トカゲが死ぬ前に見せる行動は?突然死する理由は?

トカゲは突然死することもありますが、体調を崩しても表情から兆候を感じ取ることは難しいです。

しかし、大切なペットであるトカゲにはできる限り長生きしてもらいたいもの。

そのためには、トカゲの突然死や病死につながる原因を知り、対策してあげることが大切。

このページではトカゲが死ぬ前や体調を崩した際に見せるサインを通して、トカゲが寿命を全うできる飼育環境について紹介。

亡くなった後に悔いを残さないお見送りについてもご紹介しますので、愛するトカゲとのこれからの生活を考えるきっかけにしてはいかがでしょうか。

この記事の監修者

高間 健太郎(獣医師)

高間 健太郎
(獣医師)

大阪府立大学農学部獣医学科を卒業後、動物病院に勤務。診察の際は「自分が飼っている動物ならどうするか」を基準に、飼い主と動物の気持ちに寄り添って判断するのがモットー。経験と知識に基づいた情報を発信し、ペットに関するお困り事の解消を目指します。

トカゲが死ぬ前に見せる行動

トカゲが死ぬ前に見せる行動は?寿命は長い?短い?

トカゲが死ぬ前には、普段とは違う様子が見られることが多いです。

様子がおかしい・普段とは違う

トカゲがいつもと違う行動をしていたり、様子がおかしい場合は、よく様子を見てあげましょう。

それは、トカゲが死ぬ前に見せる体調不良のサインかもしれないからです。

【呼吸がおかしい】

「口呼吸をしている」「ゼーゼーと呼吸音がする」など呼吸方法がおかしい場合は要注意です。

健康な爬虫類は鼻呼吸をするため、口呼吸はケガなどで呼吸がしにくくなっている可能性があります。

また、荒い呼吸は肺炎の疑いがあります。

【歩き方がおかしい】

不自然な姿勢でヨタヨタ歩いている、足を引きずっているなど歩き方がおかしい場合は、くる病 ※1 やケガの疑い※2 があります。

※1 カルシウム不足や栄養の偏りが原因で手足の痙攣などが起こる病気

※2 怪我の原因は?

ハンドリングの途中に誤って落とすなどの事故がネットでも多く報告されています。

ケージの中でもレイアウトの木材に爪をひっかけてケガをする(爪飛び)やヒーターに触れてしまってやけどするなど様々な原因が考えられます。

【便の色がおかしい】

ケースに敷いてあるシートを交換する際は、便の状態を見て健康チェックを行いましょう。

形、血が混じっているなどの異常がないか、量が多い・少ないことはないか、など便から判断できるポイントは多いです。

弱って動けなくなっている

これまで紹介した原因は早めに気付くことで対処できる、事前に対策できるものも多いです。

しかし「手足を投げ出してぐったりしている」「動かなくなっている」など弱っている場合はトカゲに死が近づいていることが多いです。

トカゲが動かなくなったら、まずは病院で診察してもらうようにしましょう

トカゲが動けなくなったのは命に関わる病気やケガが原因にある可能性があるからです。

診察を受ける際はトカゲの今日までの様子を思い出して獣医さんに伝えることも大切です。

大まかに「いつから動かなくなったか」「過去1週間以内に行動に異変や変わったことはなかったか」などを伝えるのがおすすめです。

トカゲの突然死と死因について

トカゲの突然死と死因について

トカゲ類は長生きするペットではありますが、突然死するケースも多く報告されています。

そのため、トカゲ類に多く見られる死因を把握して「もしかしたら……」と思ったらすぐに病院に連れていくことが大切です。

低体温症と対策

変温動物であるトカゲは飼育ケース内の温度を適切に管理してあげなければいけません。

そのため、トカゲを飼育する上で紫外線ライトとバスキングライト、寒い時期のヒーターは必須です。

しかし、故障や停電後のつけ忘れなどで消しっぱなしにしてしまうと、トカゲが低体温症にかかって体調を崩してしまいます。

ヒーターが故障してもいいように対策すること、体調を崩していたらすぐ通院することが大切です。

低体温症の対策
  • 種類にあわせて最適な環境を作ってあげる
  • トラブルでヒーターが使えなくなった際に備え、スペアや保温電球の替えを用意しておく

食欲不振とその対策

体調を崩してエサを食べなくなった状態は最も異変に気付きやすい状態です。

まずは原因を推測し、対策してあげましょう。

・エサに飽きてしまった、もしくは好みのエサではない

・低体温症など体調を崩している

・環境があわず、ストレスを抱えている

・寄生虫に感染、マウスロットができている

ヒョウモントカゲモドキなどは1~2週間程度であれば絶食しても問題ないため、種類によっては様子を見るのも手です。

食欲不振の対策
  • エサの種類を変えてみる
  • 気温・湿度が適切ではない
  • うるさい音や過剰なスキンシップなど、ストレスを取り除く
  • 種類によってはしばらく様子を見る

治療が間に合わなかった

トカゲなどの爬虫類は「エキゾチックアニマル」という種類に分類されます。

意味合いは使われ方によって異なりますが、販売元や獣医さんが使う場合には「犬・猫以外の動物全般」を指す言葉となります。

エキゾチックアニマルは、診てくれる獣医さんが限られるという特徴があるだけではなく、病気の原因や有効な治療方法自体が確立されていないケースもあります。

そのため、いつもと様子が違うことに気付いて獣医さんを探したものの、近隣に対応してくれる病院が見つからなかったり、自宅から向かうには遠すぎて断念せざるを得ない可能性も考えられます。

突然の体調不良への対策
  • 最寄りでトカゲを診てくれる病院を複数ピックアップしておく
  • トカゲに詳しいコミュニティなど、緊急時に相談できる場所を見つけておく

トカゲの寿命は長い?

トカゲが死ぬ前に見せる行動

トカゲの平均寿命は、およそ10年。

これは犬や猫と同じ年数のため、寿命が長い生き物と言えます。

寿命を全うできるよう、トカゲがかかりやすい病気や日々のお世話を見直してあげましょう。

種類平均寿命
ヒョウモントカゲモドキ10~15年
フトアゴヒゲトカゲ7~10年
カナヘビ5~10年
イグアナ10年~15年

トカゲの寿命を伸ばすためには?

紹介した寿命はあくまで平均寿命であり、環境によってはそれより早く生涯を終えることもあります。

愛するペットで、大切な家族でもあるトカゲに長生きしてもらうためには何が必要なのでしょうか。

【温度管理】

トカゲを飼育する上で、温度管理には最も注意が必要です。

適温での生活はトカゲの免疫力を高める、食欲促進、安全な脱皮などトカゲの健康に良いです。

【体のケア】

フトアゴヒゲトカゲをはじめとして、トカゲの中には爪が伸びる種類もいます。

伸ばしっぱなしにしていると体に引っ掻き傷を作ったり、爪を引っかけたことで骨折の原因になったりと様々な悪影響があります。

そうならないように定期的な爪切りをしてあげる必要があります。

その他のケア
  • エサに栄養補助のサプリを加える
  • 脱皮しやすい環境を整える
  • ケージ内を常に清潔にしてあげる

健康かつ快適に生活できるように工夫してあげるのが、トカゲを長生きさせる最善の方法です。

【最寄りの病院を調べておく】

体調を崩したときにすぐに向かえるよう、トカゲを診てくれる病院が近くにあるかどうかリサーチしておくことは非常に重要です。

探し方はインターネットで検索する方法の他にも、ペットショップや専門店からの紹介やSNSのコミュニティを通しての情報交換など様々な方法があります。

トカゲの供養方法は?

トカゲの供養方法は?

今はあまり考えたくない事柄かもしれませんが、家族としてペットを迎え入れるというのは、別れの瞬間まで責任を持つことでもあります。

これまでの感謝を込めてきちんと供養してあげましょう。

トカゲの遺体を弔う方法は大まかに以下の3つです。

1:行政に引き取ってもらう

2:所有している敷地内に埋葬

3:ペット火葬業者に依頼する

行政への依頼は安価なメリットがありますが、合同で火葬されるため遺骨を返してもらえません。

対して、ペット火葬業者への依頼はある程度出費が必要になる代わりに、遺骨の返却やご自身の手での拾骨などご希望に沿ってトカゲのお見送りができます。

そのため、大切なトカゲを手厚く弔いたい場合は火葬を依頼するのがおすすめです。

トカゲの遺骨を残すメリットは?

トカゲを長生きさせるための工夫

火葬を依頼する最大のメリットはお骨が返ってくることです。

筆者の愛犬は家族のスケジュールの都合で一任個別火葬を依頼しました。

1匹だけでの寂しい旅立ちになったのではないか、と今でも心が痛む出来事ですが、家に帰ってきたお骨にお供えをして丁寧に供養することで、悲しい気持ちに折り合いを付けました。

このように、旅立ったペットちゃんの存在を身近に感じられるようにすることが、気持ちの支えになることがあります。

そのため、一緒に年月を過ごしたトカゲを見送る際はお骨が残る火葬、もしくは私有地への埋葬を検討することをおすすめします。

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まとめ

トカゲは死ぬ前に行動や様子に異変が見られる場合が多いです。

具体的には「呼吸の乱れ」「歩き方や便の異常」「動かなくなる」などの変化が見られます。

変わった様子を見かけた場合は、早めに動物病院に連れていき、獣医さんに診察してもらうようにしましょう。

また、いざという時に困ってしまう事がないように、トカゲを診察してくれる病院を複数ピックアップしておくようにするのがおすすめです。

この記事の執筆者

執筆者

ペット火葬
ハピネス 編集部 J・N

愛するペットちゃんとのお別れによって心に深い悲しみと不安を抱えた飼い主様を支えられるような、わかりやすく正確な記事作成を心掛けています。自分のこと以上に大切な家族を思いやることができる優しい心を持った飼い主様の力になれるように努めます。

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