
金魚はと飼育のしやすさから様々な場所で飼育されている生き物です。
しかし、お世話は簡単でも誤った飼育方法をすると寿命が早く尽きてしまうこともあります。
しかし、金魚が病気になった場合でも、適切に治療すれば長生きしてくれます。
今回は金魚が死ぬ前に見せる行動や、お見送りについて紹介します。
金魚との幸せな生活の参考にしてください。
この記事の監修者

高間 健太郎
(獣医師)
大阪府立大学農学部獣医学科を卒業後、動物病院に勤務。診察の際は「自分が飼っている動物ならどうするか」を基準に、飼い主と動物の気持ちに寄り添って判断するのがモットー。経験と知識に基づいた情報を発信し、ペットに関するお困り事の解消を目指します。
金魚が死んでしまう原因とは?

金魚は熱帯魚などに比べると、環境への適応能力が高く、丈夫で飼いやすい観賞魚です。
しかし、金魚の品種によっては非常にデリケートな種類もいますし、餌の量や水質を適切に管理しなければ短期間で死んでしまいます。
この章では、金魚の飼育で気を付けたいことをご紹介します。
餌のやりすぎ
金魚が食べきれないほどの餌を与えてしまうと、食べ残しからアンモニアが発生します。
アンモニアが水槽に溜まると、金魚はアンモニア中毒になって死んでしまいます。
金魚の食べ残しを発生させないためにも、餌は少しずつ与えるようにしてください。
水質の悪化
水質の悪化は金魚に深刻なダメージを与えるため、特に注意が必要です。
水槽の掃除は定期的に行うようにしましょう。
また、バクテリアの数を増やして水槽内の環境を整えることも大切です。
バクテリアが棲みやすいように砂利を敷いたり、酸素の供給を増やしましょう。
ストレス
水槽の中にたくさんの金魚を入れると金魚同士でいじめが起こることがあります。
そのストレスで寿命を縮めることがあるため注意が必要です。
体の大きさによって水槽を分けるか、金魚の隠れ場所を作ってあげましょう。
金魚は死ぬ前にどうなる?

金魚を長生きさせるために一番大切なのは、死亡する前に金魚の異変に気付くことです。
また、死ぬ前の兆候を見逃さないことは、水槽内の他の金魚を守ることにもつながります。
そのためには、金魚が普段と違う行動をしていないか観察をすることがポイントになります。
見た目に変化が現れる
金魚の体や見た目に変化が現れた場合は病気のサインかもしれません。
症状 | 考えられる病気 | 治療方法 |
体の表面に赤い点が出る | 穴あき病 | 専門の薬での薬浴※1 |
体に白い斑点が出る | 白点病 | 専門の薬での薬浴 |
ウロコが剥がれる | 松かさ病 | 初期段階なら薬浴が有効 |
体にイボができている | ポックス病 | 有効な治療法はない |
症状が出た場合は大切な金魚の痛々しい飼い主様が辛い思いをするだけではなく、金魚にとって致命的な病気につながることもあります。
例として金魚の目玉が飛び出す「ポップアイ」や体が浮き上がる「転覆病」が挙げられます。
定期的に水替えをする、温度調整をするなど水槽内の環境を調整することで予防できますが、発症した場合は早めの対処が大切です。
水面に浮かぶ、ひっくり返る
水面に浮いたり沈んだりを繰り返す、時々お腹を上に向けて水中に漂っているなど、泳ぎ方がおかしい金魚は衰弱している証です。
また、転覆病という浮き袋が上手く機能しなくなる病気に罹っている可能性もあります。
水温調節や餌の変更など、何らかの処置を取らなければいけません。
エサを食べない
餌をあげても見向きもせず、水槽の底でじっとしているようであれば体調不良を起こしていたり、衰弱している可能性があります。
冬場や、水槽を新しくするなどの環境変化によって食欲不振になることもありますが、何も思い当たらない場合は要注意です。
水槽内の酸性濃度が高まると食べなくなることもありますので、水替えをすることで食欲を取り戻すことがあります。
しかし、その場合は餌を食べる体力すらない程に衰弱しきっているケースも多いので、悲しいですが覚悟が必要です。
激しく泳ぎ出す
突然水槽内を上下左右に、暴れるように泳ぎ回るという行動も、前兆として挙げられます。
何度も繰り返す場合はアンモニア中毒や、寄生虫が体についている可能性があります。
このように普段と違う行動を見せる金魚は衰弱や病気を知らせている可能性が高いです。
応急処置として別の水槽に移し替え、水温調節や絶食などをさせる必要があります。
金魚が浮いている、もしくは沈んでいる理由
金魚が力なく浮いている、もしくは沈んでいる場合は体調を崩していないか確認しましょう。
「転覆病」にかかっている可能性や、泳ぐ元気を失うほどのダメージを負っている可能性があります。
【遺体の状態から死亡時刻を推測】
死んでいるケースも考えられるので、よく確認してみましょう。
金魚の遺体は水面に浮かぶパターンと、水の底に沈んで倒れているパターンがあります。
この二つの状態の違いは、死亡してからの時間の経過にあります。
金魚は死んだ後に時間が経つと腐敗し、体内にガスが溜まります。
このガスによって遺体が水面に浮かぶようになるので、浮かんでいる場合は死亡後に時間が経っていて、沈んでいる場合は、それほど時間が経っていないと判断できます。
「他の金魚を避難させる必要があるか」などの指標になるため、遺体がどんな状態だったかも覚えておくのがおすすめです。
金魚が死んでしまったら

金魚が動かない、浮かび上がっているなど死んでいることを確認した場合は、早めに水槽から取り出しましょう。
死んでいるか確認する
体が動いていないか確認し、本当に死んでいるか確認しましょう。
弱っているだけなら、触ると反応します。
網で優しくすくって体を観察してみましょう。
生きている場合はエラやヒレが動きます。
また、死んだ金魚は目や体が白くなることがあるため、そこで見分けるのもおすすめです。
遺体を安置する
金魚の遺体が乾燥すると傷んでしまうため、湿らせるようにして遺体を保管しましょう。
これを遺体の安置と言い、お見送りするまできれいな状態を保つために必用な工程です。
①遺体を優しく洗い、汚れを取り除く
②濡らしたキッチンペーパーで遺体を包み、タッパーなどに納める
③タッパーに保冷剤を入れて冷やす
見送り方を決める
金魚をお見送りする方法は「火葬」「土葬」「ゴミとして出す」ことから選びます。
【火葬】
近年では金魚一匹からでも火葬を依頼できる火葬業者も増えています。
業者の技術や使用する火葬炉にもよりますが、きちんとお骨を残せることも多いため、大切な金魚をしっかりと供養できます。
【土葬】
体が小さい金魚の場合は火葬をせず、お庭やプランターに埋葬することもできます。
外に埋葬する場合は必ず私有地で行うこと、埋葬後は責任を持って管理することが大切です。
川や公園に遺体を埋葬すると不法投棄で罰せられることがあるため、注意しましょう。
【ゴミに出す】
布などで包んで、可燃ゴミに出す方法です。
お金や時間をかけずに見送れる方法ですが、きちんと見送れなかったことに後悔が残る可能性もあります。
お見送りに関してはこちらのページで詳しく紹介していますので、参考にしてください。
大切な金魚はどのように見送りたい?
金魚が死んですぐ、また安置から1~2日と短い時間の中で、後悔しない見送り方を選ぶのは難しいかもしれません。
その場合は、見送った後のことを考えるのがおすすめです。
火葬であれば返骨してもらって供養することができ、土葬であれば管理は必要ですが金魚を身近に感じることができます。
ゴミに出した場合でも、思い出はいつまでも胸に残るはずです。
たくさんの癒しをくれた金魚を送り出すことも、大切な思い出の一つ。
ゆっくりとお見送りについて考えてみることをおすすめします。
ハピネスは金魚・熱帯魚の火葬・葬儀に多く携わってきました。
その経験を活かして適切にサポートしますので、まずは遠慮なくご相談ください。
まとめ
金魚は頑丈な魚ですが、水質の悪化やストレスなどが原因で病気になるとあっさり死んでしまうことも多いです。
それを防ぐため、ウロコや体に現れた異変に早めに気付いて対処することや、エサを食べない、泳ぎ方が変などの死ぬ前の兆候を見逃さないことが大切です。
そして、金魚が死んでしまった後は早めに水槽から取り出して安置し、後悔しない方法でお見送りしてあげましょう。