ペットちゃんの火葬・葬儀を済ませた後「ペットにも四十九日法要は必要?」と迷う方も多いです。
その理由は、人間の場合の四十九日法要とは異なり、近しい人から招待される機会も少ないため、法要を行う理由や方法がわからない方が多いからだと思います。
ペットちゃんの四十九日法要を行うかどうかは飼い主の判断で決めて問題ありません。
しかし、ペットちゃんに思いを馳せて穏やかに過ごす日は、飼い主様の大切な思い出になります。
「やった方が良いのか迷う」「興味はあるけど何をすればいいの?」と考えている場合は、このコラムを参考に四十九日法要を行ってみてはいかがでしょうか。
ペットちゃんの主な法要一覧
ペットちゃんの法要は人の法要と同様の考えのもと執り行われます。
ただし、ペットちゃんの場合は必ず行わなければいけない決まりはありません。
しかし、法要はペットちゃんに思いを馳せる大切な機会です。
迷う場合は、行ってあげるほうがいいでしょう。
ここではペットちゃんの法要について詳しくご紹介します。
【お通夜】
ペットちゃんが亡くなってから翌日以降に葬儀をする場合は、ペットちゃんをご自宅で安置します。
人間のお通夜とは違い、葬儀業者に依頼して人を招くようなお通夜を行う飼い主様は少ないです。
これまでの感謝を伝え、家族だけでゆっくりと過ごすという方がほとんどです。
【火葬・葬儀】
ペットちゃんのお見送りのセレモニーや火葬を執り行います。
火葬の依頼先によっては僧侶による読経や飼い主様による拾骨など、理想とする葬儀実現の手助けをしてくれる場合もあります。
【初七日】
亡くなった日を含めた7日目を初七日と言います。
しかし、近年では家族・親族の都合を考えて、葬儀や告別式の日にまとめて初七日法要を行う「繰り上げ初七日」を行う家族も増えています。
ペットちゃんの場合も同じく、スケジュール次第では葬儀とまとめて行うことを検討するのも手です。
【四十九日法要】
仏教では亡くなってから49日を境に、魂が成仏すると考えられています。
そのため、火葬した遺骨はご自宅で安置し、49日目に法要を行って納骨する方が多いです。
四十九日は亡くなった日を含めた49日後を指します。
(例)2024年6月1日に亡くなった場合は49日後の2024年7月19日に四十九日法要を行う
【百か日】
ペットちゃんが亡くなってから100日目を百か日といいます。
泣くのを卒業し悲しみに区切りをつける日と、節目となる日です。
【一周忌】
ペットちゃんが亡くなってから一年目に行う法要を一周忌といいます。
亡くなって一年後の命日に行う法要ですが、スケジュールの都合で前倒しするケースも増えています。
【三回忌】
三回忌と呼ばれていますが、ペットちゃんが亡くなってから二年目に行う法要です。
三年目と間違えられる飼い主様も多いため、注意しましょう。
ペットちゃんの49日までの流れ
ペットちゃんを初めて看取る場合は「亡くなってからどのように対応してあげたらいいのか分からない」という飼い主様も多いと思います。
ここではペットちゃんが死亡してから四十九日を迎えるまでの流れを「火葬業者に訪問火葬を依頼し、返骨してもらったケース」を例に紹介します。
【遺体を安置する】
ペットちゃんが息を引き取ったら、遺体が傷む前に安置してあげましょう。
タオルを敷いた箱の中に寝かせて、死後硬直が始まる前に楽な体勢に整えます。
体勢を整えたら保冷剤やドライアイスで内蔵が詰まっているお腹を中心に冷やします。
【火葬の手配】
火葬は「専門業者」「霊園・斎場」「自治体」に依頼するのが一般的です。
火葬方法を決めたら、希望の条件で火葬してもらえるように早めに予約しましょう。
専門業者や霊園などに葬儀・火葬を含めて依頼する場合は、以下のチェックリストを使ってご自身の希望をスタッフに伝えられると、プランの設定に役立ちます。
【お通夜・お見送り】
ペットちゃんの火葬は、亡くなった当日中に行うこともできます。
しかし、火葬までの時間はペットちゃんと過ごせる最後の時間でもあります。
スケジュールに余裕があれば、一日ほど自宅で安置して家族で最後の時間を過ごすのもおすすめです。
予約していた日時に業者が到着したら、遺体を引き渡します。
悔いが残らないように、最後にたくさん声をかけて送り出してあげてください。
【返骨から49日までの過ごし方】
火葬が完了したら、ペットちゃんは遺骨になって家に帰ってきます。
死亡から49日目まではペットちゃんの魂はまだ家にいると言われています。
ペットちゃんが寂しくならないように、骨壺は家族と近い場所に置いてあげるのがおすすめです。
また、お水やごはんなどのお供えも毎日してあげるようにしてください。
四十九日法要はどのくらいの規模で行う?
四十九日を行う場所・規模によって準備することは大きく異なります。
どの程度の規模で四十九日を行いたいかを事前に決めておきましょう。
近年では人間と同じように参列者を集めて霊園やお寺でペットちゃんの法要を行う方もいます。
その場合は会場や会食の手配、参列者への連絡など事前に検討しておくことも多くなります。
対して、僧侶を自宅に呼んで読経のみを依頼する小規模な法要を選ぶ方も多いです。
こちらは参列者が家族のみで、準備することは僧侶と会食の手配程度と検討することが減ります。
犬・猫などのペットちゃんは49日まで家にいる?
愛犬家・愛猫家の中では「犬・猫は49日までは家にいる」という説があります。
人間の場合は亡くなってから49日間をかけて来世へ旅立ちます。
その間は故人は魂になって家にいると考えられていますが、ペットちゃんも同じという事でしょうか。
本当に家にいるかはわかりませんが、愛する存在がまだ家にいると考えると元気が出る方も多いはず。
「お供えをする」「生前のように話をする」など、きちんと供養してあげてください。
ペットちゃんの四十九日法要の過ごし方
ペットちゃんの四十九日は大まかに人間と同じような形式で行われます。
ただし、これらすべての工程を正確に行う必要はありません。
ご家族で話し合って当日のスケジュールを設定しましょう。
【読経・納骨】
人間の場合と同じように、遺骨は四十九日法要の日に納骨するケースが多いです。
しかし、ペットちゃんの場合、遺骨を必ずお墓・霊園に納骨しないといけない決まりはありません。
アクセサリーに遺骨を納める、骨壺のまま置いておくなど手元供養をする選択肢もあります。
四十九日法要を迎えるまでに、ご家族で話し合って決めておくようにしましょう。
霊園に納骨する場合は、僧侶による読経を依頼することもできます。
大切なペットちゃんを人間の葬儀と同じ方法でお見送りしたい場合は、納骨を行う場所に事前に連絡しておきましょう。
また、自宅に僧侶を自宅に呼ぶこともできますので、希望する場合は調べてみるのもおすすめです。
【会食(お斎)】
人間の場合は法要後に僧侶や参列者とお斎(とき)と呼ばれる会食を行いますが、自宅での法要で親族や参列者を呼ばない場合は必要ありません。
しかし、人間のお斎には参列者への感謝とともに、故人を偲ぶ意味もあります。
法要が終わったら、家族でペットちゃんとの思い出話をしながら食事するのもいいかもしれません。
ペットちゃんの四十九日の服装・持ち物
ペットの四十九日の法要は、お経を読んでもらいペットちゃんを供養することが一般的です。
法要の際にはどのような服装で何を準備したらいいのかについてご紹介します。
服装は私服でも問題ない
ペットちゃんの場合、法要の際に喪服を着る決まりはないため、私服でも問題ありません。
しかし、葬儀業者や霊園で法要を行う場合は、人の葬儀施設と併設されている場合もあるため黒などの落ち着いた服装のほうが安心でしょう。
持ち物一覧とポイント
亡くなってから四十九日が過ぎても、すぐに悲しみが癒えるわけありません。
涙してしまうかもしれないので、ハンカチやタオルは必ず持っていくようにしましょう。
その他に持っておいた方がいいものとして、以下の品物が挙げられます。
用意する品 | ポイント |
数珠 | 読経の際に必要 |
ペットちゃんとの写真 | 遺影として使いたいものがあれば用意する |
お供え物 | 好きだったおやつ・お花など |
お供え物はお花やおやつが良い
好きだったおやつなどをお供えしたい場合は用意しましょう。
お供え物はお花もおすすめです。
人間の場合はユリやキキョウなど白を基調にした花を贈るのが良いとされていますが、ペットの場合は特に色や種類に決まりやマナーはありません。
筆者が飼っていた犬は花の名前をしていたため、法要の日には祭壇を同じ名前の花で飾りました。
このように、名前から連想して花の種類や色を選んであげるのもいいかもしれません。
ただし、場所によってはお供え物を受け付けていない場合もあります。
事前に確認してから準備するようにしましょう。
49日を迎えても悲しい気持ちが続く場合はどうすればいい?
人も動物も49日を境に天国に旅立つと言われています。
そのため、ペットちゃんがより遠くに感じ、悲しみがペットロスとして溢れてしまうこともあります。
そこで、この章では四十九日法要を過ぎた後のペットロスを乗り越えるための方法をご紹介します。
四十九日に囚われすぎない
四十九日は魂が成仏するまでの期間ですが「あの子は無事旅立ったのだからいつまでも悲しんでいられない」と、無理に気持ちを奮い立たせる必要はありません。
そう考えることで楽になるならいいですが、自分の気持ちから目を逸らすのは辛いもの。
他人や日付にペースを乱されず、自分の気持ちを大切にするようにしてください。
四十九日はあくまで区切りの日だと割り切り、ご自身のペースで向き合っていくのが良いと思います。
もし、ご自身の気持ちと向き合うきっかけが欲しい場合はこちらの記事を参考にして、ご自身の気持ちと向き合うきっかけを探してみるのがおすすめです。
悲しみと向き合う時間を作る
ペットちゃんを失う経験は想像を絶する悲しみです。
それでも、旅立つペットちゃんや周囲の人を気にして気持ちを押し殺してしまう方もいます。
「素直に感情を表に出すこと」「無理をし過ぎないこと」が、ペットロス克服に大切なポイントです。
【感情を隠さない】
49日というのは単なる日付であり、無理に気持ちに整理を付ける必要はありません。
悲しい気持ちのときは涙も気持ちも我慢せず、感情を素直に表現することも大切です。
【体を休める】
悲しみや寂しさから眠れなくなる方も多いです。
しかし、身体と心は繋がっています。
ご飯をしっかりと食べ、眠れない場合でも夜は横になって身体を休めてあげましょう。
また、軽い運動をして身体を動かすのもいいでしょう。
【ペットちゃんの遺品を整理する】
ペットちゃんの遺品整理はとても辛い作業です。
しかし、ずっと手元にある遺品が、ペットちゃんの不在をより際立たせることもあります。
ゆっくりでも整理作業を進めていくことが、ペットロスを乗り越えるきっかけになることもあります。
一つひとつ思い出の物を整理していくことで心の整理にもなります。
同じ境遇の人と話す
ペットちゃんを亡くした悲しみを乗り越えた方の話に触れるのもおすすめです。
インターネットなどでコミュニティを探したり、本を読んだりすると良いでしょう。
冠婚葬祭、ペット葬儀を手掛ける株式会社サンセルモの調査によると、「ペットロスを経験したことがありますか?」という問いに対して「ペットロスという言葉を知っており、経験もしたことがある」と回答したのが43.2%「言葉は知っているが経験はしたことがない」との回答が40.2%となり、約8割の方がペットロスを知っていたという結果が出ています。※1
ペットロスは誰でも陥る可能性があります。
「いつまでも引きずっていて恥ずかしい」という理由で自分を責める必要はありません。
必要な場合は苦しみを理解してくれる人に頼ってみることはとても大切です。
※参考サイト
ペットの飼育経験のある391名に聞く「ペットロス」に関する意識調査
※1 サンセルモsorae調べ
まとめ
ペットちゃんの四十九日法要は、人間とは違って必ず行う必要はありません。
しかし、大切なペットちゃんのため、何より飼い主様の気持ちに一つの区切りを付けるために、迷う場合は行うことをおすすめします。
49日当日は霊園で「読経」「納骨」を行うのが一般的ですが、やることや規模は飼い主様の自由です。
ペットちゃんを偲んで家族だけで食事をすることも立派な供養になります。
まずはどのような四十九日法要にしたいか、じっくり考えてみるのがおすすめです。