愛らしいモルモットは、私たちの生活を鮮やかに彩ってくれますが、その一生は私たち人と比べるとずっと短いです。
当コラムではその時が訪れた際に、きちんと弔ってあげられるように、そして自分自身の心を癒すために「モルモットの死後にするべきこと」「亡骸の安置方法」などを詳しくお伝えいたします。
この記事の監修者
高間 健太郎
(獣医師)
大阪府立大学農学部獣医学科を卒業後、動物病院に勤務。診察の際は「自分が飼っている動物ならどうするか」を基準に、飼い主と動物の気持ちに寄り添って判断するのがモットー。経験と知識に基づいた情報を発信し、ペットに関するお困り事の解消を目指します。
モルモットの寿命
モルモットの寿命は一般的に4~8年程といわれています。個体差はありますが、長生きな子だと10年を超えて生きることもあります。今後、さらに動物医療が進歩していけばもっと長生きできるようになるかもしれませんね。
しかし、大抵のモルモットは飼い主より先に旅立ってしまいます。愛するモルモットがその一生を全うし、その時を迎えたら手厚く供養し天国に送り出せるように、心の準備をしておきましょう。
モルモットが亡くなった後にすること
モルモットが静かに休めるよう、遺体より一回り大きめの箱を棺として用意して寝かせてあげましょう。口や鼻、お尻から体液が出てくることがありますので、箱にはペットシーツやタオルなどの布を敷いてあげましょう。棺のそばに花や線香立てを置いて、いつも食べていたフードやお水をお供えして祭壇を作ってあげるもの良いでしょう。
詳しい安置方法については次の章でご説明いたします。
供養の準備をする
お見送りをするにあたって、まずは棺桶に一緒に入れてあげたいものを用意しましょう。好きだったおやつやおもちゃ、自分と一緒に写った写真などです。ただし、火葬の場合は金属やプラスチック製品などは一緒に入れられないこともあり、埋葬の場合は土に還らないものは入れられないことに注意しましょう。
火葬・埋葬をする
火葬または埋葬のどちらを行うかを決めましょう。火葬の場合、役所またはペット葬儀業者に依頼する方法があります。
自治体に依頼する場合
ほとんどの自治体では火葬は合同で行われます。ペットちゃんの遺体は高温で焼却されて骨は残らずに灰になるうえ、他のペットちゃんと合同で火葬されるため、返骨してもらえません。
自治体によっては個別火葬を行っているところもありますが、そもそもペットの火葬を行っていないところや、他のゴミと一緒に焼却するところもありますので、予め確認しておきましょう。
ペット葬儀業者に依頼する場合
個別火葬が合同火葬か、また返骨を希望するかなど、ご要望に応じて業者を選びます。例として「返骨してほしいので個別火葬を依頼、拾骨できるプランを設定する」といった具合です。
業者によっても対応はいろいろなので事前に調べておきましょう。
知っておきたい適切な亡骸の安置方法
遺体はそのままにしておくと徐々に腐敗していきます。できる限り早く火葬や埋葬をするのが理想ではありますが、その時まで可愛らしいそのままの姿でいてもらうためにも適切な安置方法を知っておきましょう。
ドライアイスや保冷剤を使用する方法
布で包んだドライアイスや保冷剤をモルモットの亡骸と一緒に箱の中に敷き詰めて安置すれば腐敗を遅らせることができます。なるべく日の当たらない涼しい場所に安置し、保冷剤などが溶けてしまう前にこまめに取り換えるようにしましょう。この方法なら約4日~1週間程度ならきれいな状態で安置できます。
注意点として、ドライアイスを使用する場合は箱が破裂させないように箱を密閉せずに蓋を少し開け、小さな穴をいくつか開けておくなどして対策しましょう。
冷蔵庫・冷凍庫を使用する方法
モルモットの亡骸をガーゼなどの布と一緒に箱やタッパーに入れ、冷蔵庫や冷凍庫で安置する方法です。低温を保って安置できるので3~4週間ほど安置することができます。
日常的に使用する冷蔵庫や冷凍庫に安置することに抵抗を感じる方もおられると思いますが、すぐに火葬や埋葬ができないような事情がある場合には良い方法といえるでしょう。
モルモットを自宅で埋葬する方法
自宅で埋葬するには主に2つの方法がありますので、その具体的なやり方も含めそれぞれご紹介します。
庭に埋葬する
自宅の庭や私有地に埋葬することもできます。ただし、公園や空き地などの公共の場所、また賃貸のお庭に埋葬することは法律で禁止されていますので注意してください。
害虫や病原菌の発生を抑えるため、穴の底や周りに石灰を撒いた穴に遺体を納め、目印を置けば完了です。
プランター葬
庭が無くても手軽に供養できる埋葬方法で、体の小さいモルモットにはぴったりな方法です。
モルモットの身体の3~5倍程度の深さがあり、陶磁器など長期間使っても壊れないプランターを用意しましょう。
底から10~15㎝ほど土を入れ、天然素材のガーゼなどを敷き、その上にモルモットの遺体を寝かせ、その上にまたガーゼを敷いて土を被せます。その際は土に還るまでの時間が早まるように腐葉土を土に混ぜるようにし、プランターの底に穴が空いている場合は虫が入らないようにネットを敷いて防ぐようにしましょう。
自分に合った供養方法を選ぼう
一緒に過ごした日々に感謝を伝えて、自分の心と向き合うことが、旅立つペットちゃんへの何よりの供養になります。
供養の方法には「お墓参りをする」「仏壇を飾る」などがあります。自分に合った方法を選びましょう。
お墓参りをする
ペット霊園で永代供養してもらった場合、霊園や管理者がしっかりと管理と供養をしてくれます。命日などにお墓参りに行くこともできますし、霊園によっては月例法要や供養祭などを行っているところもあります。安らかに眠るペットちゃんにぜひ会いに行ってあげてください。
自宅の庭に埋葬し、お墓を作ったり、プランター葬にした場合は毎日会えるメリットがあります。一緒に植えた花の成長を見るたびに気持ちも安らぐのではないでしょうか。
仏壇を飾る
「霊園まで遠くてなかなかお墓参りに行けない」「もっと身近に感じていたい」そんな人には仏壇を作ることをおすすめします。ネット通販などでセットで購入することもできますし、簡単なものなら自分で作ることもできます。
リビングなどよく見える場所にペットちゃんの写真を入れ、花瓶や線香立てを置いた簡易の祭壇を作るのもおすすめです。
遺骨アクセサリー
遺骨や遺灰をペンダントやキーホルダーに納めて身につける方法です。最近では遺骨や遺灰からダイヤモンドを作成してくれるサービスを行う会社もあるなど、飼い主様の好みにあわせて加工方法を選べるのもポイントです。
まとめ
最愛のペットちゃんとの別れは飼い主様の心に大きなダメージを与えます。それだけ愛した家族だからこそ、亡くなった後は丁寧に見送ってあげてください。そして手厚く供養し、安心して眠れるように送り出してあげましょう。
供養方法は埋葬・火葬・アクセサリーにして手元供養など様々な方法があるため、まずはご自身がどうやって供養したいかを考えるのがおすすめです。