ペットの遺体を冷凍してもいい?すぐに火葬できない場合の対処方法

ペットちゃんとのお別れの日は、突然訪れることもあります。

その際に火葬スケジュールが設定できず、遺体を長い間安置しても大丈夫か不安に思う方も多いです。

すぐに火葬ができない場合は、遺体を冷凍庫に入れて安置するのも手です。

また、ペットちゃんの体が大きく冷凍庫に入らない場合はドライアイスや保冷剤を使うなど、ペットちゃんの遺体を冷やすことで、数日間安置する事もできます。

このページではペットちゃんの遺体を冷凍する方法と、その他の安全な安置方法について紹介します。

「火葬のスケジュールを空けられない」「もう少しだけこの子と過ごしたい」と考えている方の参考になれば幸いです。

この記事の監修者

高間 健太郎(獣医師)

高間 健太郎
(獣医師)

大阪府立大学農学部獣医学科を卒業後、動物病院に勤務。診察の際は「自分が飼っている動物ならどうするか」を基準に、飼い主と動物の気持ちに寄り添って判断するのがモットー。経験と知識に基づいた情報を発信し、ペットに関するお困り事の解消を目指します。

遺体の冷凍は可能?やり方は?

ペットの遺体を冷凍してもいい?すぐに火葬できない場合の対処方法

遺体を安置する際、人もペットちゃんも腐敗を遅らせるために冷やすのが一般的です。

そのため、冷凍すればより長く安全に保管できるのでは?と思われる方も多いのではないでしょうか。

この章では遺体を冷凍することの是非や方法について解説します。

【遺体の冷凍は可能?】

ペットちゃんを火葬するまでの間、冷凍庫で遺体を保管することは法律的にも問題ありません

特に小動物や小型の鳥類など、体が小さいペットちゃんに向いている安置方法です。

【遺体を冷凍する方法】

①ペットちゃんが入る大きさのタッパーを用意し、ガーゼなどの布を下に敷きます。

②その上にペットちゃんを寝かせ、蓋を閉めて冷凍庫や冷蔵庫に安置させます。

ペットちゃんの遺体から細菌が発生することもあるため、食品と接触しないようにしてください

ペットちゃんの遺体を冷凍するメリット・デメリット

冷凍のメリット・デメリット

ペットちゃんを冷凍して安置することはメリットとデメリットがあります。

きちんと理解したうえで、ペットちゃんに合った方法で安置しましょう。

ペットちゃんの遺体を冷凍するメリット

ペットちゃんの遺体を冷凍保存するのは、以下のようなメリットがあります。

【常に冷やし続けることができる】

保冷剤やドライアイスで安置する場合は、解けてしまう前に定期的に交換する必要があります。

しかし、冷凍庫に入れておけば、一定の温度で冷やし続けてもらえるので安心です。

仕事など外せない用事があり、ペットちゃんのそばに常に寄り添ってあげられない場合でも安心です。

【夏場でも安置する時間を伸ばすことができる】

夏場は遺体の傷みが早いため、安置後は1~2日程度で火葬するのがおすすめです。

しかし、冷凍庫で安置すれば1週間ほど安置することができます。

point

あまり長い間遺体を冷凍していると、遺体に霜が付いてしまいます。

そのため、冷凍庫に入れておくのは長くても1週間程度にしましょう。

遺体を冷凍するデメリット

食品も入っている冷凍庫で遺体を放置することは、衛生的・精神的に良くない場合もあります

ペットちゃんによっては入らないことも

冷凍庫の空きスペースやペットちゃんの体の大きさによっては、冷凍庫に入らない場合もあります。

また、小型であっても犬・猫を入れるのはかなり広いスペースが必要です。

小鳥・小動物より大きなペットちゃんの場合は、冷凍庫での安置は向かない場合が多いです。

【衛生面に問題がある

ペットちゃんの遺体には菌やウイルスが付着していることがあります。

冷凍庫は食品を入れる場所のため、菌が漏れ出ないようにしっかりと密閉する必要があります。

point

衛生に関する感覚は人それぞれです。

冷凍庫に入れる場合でも、家族の中に抵抗を感じる人がいないか確認するようにしましょう。

悲しい記憶が結びついてしまう

大切なペットちゃんを冷たく暗い場所に入れることに抵抗を感じる方もいます。

人によってはその悲しい記憶を冷凍庫を見る度に思い出してしまう可能性があります。

筆者は旅行に行く際、好きな曲を聞きながら移動します。

帰ってからもその曲を聞けば、楽しかった思い出が蘇るからです。

このように特定の物に思い出が宿り、それに触れる度に思い出が蘇ることもあります。

これは良い思い出だけではなく、悲しさや寂しさのような気持ちも同じです。

冷凍庫という生活必需品にペットちゃんが亡くなった寂しい記憶が結びつくことは、生活を不便にしてしまう可能性があります。

冷凍庫以外でペットちゃんの遺体を長く冷やす方法

冷凍以外の安置

冷凍庫に頼らない場合でも、遺体をきれいに保つ方法はあります。

遺体を長時間冷やす場合は「ドライアイス」上手に使えば長持ちするうえ、用意しやすい「保冷剤」の2つを紹介します。

ドライアイスを使った安置方法

①タオルを敷いた発泡スチロールなどの箱にペットちゃんの遺体を納めます。

②タオルなどで包んだドライアイスを、ペットちゃんのお腹周りを中心に設置します。

point

・ドライアイスを直接触ると凍傷の危険があります

・遺体に直接ドライアイスを当てると、遺体を傷めることがある

【ドライアイスで安置できる期間】

ドライアイスを使った場合は夏場なら4~7日間、冬なら1週間~10日程度安置することができます。

ドライアイスが完全に解ける前に、2日に1回ペースで交換するようにしましょう。

【ドライアイスを長持ちさせる方法】

ドライアイスは新聞紙で包むことで長持ちさせることができます。

その上からタオルを巻いて使えば、遺体を傷める心配もいりません。

また、発泡スチロールかダンボールに入れることでも長持ちさせることができますので、棺代わりに用意するのがおすすめです。

point

・箱を完全に密閉すると破裂する恐れがある

・二酸化炭素中毒を防ぐため、部屋を換気する

保冷剤を使った安置方法

①タオルを敷いた箱にペットちゃんの遺体を納めます。

ドライアイスと違い、箱の材質は自由に選べます。

②タオルなどで包んだ保冷剤をペットちゃんのお腹を中心に配置する。

【保冷剤で安置できる期間】

保冷剤の場合は夏場は1~2日、冬でも2~3日が限度です。

その間にも、完全に解けてしまう前に小まめに保冷剤を交換することが大切です。

【保冷剤を長持ちさせる方法】

保冷剤を長持ちさせるためには「冷気を逃がさない」「熱を取り込まない」ことの2点が大切です。

そのため、ペットちゃんの棺はフタを閉め、直射日光を避けた涼しい場所に置くのがおすすめです。

保冷剤はドライアイスと違って破裂する心配がないので、遺体がきちんと納まれば密閉できる容器で安置するのもおすすめです。

ペットちゃんの遺体はすぐに火葬してもいい

人が亡くなった場合、24時間以内に火葬することは法律で禁止されています。

そのため、通夜の後に火葬するのが一般的です。

対して、動物の場合は法律で禁止されておりませんので、すぐに火葬することができます

そのため、安置するための準備が整っていなければ早めに火葬の手配を済ませることも一つの手です。

しかし、ペットちゃんによっては仮死状態や疑似冬眠など、死んだような状態になる種類もいます。

「死んでしまった」と早とちりすることがないように、冷静に状況を確認することが大切です。

あわせて「後悔なく見送るために何ができるか」を考えるようにしましょう。

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忙しい人のためのペット火葬

忙しい人のためのペット火葬

冷凍庫・ドライアイス・保冷材での安置は注意すべき点や安置できる期間などに、それぞれメリット・デメリットがあります。

安置のための最適な方法が思いつかない場合は、早めの火葬を検討するのもおすすめです。

訪問火葬を利用する

ペット火葬の業者の中には、自宅まで出張してくれる「訪問火葬」を行っている業者もあります。

時間指定もできるため、午前中や夜間など時間が取れるタイミングで火葬できる特徴があります。

最新の火葬炉は高火力で遺体を焼く事ができるため、短時間で火葬が完了します。

お骨もきれいに残るケースが多いため、急いでいる場合でも悔いなくお見送りできます。

「自分が住んでいる地域に対応しているか」「オプションや料金はどうなるか」「料金はいくらになるか」などの疑問点がある場合は、直接問い合わせて確認するのがおすすめです。

一任個別火葬

一任個別火葬とは遺体を業者に引き取ってもらい、火葬から収骨までをスタッフに一任する方法です。

火葬には立ち会えませんが、お骨が返ってくるので丁寧にペットちゃんを供養できます。

point

・返骨までは数日ほどかかる場合もあります。早めに返骨してもらいたい場合は業者に相談してみるのがおすすめです。

・一任個別火葬では遺体を引き渡すタイミングが最後のお別れになります。悔いを残さないように声をかけて見送ってあげてください。

まとめ

ペットちゃんの遺体を冷凍しても、法律上問題ありません。

小動物や小鳥など、冷凍庫に収まるサイズのペットちゃんであれば、1週間程度安置するのも手です。

その際は衛生面に配慮し、食品に遺体が触れないように注意しましょう。

冷凍庫に収まらないサイズのペットちゃんの場合は「ドライアイスや保冷剤を使って遺体を冷やす」「早めに火葬を済ませる」などの方法があります。

いずれの方法であっても、後悔のないお見送りになるようによく検討して行うようにしましょう。

この記事の執筆者

執筆者

ペット火葬
ハピネス 編集部 J・N

愛するペットちゃんとのお別れによって心に深い悲しみと不安を抱えた飼い主様を支えられるような、わかりやすく正確な記事作成を心掛けています。自分のこと以上に大切な家族を思いやることができる優しい心を持った飼い主様の力になれるように努めます。

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