愛犬は大切な家族ですから、少しでも長く一緒に居たいと思うのは飼い主なら当然です。
愛犬に少しでも長く幸せに生きてもらうためにも犬の寿命や長生きする秘訣を知り、管理してあげることが大切です。
そこで今回は、犬の寿命や死因となる原因・長生きする秘訣についてご紹介します。
この記事の監修者
高間 健太郎
(獣医師)
大阪府立大学農学部獣医学科を卒業後、動物病院に勤務。診察の際は「自分が飼っている動物ならどうするか」を基準に、飼い主と動物の気持ちに寄り添って判断するのがモットー。経験と知識に基づいた情報を発信し、ペットに関するお困り事の解消を目指します。
種類別犬の寿命
犬の平均寿命は10歳程度と言われています。
しかし、犬の寿命は犬の大きさや種類によって変わってきます。
小型犬(10㎏未満)
小型犬は最も長生きする種類と言われており、平均寿命はおよそ12〜15歳です。
また、小型犬の中でも犬の種類によってさらに細かく寿命が異なります。
寿命が長いと言われている種類はトイ・プードルで平均寿命15.3歳、ミニチュアダックスで平均寿命14.9歳、ビションフリーゼで平均寿命14.9歳、イタリアン・グレーハウンドで平均寿命14.6歳と言われてます。
中型犬(25㎏未満)
中型犬の平均寿命は11〜15歳です。
その中でも純血種は11〜13歳、雑種は13〜15歳と雑種の方が長生きすると言われています。
その理由は、純地種よりも遺伝的な病気を持っていることが少ないことと、環境の変化に対応できる柔軟性があるからと考えられています。
また、中型犬の中でもブルドッグの平均寿命は7〜10年と短めです。ブルドッグが短命な理由は、人間の理想に近づけるために体や見た目を繰り返し改良されたことに関係があると考えられています。
大型犬(25㎏以上)
大型犬の平均寿命は10〜13歳で、最も寿命が短い種類と言われています。
その理由は、成長のスピードが早いことと、体の大きさに比べ臓器が小さく負担がかかることなどが考えられています。
寿命が短いと言われている種類はグレートデーンで平均寿命は7〜10歳、セントバーナードで平均寿命は8〜10歳と言われています。
犬の年齢を人間で換算
小型犬と中型犬は2年で24歳ほどになり、その後1年ごとに4歳ずつ歳を重ねます。
対して大型犬は2年で20歳ほどになり、その後1年ごとに7歳ずつ歳を重ねます。
大型犬は小型犬や中型犬に比べ子犬から成犬までの成長スピードがゆっくりですが、成犬から成長スピードが速まります。
ただし、犬種によって換算方法は異なるため、あくまで目安として考えるのがおすすめです。
何歳からシニア期に入る?
小型犬と中型犬は7〜10年、大型犬は5〜6年でシニア期に入ります。
シニア期に入ると体力や食事、生活習慣などに様々な変化が見られますので、成長のスピードに合わせて環境や習慣を見直すことが大切です。
犬の死因となる病気
犬が家族の一員として飼われるようになってから犬の環境も変化し、様々な生活習慣病なども増えてきました。
犬の死因となる病気を知ることは、病気を事前に防ぐことに繋がります。
ガン
犬が亡くなる一番の原因はガンです。
人間も犬も高齢になるとガンになるリスクが上がりますが、近年ガンで亡くなる犬が増えたのは、医学が発展したことで犬の平均寿命が延びたからと考えられています。
ガンは早期発見し治療することで治療率は高まります。
日頃の愛犬とのふれあいの中で、ちょっとした異変にも気付けるようにしましょう。
また、メスの場合は避妊手術をすることで乳腺腫瘍の発生リスクを下げることができます。
妊娠させる予定がない場合は、早めに避妊手術をするようにしましょう。
心臓病
犬の心臓病は先天性の心奇形や心筋症、フィラリア症などがありますが、最も発生率が多いのは「僧帽弁閉鎖不全症」という病気です。
犬の心臓は人間と同じ構造で、右心房、右心室、左心房、左心室という4つで構成されています。
右心房と右心室は全身から流れてきた酸素が少ない血液を肺に送り、左心房と左心室は肺からの酸素豊富な血液を受け取り全身に送ります。
僧帽弁閉鎖不全症という病気は左心房と左心室を流れる際の「僧帽弁」に異常が起きてしまう病気です。
腎不全
腎不全は高齢の犬の発生が多く、死亡率が高い病気です。
腎不全には急激に肝臓の機能が低下する「急性腎不全」と徐々に腎臓の機能が低下する「慢性腎不全」の二種類があります。
特に急性腎不全は短い時間で発症し、急激に病状が悪化しますので早期発見が大切です。「元気がない」「食事を取らない」「食べても吐いてしまう」など気になる症状が現れたら、すぐに獣医師に診てもらうようにしましょう。
犬が長生きする秘訣
大切な家族である愛犬とは一日でも長く一緒に居たいものですよね。
この章では、犬が長生きする秘訣についてご紹介します。
定期検診
愛犬も人間のように定期的に検診をすることが大切です。
特にシニア期になると様々な病気になるリスクが上がります。
愛犬の年齢や種類に合わせて、獣医師と相談し定期健診を受けるようにしましょう。
病気がなくても様々な体の数値を知ることで、食事や生活習慣など何に気を付けてあげればいいかが分かり、長生きに繋がります。
食事管理
愛犬の体に合った食事を与えることで、長生きに繋がります。
アレルギーや不足している栄養素などを知り、バランスのいい食事を心がけるようにしましょう。
しかし、愛犬が美味しく食べてくれないと食事がストレスになることもありますので、栄養だけに捉われず愛犬の好みに合った食事を与えることも大切です。
また、食事やおやつの与えすぎは肥満の原因となりますので、量や時間なども意識するようにしましょう。
適度な運動
愛犬の種類や年齢、その日の体調、天気に合わせて適度な運動をさせてあげることが長生きに繋がります。
雨でも散歩に行かないとストレスが溜まってしまう犬もいれば、寒いと一歩も外に出たくない犬もいます。
愛犬の特徴やその日の体調に合わせて適度に散歩するようにしましょう。
また、散歩に行けない場合でも室内で軽い運動をさせてあげることも大切です。
異変があれば獣医師へ
定期健診を受けていても、急激に病気が悪化することもあります。
「いつもより元気がない」「食欲がない」「体にしこりがある」など異変に気付いた場合はすぐに獣医師に診てもらうことで早期発見に繋がります。
異変に気付けるように排泄物を確認する、体を触ってコミュニケーションを取るなど日々愛犬の様子に異常がないか意識することが大切です。
愛犬の一生を充実させるためにできること
犬は人間に比べ寿命が短い動物です。
そのため、「愛犬の一生を充実したものにしてあげたい」と思うはずです。
この章では愛犬の一生を充実させるために飼い主ができることについてご紹介します。
コミュニケーションを取る
たくさん話しかけたり、ボディタッチをしてコミュニケーションを取ることで愛犬は飼い主に愛されていると感じます。
また、ボディタッチは健康チェックにもなります。
ストレスを減らす
できるだけ愛犬がストレスと感じることやものを減らしてあげるようにしましょう。
シャンプーや爪切り、ブラッシングなどで体を清潔に保つことも大切です。
まとめ
今回は犬の寿命や長生きするための秘訣などについてご紹介しました。
飼い主なら、大切な家族には一日でも長生きして幸せな日々を過ごしてもらいたいと思うものですよね。
そのために飼い主ができることはたくさんあります。何より愛犬を愛し、一日一日を大切に過ごしてほしいと思います。