
皮膚炎
うさぎは寄生虫や細菌、偏った食事などが原因で皮膚炎を起こすことがあります。
症状としては、フケの発生、毛が抜ける、皮膚が赤くなる、カサカサするなどが挙げられます。
尿結石
尿結石は、尿路に石ができる病気で、うさぎがかかりやすいとされています。
初期は症状が出にくいですが、石が大きくなると、尿が出にくくなる、トイレの回数が増える、尿の色に異変があるといった兆候が現れます。
カルシウムの過剰摂取や水分不足が主な原因とされているため、バランスの良い食事と適度な水分補給を心がけ、予防に努めましょう。
うさぎが死んだ後の安置方法

愛するうさぎとのお別れはとても寂しく辛いもの。
しかし、うさぎを最後まで送り出してあげることは、飼い主様の務めでもあります。
体を清めて眠っているような体勢にする
体勢を整えるうさぎちゃんの体は2時間ほどで死後硬直します。
死後硬直から半日~24時間程度で死後硬直は解けますが、その後遺体は腐敗していきます。
そのため、死後硬直が始まる前に体勢を整えるのが、きれいな状態でお見送りするポイントです。
まずは遺体を固く絞った布やタオルできれいに拭いてあげましょう。
特に汚れやすいお尻や足をきちんと拭いてあげてください。
きれいになったら手足を優しく曲げて自然な体勢に整えてあげましょう。
丸くなって眠っている時のような体勢にしてあげるのがおすすめです。
うさぎは死ぬときに目や口が開きっぱなしになることもあります。
閉じられる場合は優しく閉じてあげるのが良いですが、無理に閉じる必要はありません。
ハンカチなどで目や口を覆ってあげるだけでも問題ありません。
遺体を冷やし、火葬・供養の用意を進める
すぐに火葬や埋葬ができない場合は、腐敗を遅らせるために遺体を冷やしてあげましょう。
ペット用の棺やダンボールなどの箱にうさぎを寝かせ、布で包んだ保冷剤を入れて冷やします。
直射日光が当たらない涼しい部屋に安置して、夏場はこまめに保冷材を取り替えてあげましょう。
安置後は早めに火葬・供養方法を決める
安置後は火葬方法や供養について決めましょう。
愛するペットちゃんとの別れは惜しいもの。
しかし、後回しにすると「遺体が傷む」「希望の方法・業者の予約が取れない」などの影響が出ます。
寂しいですが、早めに決めて段取りを進めるようにしましょう。
うさぎの供養方法

うさぎを供養する方法に決まりはありません。
飼い主様の考え方によって供養方法を選べます。
まずはどのような供養方法があるかを知り、希望の方法で大切なうさぎを送り出してあげましょう。
自治体に引き取ってもらう
・火葬というよりは焼却処分に近い
・安価で依頼できるメリットがある
うさぎちゃんのご遺体は自治体に引き取ってもらうことができます。
ただし、引き取られたうさぎは一般廃棄物として焼却、遺骨は埋め立てられることが一般的です。
お骨を返してもらってきちんと供養したい方には向かない見送り方と言えます。
しかし、料金は数千円程度と安価で火葬から埋葬まで依頼できるメリットがあります。※2
「どうしてもお見送りに料金が割けない場合」には重宝するお見送り方法です。
※2 参考サイト
庭へ埋葬
・身近な場所でペットちゃんを弔えるが、私有地でしか行えない
・完全に土に還るまでは10年以上かかる
ご自宅の庭へうさぎちゃんを埋葬して供養される方もいらっしゃいます。
埋葬した遺体は10年以上の長い年月をかけて土に還ります。
それだけの長い年月、お庭という身近な空間でペットちゃんが眠っているのは、飼い主様の心の安らぎにつながるのではないでしょうか。
ただし、私有地以外の場合に埋葬すると不法投棄として法律違反になるため、注意しましょう。
また、遺体をそのまま埋葬すると他の動物に掘り起こされたり、異臭や害虫発生のリスクがあります。
そのため、できるだけ深い穴を掘って埋葬するようにしてください。
業者にて火葬
・飼い主様の理想通りの方法でお見送りできる
・全国各地から依頼できる
「大切な家族だから人と同じように供養してあげたい」と考える飼い主様が増えています。
それに伴い、最近は火葬業者への依頼を検討する方も多いです。
火葬業者に依頼するメリットは「火葬方法を選べる」「専門家にアドバイスをもらえる」の2点です。
火葬方法は「返骨してもらえるかどうか」「拾骨に立ち会えるかどうか」を判断する材料になります。
また、愛するうさぎを失って不安なときに、専門家にサポートしてもらえるのも大きなメリットです。
その分、しっかりとした業者に依頼できるように、業者選びが大切です。
大切なうさぎを亡くした悲しみと向き合うには?

アメリカの精神科医であるエリザベス・キューブラー・ロスは、人間が死と向き合っていく過程を5段階で表しました。
①否定・拒否
ペットちゃんが亡くなったことを認めたくないという状態です。
亡くなってすぐは、現実を受け止めることができず何も手につかないということもあります。
体調が悪いときは無理をせずゆっくりと過ごしましょう。
②交渉
「あの子を返して」というように、神様にお願いするをするという感情になる段階です。
宗教や占い・スピリチュアルなものに頼りたくなる方もいます。
③怒り・悲しみ
「私のせいでペットちゃんが死んでしまったんだ」と怒りの感情が現れてきます。
自分自身や家族・獣医師など人のせいにして恨んでしまうこともあるでしょう。
また、涙が止まらなくなるほど深く悲しむこともあります。
④受容
これまでのステップを踏み、最終的にペットちゃんの死を受け入れることができるようになります。
しかし、現実を受け入れるということは、悲しみが無くなるということではありません。
日々のふとしたタイミングで怒りや悲しみが襲ってきて、感情が乱れることもあります。
ペットロスを乗り越える時間はひとそれぞれですので、慌てず少しずつ乗り越えていきましょう。
自分の感情に正直になり、日々を過ごしていくことが大切です。
※参考サイト
うさぎを長生きさせるポイント
うさぎを長生きさせるためには、病気やケガの早期発見、ストレスを溜めさせない飼育環境の徹底が重要になります。
まず、繁殖予定がない場合は去勢・避妊手術を受けさせることで、ストレス軽減や病気予防につながります。
食事は牧草を中心にバランスよく与え、肥満を防ぐため適度な運動も欠かせません。
また、日々の体調観察や定期健診を行い、異変があれば早めに獣医師に相談しましょう。
さらに、うさぎはストレスに弱いため、それぞれに合った環境を整えることも重要です。
食事、体重、トイレの様子など日々のチェックを行い、気になることがあればすぐに獣医師に相談しましょう。
まとめ
うさぎは死ぬ前「体温が下がる」「呼吸が乱れる」「頭が上がらなくなる」などの症状が見られます。
その症状は心不全や肺炎など命にかかわる病気が原因の場合もあるため、うさぎの体調が悪くなったときは、速やかに動物病院の診察を受けましょう。
そして、大切なうさぎとも、いつかはお別れの時間が訪れます。
その際は遺体をきれいに手入れしてあげて、感謝の気持ちを込めて供養をしてあげましょう。