いつも一緒にいたペットちゃんとのお別れはとても辛く、いつまでもペットロスを乗り越えられないという飼い主様も少なくありません。ペットロスを乗り越えるためには、しっかりとペットちゃんを供養することが大切だと言われています。
その中でも「手元供養」はペットちゃんを身近に感じることができ、ペットロスを回避することができると人気の供養方法です。今回は手元供養について詳しくご紹介します。
この記事の監修者
高間 健太郎
(獣医師)
大阪府立大学農学部獣医学科を卒業後、動物病院に勤務。診察の際は「自分が飼っている動物ならどうするか」を基準に、飼い主と動物の気持ちに寄り添って判断するのがモットー。経験と知識に基づいた情報を発信し、ペットに関するお困り事の解消を目指します。
手元供養とは
手元供養とは遺骨を手元に置いて供養する方法です。人が亡くなった際は遺骨をお墓に埋葬することが一般的ですが、埋葬せずに自宅で保管し手元供養される方も最近は増えています。また「後継者がいない」などの理由からお墓を閉じて手元供養されるケースもあります。
「お墓や納骨堂に納骨しなくても成仏できるの?」と疑問に思う方もいらっしゃいますが、魂は基本的には四十九日を過ぎれば成仏すると言われており、法律的にも問題はありません。経済的や様々な事情でお墓や納骨堂に納骨できない場合は手元供養を検討されてみてはいかがでしょうか。
手元供養のメリット・デメリット
ペットちゃんの供養ではとくに増えてきている手元供養。実際はどのような人に向いている供養方法なのでしょうか。
この章では手元供養のメリットとデメリットについてご紹介します。
メリット
身近に感じることができる
手元供養はペットちゃんの存在を身近に感じられるメリットがあります。身近に感じることによって悲しみを和らげることができ、ペットロスを乗り越えるために役立ちます。
費用を抑えることができる
火葬した遺骨をお墓や納骨堂に納骨すると、墓石代や維持費などの費用がかかります。しかし、手元供養の場合は比較的低価格で揃えることができ、維持費も必要ありません。
手入れをしなくてもいい
お墓を建てた場合は、お墓参りにいって管理しなくてはいけません。しかし、手元供養の場合は手入れをする必要がないため、忙しい飼い主様にも選ばれている供養方法です。
デメリット
家族の同意が必要
「家の中に遺骨があることに抵抗がある」というご家族も中にはいらっしゃるかも知れません。ご自宅にて手元供養する場合は必ずご家族の同意を取り、一人で勝手に決めないようにしましょう。
供養していた人が亡くなったときの対応
供養していた飼い主様が亡くなってしまった場合、ペットちゃんの遺骨を誰かが引き継がなくてはいけません。ご自身が亡くなった後のことも考えて、遺骨を供養してくれる寺院や霊園を探しておきましょう。
手元供養の種類
一口に手元供養と言っても、たくさんの方法があります。自分らしい方法で供養しましょう。
この章では、手元供養の種類をご紹介します。
ミニ骨壺
火葬した後に遺骨を骨壺に入れて返却してもらうことがほとんどだと思います。その骨壺のまま保管されても問題ありませんが、コンパクトなミニ骨壺や骨壺と分からないようなお洒落なものに入れ替えるのもおすすめです。
仏具セット
位牌と遺骨入れ・写真立て・ロウソク立て・香皿・水入れ・花立てがセットになっている仏具セットも販売されています。
仏壇
仏具セットがすべて収まるような箱になった仏壇も販売されています。人の仏壇と違いコンパクトなものが一般的ですので、マンションなどあまりスペースが取れないお部屋にも設置できます。
アクセサリー
遺骨を入れることができるネックレスやブレスレットなども販売されております。また、遺骨をダイヤモンドに加工してネックレスにする業者もあり、遺骨だとわからないほどお洒落に身に付けることができると人気です。
ぬいぐるみやクッション
遺骨を入れることができるぬいぐるみやクッションもあります。ペットちゃんに似たデザインを選べるなど、人気な手元供養です。また、ペットちゃんの写真をプリントできるクッションもあり、いつまでもペットちゃんの姿を見ることができます。
オブジェ
遺骨を入れることができるオブジェなども販売されているため、ご自宅にインテリアとして飾ることができます。遺骨と気付かれることがないお洒落なものもたくさんあります。
手作り
陶芸や入れ物を手作りしてオリジナルの骨壺などを作られる方もいらっしゃいます。ペットちゃんの遺骨の供養方法は決まりがないため、オリジナルの入れ物を作ってみるのもいいですね。
分骨という選択肢も
手元供養される方の中には、すべての遺骨ではなく分骨して一部だけ手元供養するという方もいらっしゃいます。この章ではよくされている分骨のパターンをご紹介します。ペットちゃんの供養はたくさんの選択肢があるため、どのような方法があるのかを知ってご自身に合った供養方法を選ぶようにしましょう。
お墓と手元供養
火葬後、ペットちゃんの遺骨をそのまま埋葬してもらうことも可能です。その際に、遺骨の一部だけ返却してもらうこと(分骨)ができる場合もあります。また、合同火葬は遺骨を返却されないため、分骨したい場合は必ず個別火葬にしましょう。
散骨と手元供養
遺骨をさらにパウダー状にして山や海などに散骨することができる業者もあります。また、散骨すると遺骨は形に残らないため、一部をアクセサリーなどの手元供養にされる方もいらっしゃいます。
手元供養の流れ
ペットちゃんが亡くなってから、手元供養するまでの流れをご紹介します。火葬業者によって多少異なりますので、詳しくは依頼した業者に確認しましょう。
①火葬業者へ依頼
ペットちゃんが亡くなったら、火葬してもらう業者に連絡して、火葬日時、火葬方法などを決めます。
②ペットちゃんを安置
すぐに火葬しない場合は、遺体の腐敗を遅らせるために保冷剤などで冷やして安置しましょう。また、遺体が汚れた場合はすぐにきれいに拭いてあげます。
③火葬
訪問火葬の場合はご自宅まで火葬業者が来て、その他の葬儀業者や霊園なら現地までペットちゃんを連れていくことが一般的です。その後、依頼した火葬方法で火葬をしてもらいます。手元供養する際は必ず個別で火葬してもらうようにしましょう。
④遺骨の拾い上げ
火葬に立ち会う場合は、火葬後はお骨上げすることができます。遺骨はそのまま骨壺に入れて持ち帰ることもできますが、遺骨の一部をそのまま埋葬してもらう場合は、分骨して一部だけ持ち帰ることも可能です。
⑤手元供養品を決める
どのような方法で手元供養品をするか決めます。家族にとってどの供養方法がいいかを話し合って決めましょう。
⑥購入または業者に依頼
仏具などはインターネットで購入できます。ダイヤモンドなどに加工する場合は、業者に依頼します。
⑦手元供養品を飾る
購入した手元供養品が届いたら、ご自宅のどこに置くか決めて飾りましょう。一般的には家族が集まるリビングや飼い主様と一緒に眠れるようにと寝室に置かれるケースが多いです。
まとめ
今回はペットちゃんの手元供養についてご紹介しました。いつもペットちゃんを身近に感じることができる手元供養は、ペットロスを和らげる役割もあると言われています。
供養はペットちゃんのものであると同時に飼い主様のためでもあるのです。
ご自身やご家族が納得する形で供養してあげましょう。そうすることでペットちゃんも安心して成仏できるはずです。