大切に育てたインコとも、いつかは別れの日が訪れます。
しかし、その日を迎えた際には「何をすればいいのか」「遺体をどうやって寝かしてあげればいいのか」と迷ってしまう方も多いです。
そのため、インコの死後にすることを事前に知っておくことが大切です。
このページではインコ死後の安置から火葬、火葬後のお骨の供養方法を紹介します。
「大切なインコが旅立ってしまった」「いつかの別れに備えて、見送り方を知っておきたい」という方は、この記事を参考にしてください。
この記事の監修者
高間 健太郎
(獣医師)
大阪府立大学農学部獣医学科を卒業後、動物病院に勤務。診察の際は「自分が飼っている動物ならどうするか」を基準に、飼い主と動物の気持ちに寄り添って判断するのがモットー。経験と知識に基づいた情報を発信し、ペットに関するお困り事の解消を目指します。
インコの死後にすること一覧
インコの死後、遺体の安置から火葬するまでの流れを一覧で紹介します。
遺体をきれいに整えてあげる
濡らした布などで遺体の汚れをふき取り、乱れた羽をきれいに整えてあげましょう。
死後2時間程度で死後硬直が始まるため、それまでに目を閉じさせて楽な姿勢にしてあげてください。
遺体を安置する
インコの遺体が無理なく収まるサイズの箱を棺桶として用意し、入れてあげましょう。
体液が漏れ出てしまう場合がありますので、箱にはペットシーツやタオルなどの布を敷くと安心です。
安置方法については次の章で詳しくお伝えいたします。
天国に持たせるものを用意する
インコが好きだったフードやおやつ、おもちゃ、写真など、天国に持って行ってもらいたいものを用意しましょう。
金属やプラスチックなど火葬できない品や、土に還らないものは避けて、およそ3種類ほど選ぶと良いでしょう。
火葬・埋葬をする
ペット葬儀業者に依頼して火葬、または自宅で埋葬してあげましょう。
火葬をする場合には遺骨を引き取るか、引き取らずに霊園で供養してもらうかを選べるところもありますので、遺骨の扱いを事前に決めておきましょう。
自宅で埋葬する方法についてはこの章で詳しく解説しています。
インコの死後、遺体を安置する際のポイント
インコの遺体は気温や湿度によって時間は異なりますが、徐々に腐敗してしまいます。
できるだけ早く火葬してあげるのが理想ですが、焦ってお見送りすると後悔することもあります。
そのときまできれいなままの姿でいてもらうために、適切な安置方法を知っておきましょう。
安置方法その1:保冷剤やドライアイスを使用する
インコの遺体と一緒に布で包んだ保冷材やドライアイスを箱の中へ敷き詰めると腐敗を抑えられます。
しかし、ドライアイスを使用する場合、箱の気密性が高いと箱が膨張し破裂する危険があります。
蓋を少し開けておく、小さな穴をいくつか開けておくなどの注意が必要です。
なるべく日の当たらない涼しくて静かなところに安置し、保冷剤などが溶けてしまう前にこまめに取り換えてあげましょう。
この方法なら夏場は2日、冬なら3日ほどきれいな姿を保てるでしょう。※1
※1 保管場所や状況に応じて変わるので、出来る限り早めに火葬するのがおすすめ
安置方法その2:冷蔵庫・冷凍庫を使用する
インコの遺体をタッパーにガーゼなどの布と一緒に入れ、冷蔵庫や冷凍庫で安置する方法もあります。
低い温度を保ったままで安置できるので3週間程度はきれいな姿を保つことができます。
すぐに火葬や埋葬ができない事情がある場合には良いでしょう。
インコの火葬はどこに依頼する?
インコの安置が完了したら、火葬場所を決めます。
大まかに「霊園」「自治体」「火葬業者」のいずれかから火葬先を選択することになります。
霊園なら管理を任せられる
火葬炉が併設されている霊園の場合は、火葬から納骨までを一括して依頼することもできます。
・メリット
定期的な法要や管理などを任せられる
・デメリット
遺体を搬送する必要があり、霊園まで遠いこともある
自治体なら安価に火葬できる
自治体に遺体の引き取りを依頼することもできます。
安価で依頼できる一方、返骨されないことを覚えておく必要があります。
・メリット
安価で依頼できる
・デメリット
他のペットちゃんや可燃物と一緒に火葬するため、返骨されない
火葬業者なら要望に沿って火葬してくれる
火葬業者はこちらの希望に沿ってプランを設定してくれます。
供養方法に希望がある場合に最適な方法です。
・メリット
日時指定や葬儀プランの設定など、飼い主様の都合に沿って対応してくれる
・デメリット
人気の業者は予約が取りづらいことがある
火葬業者は相談・アドバイスを承っていることも多いため、見送り方について知りたいことがあれば相談するのをおすすめします。
インコを自宅で埋葬する方法
いつでもすぐそばにお墓があって、愛するインコをそばに感じられるのは嬉しいことですよね。
それが叶うのが自宅での埋葬です。
インコを自宅で埋葬する場合には2つの方法があります。
その1:庭に埋葬する
自宅に庭がある場合には、庭に埋葬することができます。
まず穴は深めに掘りましょう。
これは他の動物に掘り返されてしまうことがないようにするためと、土に還る過程で発生する臭いを抑えるためです。
インコが原因不明の突然死を迎えたような場合であれば、伝染病などの可能性も考えて、庭への埋葬は諦めた方がいい場合もあります。
それでもどうしても埋葬したい場合は、火葬してから埋葬しましょう。
その2:プランター葬
プランター葬とは土を入れたプランターに遺体を埋葬することです。
自宅に庭がない場合におすすめです。
【プランター葬で用意する物】
まずはインコの身体のサイズに合ったプランターを用意します。
プラスチック製ではなく陶磁器製で深さが30㎝以上あるものが好ましいです。
劣化して壊れないように丈夫なものを選びましょう。
プランターの底に穴がある場合には土が流れ出たり、また虫が入ったりしないようにネットを敷いてから土を入れてください。
土の種類はできるなら腐葉土が良いでしょう。
またインコの遺体の上下に堆肥を敷くと微生物が活動しやすくなり、早く土に還れるようになります。
【プランター葬のやり方】
①底から10㎝くらい土を入れ、天然素材のガーゼを敷いてインコの遺体を寝かせます。
その上にまたガーゼを敷いて10㎝程度土を被せてあげましょう。
②花を植える場合はペットちゃんが寝ている場所の上にプラスチックネットを敷いてから土を入れる。
火葬してからプランター葬にする場合には遺骨をパウダー状にして土に混ぜ、お花を植えて供養するのが良いでしょう。
【埋葬後はどれくらいで土に還る?】
インコの亡骸が土に還るのには10年ほどの時間が必要になります。
その間は絶対に掘り返さないようにしましょう。
また「庭への埋葬」「プランター葬」どちらの場合でも、遺体をそのまま埋葬することもできますが、臭いや虫の発生などのリスクが高まります。
気になるようであれば火葬してから遺骨を埋葬するのが良いでしょう。
きちんとお見送り・お別れをする
愛する家族であるインコが亡くなって深い悲しみから心身ともに不調となり、ペットロスの症状に陥る人もいます。
旅立ったインコに心配をかけることなく、安心して成仏してもらうためにも、自分の気持ちと向き合い、整理するようにしましょう。
亡くなったインコの供養をする過程は、そんな気持ちの整理や前を向く手助けをしてくれるはずです。
きちんとお見送り、お別れをしましょう。
まとめ
インコの寿命はセキセイインコやコザクラインコなどの小型のインコで平均寿命は10年、大きめのオカメインコで20年ほどです。
それほどの長い期間、一緒に過ごしてくれたインコだからこそ、最後は丁寧に見送ってあげたいもの。
まずは、遺体をきれいな状態に保てるように安置しましょう。
インコの遺体の安置は以下の順番で行います。
・死後硬直が始まる前に遺体をきれいに拭き取り、姿勢を整える
・ペットシーツを敷いた棺となる箱に遺体を納める。
安置した遺体は火葬して見送るのがおすすめ。
埋葬・手元供養など、飼い主様が希望する方法で、大切なインコを供養できるためです。