「ペットちゃんの死後、みんなどのように供養しているのだろう」「自宅の庭に埋めてもいいの?」などペットちゃんの死後、供養方法にお悩みの方も多いのではないでしょうか。
今回は自宅の庭にペットの遺体を埋葬する方法と、ペットの供養についてご紹介します。
この記事の監修者
高間 健太郎
(獣医師)
大阪府立大学農学部獣医学科を卒業後、動物病院に勤務。診察の際は「自分が飼っている動物ならどうするか」を基準に、飼い主と動物の気持ちに寄り添って判断するのがモットー。経験と知識に基づいた情報を発信し、ペットに関するお困り事の解消を目指します。
庭に埋めてもいいの?
ペットちゃんが亡くなった際、「自宅に埋葬したい」と思われる飼い主様も多いと思います。しかし、自宅の庭に埋めることは様々なリスクが伴いますので、できるだけ避けたほうがいいでしょう。
しかし「どうしても自宅に埋葬したい」という場合は、これから紹介するリスクとリスクを軽減するための方法をしっかりと把握したうえで行うようにしましょう。
庭に埋めるリスク
害虫
遺体を埋めた場所には、コバエなどの小さな虫が沸くことが多いです。日当たりの悪い場所は特に虫が沸きやすいので気をつけなくてはいけません。
異臭
穴が浅いと遺体から異臭がしてくることもあります。遺体をそのまま埋める際は、できるだけ穴を深く掘る必要があります。
環境汚染
ペットの遺体を埋めたことが原因で、近くの川などの水質を汚染してしまう可能性があります。
掘り起こされる
深く掘って埋葬しないと、野生動物など他の動物に掘り起されることがあります。
土地を手放しにくくなる
土に還るまで時間がかかりますので、埋めた土地を手放す際はトラブル防止のために事前に通知するのがおすすめです。
不安な場合は、掘り起こして移動させることも考えなければなりません。
不法投棄
ご自宅の庭であっても私有地ではない場所への土葬は「不法投棄」として法律違反になります。
リスクが軽減できる方法
火葬してから埋葬
ペットの死後、そのまま自宅の庭に埋めることは害虫や異臭など様々なリスクがあります。しかし、遺骨を埋める場合は害虫や異臭などのリスクはなくなります。さらに、土に還りやすくなりますので、どうしてもペットちゃんを大好きだった庭に埋めたいと思われる方は、火葬してもらってから埋葬することがおすすめです。
プランター葬
小さなペットちゃんは死後、遺体をプランターに埋葬される方もたくさんいます。プランターに埋葬することで環境汚染のリスクも軽減され、移動させる際はプランターごと動かせばいいため、引越しの際も安心です。しかし、異臭や害虫などのリスクはありますので、近隣の迷惑にならないように気をつけましょう。
葬儀や火葬はしたほうがいいの?
ペットちゃんの死後「人と同じように葬儀や火葬をしたほうがいい?」と悩まれる方も多いです。大切な家族の一員であるペットちゃんのお見送りなのですから、悩むのも当然です。
しかし、ペットちゃんの場合は決まったルールはありません。そのため、ご自身の納得いく方法で供養することが大切です。
葬儀をする
霊園や葬儀業者に連れていき、人間と同じように葬儀をする方法です。ペットちゃんをより手厚く供養することができます。
葬儀後は四十九日まで遺骨を自宅で保管し、その後お墓に埋葬するという人と同じ方法だけではなく、葬儀後の供養方法はご要望にあわせて選ぶことができます。
火葬だけ
出張火葬業者などで火葬のみ依頼する方も多いです。
火葬方法は火葬業者に一任するプランと家族で拾骨することができるプランなど希望にあわせて選べるうえ、拾骨後はそのまま遺骨を持ち帰ることができるため、希望の供養方法がある場合でも安心です。
遺骨の供養について
火葬後「遺骨をどのように供養したらいいのか分からない」と自宅にそのまま保管されている方も多いです。
ペットちゃんのため、何より飼い主様のために悔いが残らない供養を行えるように、遺骨の供養方法についてご紹介します。
お墓に埋葬
ペットちゃんの場合は、複数のペットちゃんが一緒の場所で眠る合同葬が一般的です。しかし、近年は個別でお墓を建てて供養される方も多いです。また、最近はペットちゃんと飼い主様が一緒に入ることができる霊園もあります。
樹木葬
樹木葬とは墓石の代わりに樹木やお花を目印とするお墓です。「自然の中でゆっくりと眠らせてあげたい」という飼い主様にぴったりな供養方法です。遺骨が自然に還りやすいように骨壺から出して、そのまま埋葬されることもあります。
手元供養
遺骨を埋葬せずに自宅の祭壇などに置く手元供養も、近年需要が高まっています。
ミニ仏具やぬいぐるみなど様々な手元供養のためのグッズが販売されており、ペットちゃんを身近に感じられます。
散骨
遺骨を粉状にして、山や海に散骨して供養される方もいます。散骨業者ではなく個人で散骨する場合は、許可が必要な場合もありますので確認するようにしましょう。
後悔しないために
ペットちゃんの死後、ペットロスが続き苦しまれる方もいます。ペットロスは「あのときこうしておけば…」と後悔からくることも多くあります。そこで、この章では供養に関して後悔しないために大切なことをご紹介します。
家族で話し合う
ペット火葬や供養などは、家族できちんと話し合って決めることが大切です。しかし、ペットちゃんの死後は時間がない場合も多いです。そのため、日頃からどのように見送りたいか家族で話し合っておくようにしましょう。
どのような方法があるか知る
「こんな火葬や供養方法があったのか」と知って、後から後悔することもあります。そのため、できるだけどのような選択肢があるのかを調べてから、ご自身にあった方法を選択するようにしましょう。
身近な人に聞く
友人やペット仲間などに周りにペットを見送った方がいる場合は、どのような方法で供養したか聞くといいでしょう。探し方や嬉しかったこと、後悔していることなど体験談はとても参考になります。
何社かに相談
ペット火葬や葬儀など業者に依頼する際は、一つの業者だけでなく数社に相談や見積もりをしてもらうことがおすすめです。数社を比較することで、サービスやスタッフの対応などご自身に合った業者を見極めることができます。
供養後にしないといけないこと
供養をした後にも飼い主様はしないといけないことがあります。すべてのペットちゃんがしないといけない訳ではありませんが、必要な場合はできるだけ早く対応しましょう。
死亡届提出
狂犬病予防法で犬を飼う際は登録が義務づけられています。そのため犬が亡くなった後は、「死亡届」を提出しなくてはいけません。お住まいの市町村に確認して手続きをしましょう。死亡届は亡くなってから30日以内に提出しなくてはいけませんので、できるだけ早い対応が必要です。
ペット保険の解約
ペット保険に加入されている場合は、ペットちゃんが亡くなったことを保険会社に報告し解約の手続きをしなくてはいけません。動物病院での診断書やペット火葬の領収書が死を証明するものになりますので、必ず保管しましょう。また、加入されている保険によっては、ペット葬儀や仏具を購入した費用の一部を受け取れる場合もあります。
まとめ
ペットちゃんの死後、自宅の庭に埋めてあげたいと思われていた方も多いと思いますが、自宅の庭に遺体をそのまま埋めることは様々なリスクがあります。どうしても自宅の庭に埋めてあげたい場合は、火葬してから埋めることが好ましいでしょう。
ペットちゃんの供養方法は、とくに決まりはないため、ご自身にあった方法で気持ちを込めて見送ることが大切です。