
フクロウは大切に飼育すれば10年から40年程度生きることがあります。
犬や猫と比べてかなり長生きをする生き物のため、最後まで健康に配慮をしてお世話をしなければいけません。
今回はフクロウが死ぬ前に見せる異変や、飼育するうえで注意すべきことについて紹介します。
この記事の監修者

高間 健太郎
(獣医師)
大阪府立大学農学部獣医学科を卒業後、動物病院に勤務。診察の際は「自分が飼っている動物ならどうするか」を基準に、飼い主と動物の気持ちに寄り添って判断するのがモットー。経験と知識に基づいた情報を発信し、ペットに関するお困り事の解消を目指します。
フクロウが死ぬ前に見せる異変とは?

フクロウは人間と違い、自分から体調不良を訴えないため飼い主様が常に様子を確認する必要があります。
調子が良さそうに見えても、ある日突然死んでしまうことも少なくありません。
そのため、フクロウの体調を確認するためには、行動や体に異変がないか観察することが大切です。
ペリット
フクロウは食べた獲物の骨や羽毛を体内で消化できないため、それらをペリットという丸い塊にして吐き出します。
食べた量と比べてペリットが小さい、あるいはペリットを吐き出さない場合は消化不良を起こしていると考えられるなど、ペリットの形や量を観察することでフクロウの体調を確認できます。
羽鞘の粉の増加
羽鞘(うしょう)とは羽根が生え変わる際にできるストロー状の鞘のことです。
この羽鞘は次第に粉状になって自然に剥がれ落ちますが、換羽期ではないにも関わらずこの粉が異常に出てくる場合は寄生虫が発生しているかもしれません。
頻繁に羽を啄むような仕草をする場合は、獣医師へ相談してみましょう。
口呼吸が多い
フクロウは汗腺が無いため、口を開け呼吸することで体内の熱を放出させます。
緊張しているときや運動後は口呼吸をしていても問題ありませんが、長時間じっとしているときでも口呼吸をしている場合は診察を受けるようにしましょう。
目の色
フクロウは白内障になると、目の中の水晶体が白く濁ります。
白内障は年齢と共に目の中の水晶体が濁り、視力が下がる病気です。
白内障は命に関わる病気ではありませんが、視力が落ちてしまいますので、飛行や着地に失敗したり、ストレスによって体調を崩したりすることがありますのでより手厚いお世話が必要になります。
また、目を瞑っている時間が多くなり寝ている時間が増えた場合も眠ることで体調を整えようとしている可能性があるため、注意して見守る必要があります。
足の状態
足首がアンクレットによって傷ついていないか確認しましょう。
アンクレットとは犬猫の首輪にあたる足輪のような道具です。
足とアンクレットの皮が擦れることによって傷付き、飼い主様が気がつかないうちに流血していることがあります。
さらに傷口を放置していると化膿し、最悪の場合は壊死してしまう場合があります。
アンクレットは付けっぱなしにせず、適度に取り替えてあげましょう。
取り替えるときは足を清潔にしてあげることも忘れないでください。
フクロウが患いやすい病気とは?

自宅で大切にフクロウを飼育していても、餌による食中毒やストレスで体調を崩し急死してしまうことがあります。
そして脱走やお散歩を兼ねた放鳥によって、障害物にぶつかり事故によって亡くなってしまうフクロウも少なくありません。
食中毒
フクロウの死因で最も多い病気は食中毒です。
フクロウは主に生肉を食べますが、生肉を餌入れに入れたまま長時間放置していると細菌が繁殖してしまいます。
フクロウが食べ残した生肉は放置せず、色や臭いが変だと感じたときにすぐ廃棄するようにしましょう。
細菌を増やさずに生肉を与える方法として、ネズミやひよこなどの冷凍餌を解凍し、速やかに与える方法が安全です。
冷凍餌を冷蔵庫や流水で解凍させ、食べやすい大きさにカットしてあげます。
電子レンジを使用して解凍することもできますが、熱変化して白くなってしまったお肉は与えないようにしてください。
フクロウの消化管に負担が掛かり、消化不良を起こしてしまいます。
フクロウの主食はネズミやヒヨコ、ウズラなどの生肉です。
スーパーで売られている鶏肉はフクロウ用の生肉と違い、しっかりと骨を取り出し血抜きがされているため、フクロウが必要な栄養を摂取できません。
また、犬や猫のフードを与えることは絶対に止めてください。
フクロウにとって猫や犬のフードは栄養や脂質の含有量が過剰に含まれているため、体調を崩したり内臓脂肪がついたりする恐れがあります。
壊死
フクロウには脱走防止のため足にアンクレットを装着する必要がありますが、アンクレットの擦れによって傷付いてしまうと傷口から菌が侵入し、化膿が進行し壊死してしまうことがあります。
足下に落ちた糞や食べかすを放置していると、アンクレットの隙間に侵入して腐敗化したり、皮が傷むことによって菌が繁殖してしまいます。
アンクレットはこまめに点検を行い、ときどき外して足下を清潔にしてあげましょう。
骨折
空を飛んで移動するフクロウですが、着地に失敗したり障害物に衝突したりしてしまうと骨折をすることがあります。
床に積み上げた不安定な物を片付ける、滑りやすい床にカーペットを敷くなど飼育している周辺環境を整えてあげることで骨折を防止できます。
フクロウを長生きさせる方法はある?

フクロウの寿命は種類や体の大きさによって異なり、小型種では約10年、中型種は20〜30年、大型種では30〜40年ほど生きるとされています。
しかし、すべてのフクロウがこの通りの寿命を全うできるわけではなく、飼育環境や病気によっては寿命が大幅に短くなることもあります。
フクロウを長生きさせるためには、フクロウがストレスを溜めず、安全に生活できる飼育環境を整えることが重要です。
フクロウが暑さや寒さで体を壊してしまわないよう、空調管理は徹底して行いましょう。
人間が快適に過ごせる温度であればフクロウがすぐに体調を崩すことはありません。
外出するときもエアコンはつけっぱなしにして、フクロウが苦手な室温の中で放置しないようにします。
また、お庭やベランダでフクロウを飼育すると金属に足の熱を奪われて凍傷になったり、猛暑日は火傷をしてしまう恐れがあります。
気温が極端に高い日、低い日は止まり木の素材に注意を払ってください。
脱走をして交通事故や他の野生動物に捕食されないよう、放鳥させるときは飼い主様の目の届く場所で行いましょう。
野外で散歩させるときはアンクレットにリーシュコードをしっかりと装着させます。
フクロウが死んだ後は何をすべき?

どれほど注意を払っていても、いつかは老衰によって死を迎えることになります。
フクロウと過ごす時間が残り僅かと発覚した場合は獣医師の指示に従いながら餌を与えてあげ、ストレスが掛からない程度に傍にいてあげましょう。
フクロウはもちろん、飼い主様が後悔しないように最期を看取ってあげることが大切です。
フクロウが命を落としてしまったら、感謝の気持ちを込めてお見送りの準備をしましょう。
フクロウの遺体にはカンピロバクターやオウム病など、人間にも感染する病原菌が残っている可能性があります。
遺体に触れる際は、手袋・マスク・メガネを着用し、必ず感染予防を行いましょう。
その後、遺体が傷まないように安置を行います。
棺に納める前に羽や姿勢を整え、体が汚れている場合は軽く濡らしたタオルで拭きます。
また、目が開いたままの場合でも、無理に閉じず、タオルなどで優しく覆うようにしてください。
遺体から体液が漏れることがあるため、ペットシーツなど取り替えやすい布を敷いた箱や棺に遺体を納めます。
夏場では1日、冬場でも3日ほどしか保てないため、早めに葬儀の方法を決めましょう。
また、葬儀までの時間は、フクロウと最後に過ごせる貴重な時間です。
形見として羽を分けてもらったり、話しかけたりして、悔いが残らないようにしましょう。
フクロウの供養方法には「土葬」や「火葬」などがあります。
ただし、土葬は自分が所有する土地でのみ可能で、害獣被害のリスクも考慮する必要があります。
そのため、火葬を行い、お骨にして供養する方法がおすすめです。
火葬後は、霊園に埋葬するほか、自宅で手元供養を行うこともできます。
生活スタイルや希望に合わせた供養方法を選びましょう。
まとめ
フクロウの命を思わぬ病気や事故で失ってしまわないよう、飼い主様は常に様子を見守りましょう。
フクロウは好奇心旺盛な生き物ですので、人間には想像できない事故に巻き込まれてしまうことも十分に考えられます。
飼育環境やフクロウの様子を細かく観察し、可能な限り命を脅かす病気、事故を未然に防ぐようにしましょう。