
大切なインコが死んだら、安らかな旅立ちを祈って、きちんと弔ってあげましょう。
しかし、見送りが辛く感じたり、寂しさで手が止まってしまうこともあるかもしれません。
しかし、心を込めてインコを見送ることは、寂しい気持ちと向き合うきっかけになるはず。
このページではインコの遺体の安置から供養までの流れを紹介します。
この記事の監修者

高間 健太郎
(獣医師)
大阪府立大学農学部獣医学科を卒業後、動物病院に勤務。診察の際は「自分が飼っている動物ならどうするか」を基準に、飼い主と動物の気持ちに寄り添って判断するのがモットー。経験と知識に基づいた情報を発信し、ペットに関するお困り事の解消を目指します。
インコが死んだら、まずは遺体を安置

遺体を安置することで遺体の傷みを抑えて、きれいな姿でお見送りできます。
安置の流れは以下の通りです。
1:必要な品を用意する
2:インコの体をきれいにする
3:棺と冷やすものを用意する
4:遺体を棺に納めて、お見送り方法を手配
順番に流れを紹介します。
【1:必要な品を用意する】
安置に必用な品は「棺」「冷やすもの」「タオル数枚」です。
・棺
棺はタッパーや小型の段ボールで作ります。
箱の底にペットシーツなど吸水性が高く、取り換えやすいものを敷いて完成です。
遺体からは体液が漏れ出ることがあります。
遺体や棺を汚さないために、敷いてあるものは適度に取り換えられるようにしましょう。
・冷やすもの
家にある保冷剤、手配できる場合はドライアイスを用意します。
どちらも遺体と一緒に棺に入れて、腐敗を抑えるために使います。
長期間安置する予定があり、溶けるのが心配な場合は替えも用意しておくと安心です。
・タオル数枚
インコの体を拭く、冷やすものを包んで遺体に直接当てないようにするなど、お見送りまで使う品です。
替えを含めて多めに用意してください。
【2:インコの体をきれいにする】
必要な品を揃えたら安置の準備を進めます。
まずはインコの体を固く絞ったタオルできれいに拭いてあげましょう。
目の周りやクチバシには汚れが溜まることが多いため、優しく念入りに拭いてください。
体を拭き終わったら羽の流れを整える、開きっぱなしのクチバシを閉じるなど、楽な姿勢で眠れるように姿勢を整えてあげましょう。
【3:棺と冷やすものを用意する】
用意したキッチンペーパーと箱で棺を作り、なるべく涼しくて静かな場所に設置します。
この際は他のペットちゃんやカラスなどに狙われないように、窓や戸をしっかりと閉めておくことをおすすめします。
また、同時に冷やすものも用意しましょう。
1日以上安置する場合は替えも用意しておく必要があるため、十分にストックがあるか見ておくと安心です。
保冷剤なら複数個並べれば溶けきるまで3~4時間程度、ドライアイスなら新聞紙などで包むことで5時間程度は溶けずに残るようです。
【4:遺体を棺に納めて、お見送り方法を手配】
用意した棺にきれいにした遺体を納めます。
その後、タオルなどで包んだ保冷剤・ドライアイスを体の周りを囲うように設置します。
ドライアイスを入れる場合は棺の破裂を防ぐため、密閉しないように注意。
蓋を少し開けておく、箱に小さな穴を開けておくなどの方法で対策しましょう。
冷やすものを小まめに交換すれば、夏場なら2日、冬場なら3日ほどはきれいな状態で安置できます。
その間に火葬の手配を進めていきましょう。
インコが死んだら火葬はどこに依頼する?

インコが死んだら火葬して見送りましょう。
インコの火葬を承ってくれるのは「霊園」「自治体」「ペット火葬業者」です。
それぞれのメリット・デメリットを比較して最適な場所を選びましょう。
霊園なら管理まで任せられる
・メリット
定期的な法要や管理などを任せられる
・デメリット
遺体の搬送が必要。遠い場合は注意
火葬炉が併設されている霊園の場合は、火葬から霊園への納骨までを一括して依頼できます。
また、霊園には好きなタイミングでお参りできるため、ペットちゃんにいつでも会えます。
霊園によっては定期的に法要を行ってくれる場合もあるため、自身でお骨を管理するのが難しい場合でも安心です。
しかし、霊園まで遺骨を搬送する必要があることや、霊園の立地は住宅地から遠い場合が多いことに注意が必要です。
安価で火葬のみ済ませたい場合は自治体
・メリット
安価で依頼できる
・デメリット
基本的に返骨されない
自治体に火葬を依頼する場合、こちらが負担するのは火葬費のみ。
インコなど体の小さい動物であれば数千円程度で火葬からお骨の処理まで依頼できます。
しかし、火葬後の遺骨は基本的に返骨されず、他のゴミと一緒に埋められることが多いです。
そのため、安価での火葬を希望し、お骨の供養を考えていない場合に最適な火葬方法です。
供養も考えるなら火葬業者に依頼
・メリット
日時指定や葬儀プランの設定など、飼い主様の都合に沿って対応してくれる
・デメリット
人気の業者は予約が取りづらいことがある
人間と同じように葬儀をして見送り、丁寧に供養したい場合は火葬業者に依頼しましょう。
都合の良い日時の指定や、過去の葬儀事例に基づくプラン設定なども頼めるため、初めてペットちゃんを見送る方にもおすすめの方法です。
ただし、人気の業者は希望の時間に予約が取れない場合もあるため、気になる業者がある場合は早めに連絡するのがポイントです。
予約が取れなければ冷凍庫で安置
希望の業者に予約が取れない場合や、事情があってお見送りが送れそうな場合は冷凍庫で遺体を安置する手もあります。
体の小さいインコならガーゼを敷いたタッパーなどに遺体を納め、そのまま冷凍庫に入れれば3週間程度はきれいな状態で安置できます。
ペットちゃんとは言え遺体を冷蔵庫に入れることに抵抗があるかもしれませんが、万が一に備えて覚えておくと良いかもしれません。
インコの供養方法

たくさんの思い出を与えてくれたインコは丁寧に弔いたいもの。
ペットちゃんに感謝を伝えたい、これからもペットちゃんを身近に感じたいなどの希望がある場合は、心を込めて供養してあげましょう。
きちんと供養してあげることで、お別れの寂しさを軽くすることができるかもしれません。
手元供養
遺骨を埋葬せず、家で管理することです。
埋葬のタイミングを選べることや、ペットちゃんを身近に感じられるメリットがあります。
また、近年では最初から埋葬を検討せず、粉骨したお骨をキーホルダーに納める手元供養も注目を集めています。
どちらの方法も、ペットちゃんを身近に感じられる特徴があります。
お別れが寂しい方も、気持ちが少し楽になるのではないでしょうか。
霊園で埋葬
ペット霊園では墓地に埋葬する以外にも、納骨堂にお骨を納める、樹木葬にするなど、様々な形の供養を提案してもらえます。
お庭の広さが問題で埋葬が難しい場合でも希望通りの方法で供養できるメリットがあります。
ただし、対応できる埋葬は霊園によって異なるため、事前に確認することをおすすめします。
お家で埋葬
お家で埋葬する場合は「お庭に埋葬」「プランター葬」の2つの方法があります。
【お庭に埋葬】
私有地であれば、ペットちゃんの遺体を埋葬することは法律上問題ありません。
注意点として、トラブル防止のために穴を深めに掘ることが挙げられます。
火葬前なら小型のインコで30㎝、大型のインコであれば1mほど
火葬後のお骨の状態なら小型のインコで20㎝、大型のインコで50㎝ほど
死亡確認後のインコの遺体をそのまま埋葬する場合は、遺体の分解時に悪臭が発生することを考慮して深めに穴を掘る必要があります。
そのため、トラブル防止や穴掘りの労力を抑えたい場合は、一度火葬してお骨にして埋葬することをおすすめします。
しかし、インコが突然死した場合は、伝染病などの可能性も考えて、庭への埋葬は諦めた方がいい場合もあります。
【プランター葬】
お庭が無い場合や、長い間管理するのが難しい場合はプランター葬がおすすめです。
用意する品は以下の通り。
・プランター(陶磁器製・深さが30cm以上)
・腐葉土
・たい肥(あれば)
・ネット
・ガーゼ(天然素材)
(囲む)
必要な品を揃えたら、埋葬を進めましょう。
①底から10㎝くらい土を入れ、天然素材のガーゼを敷いてインコの遺体を寝かせます。
その上にまたガーゼを敷いて10㎝程度土を被せてあげましょう。
ガーゼで包んでしまうと、土に還るまでに時間がかかってしまうので注意
②花を植える場合はペットちゃんが寝ている場所の上にプラスチックネットを敷いてから土を入れる。
火葬してからプランター葬にする場合には遺骨をパウダー状にして土に混ぜ、お花を植えて供養するのが良いでしょう。
・プランター葬のメリット
お庭に埋葬する場合、引越しなどで土地を手放す場合はお骨の様子を確認し、必要があれば掘り起こす必要がある場合もあります。
しかし、プランター葬の場合は必要に応じてプランターごと移動させることもできます。
扱いやすさや臨機応変な対応ができることがプランター葬のメリットです。
【埋葬から土に還るまでは10年以上かかる】
インコの亡骸が土に還るのには10年ほどの時間が必要になります。
その間は基本的にそっとしておきましょう。
まとめ
インコが死んだら、まずは体をきれいに拭いてあげましょう。
この際、羽の乱れやインコの姿勢も優しく整えてあげてください。
体をきれいにしたら、キッチンペーパーを敷いた棺に遺体を納め、保冷剤で冷やします。
その間に火葬先を決めて、お見送りの準備を整えましょう。
インコの火葬は「霊園」「火葬業者」「自治体」に依頼できますが、それぞれ火葬後のお骨の扱いに違いがあります。
ライフスタイルやペットちゃんへの思い、供養方法などを加味して最適な場所に依頼するようにしましょう。