フェレットは死ぬ前どのような症状を見せるのか?安置方法なども解説

ペットとして高い人気を誇るフェレットは、人懐っこい性格と愛らしい見た目が魅力のイタチ科の動物です。

近年、専用フードや医療の発達により寿命が7~10年ほどに延びましたが「急死してしまった」という話しも聞きます。

当ページでは、フェレットが死ぬ前の症状や病気の早期発見、死んでしまった場合の安置方法などをわかりやすく解説いたします。

この記事の監修者

高間 健太郎(獣医師)

高間 健太郎
(獣医師)

大阪府立大学農学部獣医学科を卒業後、動物病院に勤務。診察の際は「自分が飼っている動物ならどうするか」を基準に、飼い主と動物の気持ちに寄り添って判断するのがモットー。経験と知識に基づいた情報を発信し、ペットに関するお困り事の解消を目指します。

フェレットが死ぬ前に見せる症状を解説!老衰と衰弱死

フェレットが死ぬ前に見せる症状を解説

フェレットが死ぬ原因には、「老衰による自然死」と「病気などによる衰弱死」があります。

老衰による自然死の場合は、亡くなる数カ月または数年前から徐々に加齢による衰えが見え始めます。

「食事・水分摂取量の減少」「運動量の低下」「睡眠時間の増加」「毛並みが薄くなる」などが老化の兆候です。

これらが見られたら、別れの時が近づいているサインと受け止めて、心の準備をしておきましょう。

老衰による自然死を迎える直前に見られる症状

・ご飯や水分を取らない

・一日中寝ている

・目に力が入らず、口は少し開いたままになる(よだれが垂れることもある)

・ぐったりしていたのに急に動き出す

・不規則な呼吸や痙攣

病気などによる衰弱死の場合は、急激な体調の悪化や突然死もあり得ます。

数時間前まで元気に遊んでいたのに急に動かなくなり息を引き取ってしまう、といったことも起こるのです。

病気などにより衰弱死する直前に見られる症状

・短期間での急激な体重の減少

・突然ご飯を食べなくなる

・呼吸回数が異常に多い、または少ない

・意識がはっきりしない

いざという時の対処法!早期発見で回復する場合もある

いざという時の対処法!早期発見で回復する場合もある

病気、体調不良の場合、早期発見してすぐに対処できれば命の危機にまで陥らずに回復できるかもしれません。

フェレットの様子に異変を感じた場合は直ちに獣医師の診察を受け、適切な治療や飼育環境の見直しを行いましょう。

以下にて、フェレットに多い病気や体調不良の症状を解説します。

フェレットに多い疾患と症状を解説

疾患を疑う症状が現れた場合は、すぐに動物病院で治療を受けましょう。

フィラリア症の場合は、症状が現れた時にはすでに重篤な状態のため、かからないための予防が重要です。

インフルエンザ、風邪

鼻水、くしゃみ、咳、発熱、食欲不振、下痢など

フィラリア症

感染から数年はほぼ無症状(軽い咳をする場合がある)

数年経過すると咳が増え、食欲不振、体重減少、呼吸困難、腹水がたまるなどの深刻な症状が出る

副腎腫瘍(副腎皮質機能亢進症)

尾から背中にかけて左右対称性の脱毛症状

メスの場合は外陰部の腫瘍や乳頭肥大、オスの場合も乳頭肥大が見られる

インスリノーマ

低血糖を起こす、寝ている時間の増加、意識の低下、よだれを垂らすなど

消化管内異物

突然の激しい嘔吐

耳ダニ感染症

黒褐色~茶褐色の耳垢、痒がる場合もある

体調不良の症状を解説

エサが合っていない、温度や湿度が適切ではない、ストレスを感じているなどが原因の場合が多いです。

今一度、飼育環境がフェレットにとって最適か、エサが年齢や体質に合っているかなどを見直してください。

触れると悲鳴をあげる

病気やケガの可能性がある

便秘、下痢

エサが合わない、アレルギーや病気の初期症状の可能性がある

被毛に艶がない

皮膚トラブルや病気の初期症状の可能性がある

歯軋りをする

ストレスを感じている、遊びや運動が足りていない可能性がある

震える

寒い、ストレスを感じている

威嚇する、攻撃的になる

ストレスを感じている

隠れる、逃げる

体調不良を隠そうとしている

*参考サイト

都内病院におけるフェレット198症例の疾病の発生状況(日本中医師会:2009年)

フェレットが死んでしまった時のために適切な安置方法を解説

フェレットが死んでしまった時のために適切な安置方法を解説

別れはつらいですが、葬儀までに愛するフェレットの遺体が傷んでしまわないように、速やかに適切な方法で安置してあげましょう。

以下の方法で、1~3日ほどきれいな姿を保つことができます。

適切な安置方法

①濡れタオルなどで汚れを拭き取り、ブラッシングをして毛並みを整える

②手足を軽く曲げて、寝ているような楽な体勢にする

③ダンボール箱など棺となるものを用意し、新聞紙やペットシーツ、タオルなどを敷く

④遺体を棺の中に寝かせる

⑤保冷剤やドライアイスをガーゼなどに包み遺体の周りに置いて冷やす

⑥直射日光の当たらない、涼しく静かな場所に安置する

注意点

*体液が漏れている場合は脱脂綿などを当ててください

*ドライアイスを使用する場合は、密封すると気化した際に棺が破裂する危険があるので蓋は少し開けておいてください

*保冷剤は溶ける前にこまめに取り換えてください

後悔しないために最善の葬儀・供養方法を見付けよう!

後悔しないために最善の葬儀・供養方法を見付けよう!

近年ではペットちゃんの葬儀・供養方法の選択肢も広がりました。

費用面だけでなく「人と同じように葬儀したい」「遺骨を手元で供養したい」などの思いも含めて最善の方法を見付けましょう。

・役所や保健所での火葬は費用が安い

住んでいる地域の役所や保健所へ申し込めば、安価でペットちゃんの火葬を行ってくれます。

ただし、立ち会いでの火葬や拾骨、返骨に対応していないところがほとんどです。

ペットちゃんの遺骨・遺灰は焼却された他の廃棄物と一緒に埋め立てなどの処理がなされます。

・ペット霊園での火葬は、人と同じ葬儀の流れで納骨までできる

火葬には個別火葬と合同火葬があります。

個別火葬は、家族と亡くなったペットちゃんのみで行えるため、拾骨、納骨まで人の葬儀と同様に行えます。

合同火葬は、他のペットちゃんと一緒に火葬されるため立ち会いや拾骨、返骨はできません。

・ペット葬儀業者の訪問火葬は、自宅まで来てくれるので利便性が高い

火葬炉を備えた火葬車で自宅まで来て火葬を行ってくれます。

遺体の運搬手段がない方はもちろん、高齢者や体が不自由なご家族がおられても一緒に見送ることができます。

要望しておけば拾骨、返骨ともに可能なので、遺骨を手元で供養したい人にとっては非常に便利です。

周辺の住宅への配慮が必要な場合、または火葬が禁止されている地域の場合は場所を移動しての火葬になることがあります。

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一部ございます。

フェレットに元気で長生きしてもらうためにできること

フェレットに元気で長生きしてもらうためにできること

愛するフェレットには、元気で長生きし、天寿を全うして欲しいですよね。

そのためには、より良い飼育環境づくりや定期健診を心掛け、普段からよく観察し、異変にいち早く気付けるようにしましょう。

飼育環境の改善

・室温15~25度、湿度45~60%を保つ

・一日の半分(12時間)は暗い中で過ごせるよう、夜にはケージを布で覆うなどする

・部屋んぽ(部屋の中を散歩、ケージから出て遊ぶ)時には誤食・誤飲しそうなものは片付ける

・加齢による筋肉や関節の衰えに備える(ゲージ内の段差を減らす、クッション性の高い床材に取り換えるなどが有効)

食事・飲み水

・フェレット専用フードを与えることはもちろん、体質や年齢に合ったものを与える(肉食性のため、炭水化物(糖質・繊維質)は体に合わず、取り過ぎると下痢や病気の原因になることがある)

・飲み水は毎日きれいな水に取り替える

・普段から食事量や水分摂取量を観察し、異変がないか確認する

排泄物の確認

・ウンチの回数が極端に減っている、下痢をしている、排便時の様子がおかしい、などの異変がないか毎日チェックする(通常、フェレットが食べたのもは3~4時間で排泄物になるため1日数回、黒くてかりんとうのようなウンチを排便する)

健康チェック(体重測定・毛並みの確認など)

・耳掃除や爪切り、ブラッシングなどの際に、体にシコリがないか、被毛の艶や手触りに変化がないかなどを確認する

・定期的に体重を測定し、急激な体重の減少や増加がないかをチェックする

ストレスをためない

・基本的に毎日1時間程度、ケージから出して遊んであげる

動物病院での定期健診、予防医療、避妊・去勢

・フェレットは内分泌系腫瘍疾患にかかりやすく重篤化しやすいため、早期発見のために定期検診を受ける

・フィラリアやインフルエンザ、ノミ・マダニの予防薬の投与、各種ワクチンの接種で感染症を予防する

・避妊・去勢を行っておけば、発情期にエストロゲン中毒を起こすことを防げるうえに、卵巣腫瘍や精巣腫瘍の予防にもなる(現在は、臭腺除去や去勢が済んでいる個体が多く流通しているが、未処置の個体も販売されている)

まとめ

死ぬ前の症状や体調の悪化にいち早く気付ければ、心の準備ができるだけでなく、もしかしたら命を助けられるかもしれません。

もちろん、まずは健康で長生きできるよう努めることが大切ですが、最期の時には安心して旅立てるよう寄り添ってあげてください。

筆者は愛猫を看取った際、徐々に儚くなる姿を見るのは辛かったですが、最期まで見届けることができたお陰で後悔はありません。

飼い主様が愛するフェレットとの別れで悔いを残すことがないように、当コラムをお役立ていただければ幸いです。

この記事の執筆者

執筆者

ペット火葬
ハピネス 編集部 J・N

愛するペットちゃんとのお別れによって心に深い悲しみと不安を抱えた飼い主様を支えられるような、わかりやすく正確な記事作成を心掛けています。自分のこと以上に大切な家族を思いやることができる優しい心を持った飼い主様の力になれるように努めます。

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