ペットを亡くした友達や知り合いにどのような言葉をかけたらいいのかと悩まれる方も多いのではないでしょうか?
ペットちゃんはその人にとって大切な家族の一員。悲しみの中にい人への言葉選びは、誰しも慎重になってしまうものです。
安易な声掛けは逆に相手を傷つけてしまうかもしれません。
今回は、ペットを亡くした方に寄り添ったLINEやメールの例文を前ながら、想いが伝える言葉のかけ方をご紹介します。
友人や同僚、上司な関係性に応じた言葉や、病気や老衰など亡くなった状況に応じてご紹介するので、少しでもご参考になれば幸いです。
この記事の監修者
高間 健太郎
(獣医師)
大阪府立大学農学部獣医学科を卒業後、動物病院に勤務。診察の際は「自分が飼っている動物ならどうするか」を基準に、飼い主と動物の気持ちに寄り添って判断するのがモットー。経験と知識に基づいた情報を発信し、ペットに関するお困り事の解消を目指します。
ペットが亡くなった人にどう声をかける?SNSで連絡してもいい?
友達や知り合いの飼っていたペットちゃんが亡くなったとき、どう接していいか悩むも多いはず。
相手に気を使わせることがないよう、伝え方や伝えるタイミングを慎重に選ぶようにしましょう。
まずは相手の気持ちを第一に考える
相手からの報告の前にペットちゃんの訃報を知った場合でも、すぐに連絡するのはおすすめできません。
「相手がどんな気持ちでいるのか」などの状況を知らずに言葉をかけると、逆に悲しませてしまう可能性があります。
そのため、気を使わせないように、相手から伝えてくれるのを待ってからメッセージを送るのがおすすめです。
大切な人が落ち込んでいると知った場合「少しでも早く元気を出してもらいたい」と思うのは当然です。
しかし、こちらの気持ちを押し付ける形になり、その人を悲しませてしまっては本末転倒です。
だからこそ、その方がどんなことを考えていて、何を求めているかを考えてみるようにしましょう。
SNSを使って訃報を伝える方も増えています
インターネットを活用した訃報配信サービス「tsunagoo」を運営する株式会社アスカネットは「訃報を受け取ったが葬儀に参列出来なかった男女20代~50代の男女400名」を対象に訃報と葬儀に関する調査を行いました。
その結果「訃報を受け取った時、あなたはどうしましたか?」という質問に対して「弔電を送った」と回答したのが21.5%「弔電を使用せず、電話やLINEで遺族にお悔やみの連絡をした」と回答したのが25.5%となっていました。※1
さらに「電話やLINEでの連絡に抵抗はありましたか?」という質問に対しては「あまり抵抗はなかった」が44.1%「抵抗はなかった」が19.6%となっていました。
抵抗が無ければSNSでメッセージを贈るのもおすすめ
こちらは人間の場合のアンケートですが、ペットちゃんにもあてはまるはず。
ペットちゃんの訃報を受け取った際に弔電を送ることは全く問題なく、ペットちゃん専用の弔電サービスも多数ありますが、近年ではLINEやメールなどでお悔やみの言葉を贈るケースも多いようです。
ペットちゃんの場合は人間とは違って参列者を招いて葬儀・告別式を行うことは少ないです。
そのため、飼い主様に直接言葉を伝える機会は限られてきます。
だからこそ、LINEやメールを通した文章でのメッセージ送信が多用されるのではないでしょうか。
※参考サイト
※1 アスカネット調べ
メール・LINEでお悔やみのメッセージを送る際の例文
友人や知り合いのペットちゃんが亡くなったことを知り、言葉をかけたくてもなかなか直接会えないということも多いはず。
その場合は、メールやLINEを通してメッセージを伝えるのもおすすめです。
LINE・メールのどちらで伝える?
基本的にはどちらで送っても構いません。
双方にメリット・デメリットがあるため、送りたい人の好みや環境に応じて判断するようにしましょう。
LINEで伝えるメリット
- 電話がつながらない相手にも連絡できる
- 「既読」が付くため届いたかわかりやすい
LINEで伝えるデメリット
- SNSで訃報を知らせることを非常識と考える人もいる
- 「既読」が付くため、相手に返信を急かしてしまう
メールで伝えるメリット
- 相手のペースにあわせて読んでもらえる
- 複数の人に一斉送信できる
メールで伝えるデメリット
- 相手が読んでくれたか、こちらからは確認できない
- 一度送信すると取り消し・書き換えができない
LINE・メールでの例文
文面で残るものなので送信前に誤字や脱字がないように確認しましょう。
また、親しい関係の場合はいつもの癖で絵文字やスタンプなどを添付しないように注意が必要です。
(ペット)ちゃんが亡くなってとても寂しくなるね。だけど(ペット)ちゃんは(飼い主)さんと過ごすことができてとても幸せだったと思うよ。
これからは、天国で(飼い主)さんのこと見守ってくれると思うから、身体を大切に元気になってね。辛いときはいつでも連絡してね。心から(ペット)ちゃんのご冥福をお祈りします。
「長文を送らない」「最後に返信不要と添える」など、相手が返信に気を使わないように気遣いをするのもおすすめです。
ペットを亡くした人にかけてあげたい言葉を状況別にご紹介
友人や知り合いが大切なペットちゃんを亡くした際、どのような言葉をかけてあげればいいのでしょうか?
その方との関係性やペットちゃんが亡くなった状況によって、かける言葉は異なってきます。
関係性でかけるお悔やみの言葉は変わる
相手との関係性から、かけるお悔やみの言葉を判断する事も大切です。
例として、友人や恋人のように親密な関係性の場合はあまり固すぎる挨拶はおすすめできません。
他人行儀な感じが出て、社交辞令と受け取られる可能性があります。
そのため、相手を気遣う言葉など、心配や気遣いが伝わる言葉を付け加えると良いでしょう。
親しい「辛かったらいつでも話を聞くからね」
丁寧に「○○ちゃん(ペット)が安らかに眠れるように、お祈りしています」
職場の同僚や上司のペットちゃんが亡くなった場合でも同じです。
お悔やみの気持ちを込めて、丁寧に言葉をかけるようにしましょう。
人間の場合と同じく「お悔やみ申し上げます」という言葉を使って気持ちを伝えるのもおすすめです。
上司
「〇〇(ペット)ちゃんのこと、心よりお悔やみ申し上げます。寂しくなりますね」
同僚
「 〇〇(ペット)ちゃんが亡くなって辛かったですね。辛かったら無理せず言ってくださいね」
その逆に、言葉を伝えたい相手が知り合い程度の場合は、あまり相手の事情に深入りしすぎるのはよくありません。
相手の大切なペットちゃんのことを思いやり、お悔やみの気持ちが伝わる言葉を選ぶようにしましょう。
親しい・丁寧どちらでも使える「この度はご愁傷さまでした」
丁寧「寂しくなりますね。どうか無理せず、ご自愛ください」
病気などで看病をしていた場合
ペットちゃんが闘病生活を送っていた場合は、ペットちゃんと一緒に飼い主様も看病という形で病魔と戦っていたはずです。 この場合は「他の治療方法を試していれば…」「もっと早く対処すれば…」といった後悔を抱えているケースも多いです。
頑張りを労えるように、前向きな言葉を選んで伝えてあげましょう。
親しい「○○ちゃん(ペット)は最期まで○○さん(飼い主)が寄り添ってくれたことを幸せに思っていると思うよ」
丁寧「お悔やみ申し上げます。(飼い主)さんの看護のおかげで長生きできて、あの子も満足だったと思います」
突然亡くなった場合
事故などで突然ペットちゃんを亡くした場合は、なかなか現実を受け止められず苦しむ飼い主様も多いです。
そんなときに、声をかけていいかと悩む方もいらっしゃると思いますが、一人で抱え込んで自分を責めている時にこそ励ましの言葉に救われることもあるはず。
連絡があった場合はペットちゃんは幸せだったと思えるような言葉をかけてあげましょう。
親しい「(ペット)ちゃんにとっても(飼い主)さんと過ごした日々は宝物だと思うよ」
丁寧「突然のことで言葉が浮かびません。(ペット)ちゃんが安らかに眠れるようお祈りしています」
寿命で亡くなった場合
ペットちゃんが寿命で亡くなった場合は過ごした時間が長い分、飼い主様は寂しい気持ちを抱えていることでしょう。
ペットちゃんが長生きしたことを誇れるような言葉や、飼い主様への労いや賞賛の言葉をかけて励ましましょう。
具体的にはペットちゃんが長生きできたのは飼い主様のおかげで、幸せな生涯だったことを伝えてあげるのがポイントです。
親しい「大切に育ててきたんだね。(ペット)ちゃんもたくさん愛情をもらって幸せだったと思うよ」
丁寧「(飼い主)さんの家族として天寿を全うできて(ペット)ちゃんも幸せに思っていると思います」
相手を傷つけてしまう、かけてはいけないお悔やみの言葉
家族同然のペットちゃんを亡くした飼い主様は、とても悲しく傷ついていることでしょう。
優しい言葉をかけてあげるのも大切ですが、心ない言葉でさらに傷つけてしまわないように配慮することが重要です。
ペットちゃんを軽んじる発言
飼い主様の気持ちを考えることと同じように、ペットちゃんの立場も考えて言葉を選ぶのがおすすめです。
飼い主様にとってペットちゃんは大切な家族です。
大切な家族を軽んじるような発言は絶対にしないようにしましょう。
また、飼い主様にとってペットちゃんは替えの効かない存在です。
安易に新しいペットちゃんを勧めることも、相手を深く傷付けてしまうため注意が必要です。
ペットちゃんを軽んじる発言「そんなに悲しむこと?」「あなたも気が楽になったんじゃない?」
新しいペットを勧める発言「新しくペットを飼えばいいじゃないか」
相手の事情に踏み込みすぎる発言
ペットちゃんが亡くなって日が浅い場合、ペットちゃんの死に関する話題は辛く感じる可能性が高いです。
相手が話題に出した場合を除いて、こちらからはペットちゃんの死因について尋ねないようにしましょう。
また、ペットちゃんに同情する言葉はできる限り避けた方がいいでしょう。
相手が必要以上に責任を感じてしまい、苦しい思いをさせてしまうかもしれません。
死因を尋ねる「どうして亡くなったの?」「病気だったって聞いたけど…」
飼い主を責めてしまう発言「苦しかっただろうね。かわいそうに」「早く見つけてあげれば助かったかもね」
無理な励ましは逆効果になることもあります
身も蓋もない話ですが、大切な家族を亡くしたことによる心の痛みと最後に向きあうのはその人自身です。
周囲の人はあくまで支えることしかできません。
例えば、友達に元気を出してもらいたくて「悲しい顔をしていたら(ペット)ちゃんも安心できないんじゃない?」と励ましたとしても、気持ちを押し付けられて、大切な家族をないがしろにされたと捉えられる可能性があります。
メッセージの内容にこだわることはもちろん大切です。
しかし、無理に励まそうとしなくてもお悔やみの言葉と「何かあれば力になる」ことを伝えれば十分気持ちは伝わります。
まずは気持ちに寄り添うことを忘れないようにしてください。
意図しない意味で伝わる文章
筆者は友人に送った文章が「怒っているのかと思った」とお叱りを受けたことがあります。
しかし、指摘された文を見直しても、どこが友人が言うところの「怒っている」箇所なのかわかりませんでした。
文章だけで人に正しく感情を伝えるのは難しいもの。
それだけではなく、相手にとっては冷たい文章に見えていても、当人には自覚がないケースもあるという好例です。
皆様の中にも言葉のすれ違いで傷ついたり、傷つけたりした経験がある方もいるのではないでしょうか。
同時に、LINE・メールで励ましやお悔やみのメッセージを送る難しさもわかっていただけるかと思います。
送信する前に、よく見直してきちんと意味が伝わるか確認するようにしましょう。
大切なペットちゃんを亡くした方にしてあげられること
大切な人のペットちゃんが亡くなったとき、言葉だけでなく何かしてあげたいと思うこともあると思います。
しかし、経験がない場合、どのようなことをしてあげたらいいか分からないという方も多いのはないでしょうか?
葬儀に招かれたら行く
人間の葬儀の場合は親族や親しい友人、お世話になった人など、故人と関わりが深かった人を参列者として招きます。
ペットちゃんの葬儀も同じで「この人に見送ってもらいたい」という判断で選んだ方を招待することになります。
葬儀に招かれた場合、飼い主様は「この子を一緒に見送ってあげてほしい」という思いで声をかけてくれたはず。
そのため、友達や知人からペットちゃんの葬儀や火葬に呼ばれたら、できる限り参列するのがおすすめです。
何より、一緒にペットちゃんを偲んであげれば、飼い主様の気持ちも楽になるはずです。
お供え物を渡す
火葬・葬儀の際にお供え物を渡すのもおすすめです。
ペットちゃんの場合はお供え物を渡すタイミングは人間のように決まったルールやマナーはありません。
お見送りが終わって落ち着いたタイミングで渡しても構いません。
主に、以下のような品物が喜ばれるようです。
お供えする品
お花やペット用のおやつなど、お供えの品は定番。
特にお花はプリザーブドフラワーのような長持ちするものがあるなど、選択肢が豊富。
ろうそくやキャンドル
メッセージが入ったろうそくや可愛いキャンドルなどもお供え物として人気です。
種類によってはメッセージカードを添えられるものもあります。
写真立て
ペットちゃんを撮った写真のデータがある場合は、写真と写真立てを贈ってあげるのもおすすめ。
写真がなくてもご自宅の仏壇などに飾ることができる写真立ても喜んでもらえるはずです。
まとめ
大切な人がペットちゃんを亡くし落ち込んでいる場合は、何とかして励ましてあげたいと思うはず。
しかし、どんな言葉をかけたらいいのか、何をしてあげたらいいのかと悩むこともあると思います。
そのようなときは大切な家族を亡くした相手を思いやる気持ちを忘れず、寄り添ってあげることが大切です。
言葉や贈り物だけなく、悲しみに寄り添って接すればきっと想いは届くはずです。