ペットは大切な家族の一員です。大切な家族が万が一のケガや病気になってしまったときのために、ペット保険の加入を検討している方は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「ペット保険の種類」や「ペット保険の解約」などペット保険について詳しく解説していこうと思います。
この記事の監修者
高間 健太郎
(獣医師)
大阪府立大学農学部獣医学科を卒業後、動物病院に勤務。診察の際は「自分が飼っている動物ならどうするか」を基準に、飼い主と動物の気持ちに寄り添って判断するのがモットー。経験と知識に基づいた情報を発信し、ペットに関するお困り事の解消を目指します。
ペット保険の種類
ペット保険は大きく分けて二つの種類に分かれます。どの種類の保険に加入しているかによって対応が変わりますので、ご自身がどのペット保険に加入しているか確認しておきましょう。この章では、ペット保険の種類について詳しく解説します。
少額短期保険
少額短期保険は「ミニ保険」とも呼ばれ、その名の通り少額で短期補償の保険です。国内のペット保険の三分の二は少額短期保険になっており、ペットの保険に適しています。補償額は最大1,000万円で、保険期間は1年(第二分野は2年)以内です。
損害保険
損害保険の補償額は最大10億円以上で、保険契約者保護機構の対象となっております。そのため、万が一保険会社が破綻した場合でも、保険金などが一部補償されるため安心です。
ペット保険の補償内容
ペット保険にはどのような補償内容があるのでしょうか。入られている保険の種類によって、どのような補償が付いているかは異なります。この章では、メインの補償から特約までそれぞれの補償内容について詳しくご紹介します。
メイン
主契約と呼ばれる補償であり、保険契約の基礎となる部分です。
通院
ペットちゃんが病気やケガなどで通院した際の費用を補償してくれます。
入院
ペットちゃんが病気やケガなどで入院治療した際の費用を補償してくれます。ほとんどの場合、日額制限があります。
手術
ペットちゃんが病気やケガなどで手術した際の費用を補償してくれます。年2回までと決められていることが多いです。
特約
メインの補償に加えて、オプションとして追加できる補償です。
ガン手術
ペットちゃんがガンによる手術を受けた際は通常の補償に上乗せして、保険金が支払われる特約です。
高度後遺障害
ペットちゃんが病気やゲガによる障害で、ペット用の車椅子など日常に使用する補助器具を購入した際に保険金が支払われる特約です。
診断書費用
保険金を請求するために動物病院等に診断書の作成をお願いする際、費用がかかる場合があります。その際に一部保険金が支払われる特約です。
賠償責任
ペットちゃんが他人や他の動物に噛みつくなどしてケガをさせてしまった際や、他人の持ち物を破損したことにより賠償責任を負ってしまった場合などに保険金が給付される特約です。
葬儀
ペットちゃんの葬儀や火葬費用、あるいは供養する際に購入した仏具を一定額負担してくれる特約です。
ペット保険の解約
ペット保険は基本的に一年更新ですので、解約する場合はタイミングによって対応が変わってきます。この章では契約途中の解約、更新のタイミング、ペットちゃんが亡くなったとき、それぞれのタイミングでの対応を詳しく解説します。
途中解約
契約の途中で解約する場合、まずは保険会社に問い合わせをして解約の意思を伝えます。その後、送られてきた書類を記入して保険会社に指定された日までに提出するようにしましょう。
また、保険料を年払いで支払っていた場合は、月計算で「解約返戻金」として保険料が戻ってくることもあります。
契約満期のタイミングで解約
ペット保険は基本的に一年ごとに更新されます。更新のタイミングで解約する場合は、更新日の前に解約の意思を伝えなくてはいけません。ただし「何か月前に伝えないといけない」という規定は保険会社によって違いますので、契約している会社に確認するようにしましょう。
ペットが亡くなった際の解約
ペットちゃんが亡くなった際は保険会社に連絡し、解約ではなく、保険の失効手続きを行う必要があります。失効の手続きには「死亡診断書」や「火葬や葬儀の領収証」「納骨の領収証」などが必要になります。ペットちゃんが亡くなっても失効の手続きをしない場合は、自動更新されて保険料の請求が届きますので必ず行うようにしましょう。入っていた保険によっては、葬儀や火葬時にかかった費用が一部負担されるケースもあります。
解約する際の注意点
この章ではペット保険を解約する際の注意点について詳しくご紹介します。解約するタイミングによってはリスクがある場合もあるため、後悔しないように、解約する前に注意点を確認するようにしましょう。
保険に入ってない期間
ペット保険を他社に乗り換えるために解約する場合は、解約するタイミングによって保険に入っていない期間が発生してしまう可能性があります。その期間に病気やケガをしても補償されませんので気をつけましょう。さらに、病気にかかったままでは新しい保険に入ることができないケースもあります。保険を乗り換える際は、期間を空けないようにしましょう。
保険料の重複
ペット保険を他社に乗り換える際「空白期間がないようにしましょう」と紹介しましたが、反対に保険期間が重なると保険料を二重で支払わないといけなくなる可能性があります。さらに、保険の掛け持ちを禁止としている保険会社もありますので、保険を掛け持ちする場合は事前に確認するようにしましょう。
解約返戻金
年払いで保険料を支払っている場合は、保険を解約した際に解約返戻金を受け取ることができるケースもあります。計算は日払ではなく、月単価で計算されることがほとんどのため気をつけましょう。
ペットが亡くなった際の流れ
この章ではペットちゃんが亡くなってから、ペット保険を解約するまでの流れを詳しくご紹介します。大切なペットちゃんが亡くなった際は、慌ててしまい何をしたらいいか分からなくなるものです。
しかし、お別れに悔いを残さないよう、落ち着いて対応するように心掛けましょう。
①体勢を整える
ペットちゃんが亡くなったら、まず遺体の体勢を整えてあげます。
②火葬業者へ依頼
ペット火葬業者に依頼して、ペットちゃんを火葬する日程を決めます。
③遺体を冷やす
火葬日まで時間がある場合は、腐敗しないように遺体を保冷剤などで冷やし、涼しい場所に置いておくようにしましょう。
④火葬・葬儀
ペットちゃんと最後のお別れをして、火葬してもらいます。火葬や埋葬をした際の費用を補償してくれるペット保険に加入している場合は、領収証が必要になるため忘れずに受け取って保管しましょう。
⑤保険会社へ連絡
ペットちゃんが亡くなったことを伝え、ペット保険の解約の手続きを進めます。書面での手続きが必要になり、問い合わせ後ご自宅に書面が送られてくることが一般的です。送られてきた解約書類を記入して、返送します。この際に、ペットちゃんが亡くなったことを証明する「死亡診断書」や「火葬時の領収書」などが必要なケースもありますので、必要な書類を確認してから提出するようにしましょう。
まとめ
近年ではペット保険に入られている方も増えてきていますが、ペットちゃんが亡くなった際に解約手続きを忘れてしまうケースも多いため、必ず失効手続きをするようにしましょう。
また、契約している保険によっては火葬や葬儀の一部が保険金として出る場合もありますので、どのような補償があるのか確認しておきましょう。