ペットちゃんの手元供養は大切なペットちゃんを亡くして寂しい飼い主様におすすめです。遺骨を少量手元に残して遺骨アクセサリーやミニ骨壺などに納める供養方法のことで、いつでもペットちゃんを身近に感じられます。
今回は手元供養の中でも、特に人気の遺骨アクセサリーについて説明していきます。
この記事の監修者
高間 健太郎
(獣医師)
大阪府立大学農学部獣医学科を卒業後、動物病院に勤務。診察の際は「自分が飼っている動物ならどうするか」を基準に、飼い主と動物の気持ちに寄り添って判断するのがモットー。経験と知識に基づいた情報を発信し、ペットに関するお困り事の解消を目指します。
遺骨アクセサリーとは?
遺骨アクセサリーとは手元供養の一種であり、お骨を少量納めることができるアクセサリーのことをいいます。ペンダントやキーホルダーなど、種類はさまざまです。
ミニ骨壺などと違うのは、常にペットちゃんと一緒にいることができ、どこにでも一緒に行けるということです。
遺骨アクセサリーの種類は?
遺骨アクセサリーと一概にいってもかなり種類が多いです。ここでは大きく二つに分けて紹介いたします。
①アクセサリーの中に遺骨を封入する方法
遺骨を粉骨する以外に何も手を加えず、そのままアクセサリーの中に封入するタイプです。封入の仕方は、蓋を開けてそのまま遺骨を入れるタイプと、特殊な樹脂で封じ込めるタイプがあります。アクセサリーの種類は下記のようなものがあります。
・ペンダント
・カプセル
・リング
・ブレスレット
・ブローチ
蓋をするものは、説明書を読んで自らの手で遺骨を納める必要があり、樹脂のタイプは業者に遺骨を郵送して封入してもらうなど、販売サイトで封入方法をしっかりと確認してから購入しましょう。
②遺骨を加工してアクセサリーにする
遺骨をアクセサリーの一部に材料として利用し、アクセサリーを作る方法です。遺骨を加工してアクセサリーを作成したものを遺骨ジュエリーといいます。種類は下記のようなものがあります。
・遺骨ダイヤモンド
・真珠
・人工宝石(麗石)
・サファイア
どれも製作期間は3カ月~半年以上かかり、値段も高額です。しかし、遺骨ジュエリーは世界で一つの宝石です。ペットちゃんと長く一緒にいたいなら、劣化しにくい遺骨ジュエリーにすると良いでしょう。
封入タイプのアクセサリー
遺骨をアクセサリーに封入するタイプのアクセサリーで、ペンダントなど種類が多くあります。
・遺骨ペンダント
首からぶら下げるタイプで、ネックレスと同じです。本体に空洞があり、ネジで開閉して遺骨を封入します。
・遺骨カプセル
カプセルの中に遺骨を納めるタイプで、キーホルダーなどにして持ち運ぶことができます。
・遺骨リング
遺骨をリングに収納するタイプで、内側に樹脂で封入するものと、本体の空洞部にネジを開けて入れるものがあります。
・遺骨ブレスレット
腕につけるタイプで、金属製、天然石や革製などさまざまな材質のものがあります。
・遺骨ブローチ
胸につけるタイプで、本体の空洞部分に納骨します。
加工アクセサリー
遺骨の成分を抽出して作られる宝石類でアクセサリーを作ります。ここでは4種類の遺骨ジュエリーを詳しく紹介します。
①遺骨ダイヤモンド
遺骨や毛から炭素を抽出し、高温高圧で合成して製作します。通称メモリアルダイヤモンドと呼ばれ、天然のダイヤモンドと変わらない輝き、硬さです。高額で製作期間も長いですが、ペットちゃんが輝きと一緒に手元に帰ってきてくれることに魅力を感じる場合は検討してみてはいかがでしょうか。
②真珠
真珠を作る貝に遺骨を核として挿入することで半年以上の時間をかけて作られ唯一無二の真珠です。また、真珠は普通加工されたものしか出回りませんが、加工せずに、自然にできた形で飼い主様の元に帰ってきます。全てが自然任せなので、色見も形も違い、ペットちゃんの個性が出ているように感じるかもしれません。
③人工宝石(麗石)
遺骨と石英などを一緒に高温で溶かし、時間をかけて結晶化したものです。さまざまな形に成形できるので、アクセサリーやオブジェなどにもできます。飼い主様の希望に合わせて、イヤリングやブレスレットなど、アクセサリーの形を選ぶと良いでしょう。また、簡単には割れない強度なので、安心して身につけることができます。
④サファイア
遺骨からカルシウムを抽出して作ります。天然のサファイアと輝きも高度も同じであり、カルシウムが含まれているか、人工的に作られたかどうかの違いしかありません。製作できる業者は限られていますが、製作業者によってはブルーやピンクサファイアなど、数色の中から好みの色を選ぶこともできます。
選ぶポイント
遺骨アクセサリーは買い替えするものではないので、慎重に選ぶ必要があります。どういったことに気をつけるべきか、ここでは注意して選ぶポイントを5点紹介いたします。
①デザイン性
普段から身につけるものなので、自分の好みや普段の服装などに合わせて選びましょう。もしあまり好みでない派手なデザインを選んでしまった場合、結局仕舞ったままということになりかねません。また、金属アレルギーなどがないか、皮製はずっとつけていられるかなど材質を気にすることも長く着用するためのポイントです。
②耐久・防水
遺骨アクセサリーは少しの遺骨をアクセサリーにするため、もし破損や浸水してしまったら少ししかない遺骨を失ったり、カビが繁殖したたりして、アクセサリーとして身につけることができなくなる場合があります。しっかりと水を防ぎ、落としてしまっても壊れない頑丈なものを選ぶようにしましょう。
③アフターサービス
うっかり落として石が欠けてしまった場合や、メッキ剥がれやチェーン切れなどアクセサリーが故障した場合は修理してもらえるか、もしものためにしっかりと確認しておいてください。
また、ご自身のペットちゃんの遺骨で作成されたものかわかるように、証明書や品質保証書を発行してくれるかどうかも大切です。修理方法とあわせて確認しておきましょう。
④遺骨の量
加工してジュエリーを作る場合は必要な遺骨の量が決まっています。足りない場合は毛や羽で補うこともできますので、注文前に確認するのはもちろん、作成を考えている場合は火葬前に必要な量を確認するのもおすすめです。
⑤予算
遺骨アクセサリーは種類によってかなり値段に差があります。アクセサリーに封入するものは安価な製品もありますが、加工するアクセサリーは数十万~数百万円と高額です。
ペットちゃんへの思いは値段で表すものではないので、無理をしてまで高額なものを買う必要はありません。まずはご自身の思いを大切に、よく検討しましょう。
まとめ
遺骨アクセサリーはペットちゃんを過ごした思い出の結晶です。離れたくない、ずっと側にいてほしい。そういった気持ちがあるからこそ、手元供養という供養方法が注目され、遺骨アクセサリーを身につける人が増えているのでしょう。
ペットちゃんの死と向き合えるまでの長い期間を、遺骨アクセサリーが埋めてくれるはずです。寂しい思いをしている飼い主様にこそ作成を検討してはいかがでしょうか。