大切なペットちゃんを火葬する際に「合同火葬」と「個別火葬」で迷ってしまう方は多いです。
悲しい気持ちを抱えながら、何かを選択するのはつらいもの。
そのため、どちらか迷ったら「遺骨が返ってくるかどうか」「料金」の2つから判断しましょう。
この2つの違いを参考に「どうやって弔いたいか」を考えてみると、どちらの火葬方法が良いかイメージしやすくなるはずです。
このページでは個別火葬と合同火葬の違いと、メリット・デメリットを紹介します。
火葬方法を迷っている方の参考になれば幸いです。
この記事の監修者
高間 健太郎
(獣医師)
大阪府立大学農学部獣医学科を卒業後、動物病院に勤務。診察の際は「自分が飼っている動物ならどうするか」を基準に、飼い主と動物の気持ちに寄り添って判断するのがモットー。経験と知識に基づいた情報を発信し、ペットに関するお困り事の解消を目指します。
「合同火葬」と「個別火葬」はどう違う?
「個別火葬」「合同火葬」には、火葬後の遺骨の扱いに違いがあります。
合同火葬のポイント
合同火葬とは他のペットちゃんと一緒に火葬する方法です。
他のペットちゃんと遺骨が混ざってしまうため、お骨を拾うことができず、返骨されません。
そのため、火葬後は他のペットちゃんと一緒に霊園に埋葬されることが多いです。
飼い主様がきちんと供養に関与したい場合には不向きな方法ですが「料金を抑えられる」「時間がない場合でも安心」というメリットがある火葬方法です。
個別火葬のポイント
個別火葬とは、ペットちゃんを一匹ずつ火葬する方法です。
遺骨を返却してもらえるため、遺骨を供養したい場合はこちらの火葬方法がおすすめ。
個別火葬には「一任個別火葬」「立会個別火葬」の2種類あり、火葬への立ち会いをしたい場合は「立会個別火葬」を選択しましょう。
一任個別火葬は火葬・拾骨を業者に一任するプランですが、遺骨は返してもらえます。
詳しい料金や方法について知りたい場合は、業者に問い合わせて比較してもらうのもおすすめです。
個別火葬のメリット
ペットちゃんの遺骨を残せる
ペットちゃんの遺骨は飼い主様の意向に沿って幅広い方法で供養できます。
何より、遺骨をきちんと供養することでペットちゃんをより身近に感じることができます。
筆者は愛犬を一任個別火葬で見送り、遺骨を少しの間手元供養していました。
火葬や拾骨に立ち会えなかったことは筆者とその家族にとって大きな後悔でしたが、その分家に帰ってきてくれた遺骨を丁寧に弔うことが後悔と寂しさを癒してくれました。
理想の火葬プランを設定できる
「火葬を見守りたい」「拾骨は自分でしたい」など火葬に関して要望がある場合は個別火葬が最適。
「立会個別火葬」なら飼い主様の立ち会いができるため、理想通りの火葬プランを設定できます。
【場所の希望を叶えてくれる場合もある】
「訪問個別火葬」の場合は、火葬車が希望の場所まで来てくれます。
遺体を搬送するのが難しい場合でも安心して任せられるのが訪問火葬のメリットですが、場所を指定してお見送りできる点に注目。
上手に活用すれば、思い出の場所でペットちゃんのお見送りに立ち会うことができます。※1
※1 場所の指定や火葬についてはお住まいの地域や業者によってルールが異なる場合もあるため、ご希望の業者に一度確認してみることをおすすめします。
個別火葬のデメリット
個別火葬を依頼するデメリットは、主に「費用」「業者とのトラブル」が挙げられます。
費用が高額になる
合同火葬と比較すると、個別火葬は費用が高額になります。
猫と小型犬・中型犬を個別火葬・合同火葬した場合の平均的な予算は以下のようになります。
大まかに、個別火葬を依頼すると、合同火葬とは5,000~7,000円ほどの違いが出ます。
ペットちゃんの種類 | 合同火葬 | 一任個別火葬 | 立会個別火葬 |
小型犬(5~10kg) | 20,000~25,000円 | 25,000~30,000円 | 27,000~35,000円 |
中型犬(10~25kg) | 30,000~35,000円 | 35,000~40,000円 | 37,000~45,000円 |
猫(2~5kg) | 16,000~20,000円 | 23,000~25,000円 | 21,000~24,000円 |
業者とのトラブル
ペット火葬業者の中には、告知無しで追加料金を加算するなど、悪質な対応をする業者も存在します。
また、悪質な業者でなくても「ペットちゃんの火葬・葬儀で何が必要なのかわからなかった」「上手に意図を伝えられなかった」など、要望がスタッフに上手く伝わらないことも考えられます。
このように、業者に依頼する際はトラブルにも注意が必要です。
【業者とのトラブルの対処方法】
こうした業者とのトラブルを防止するには、事前の確認と準備が大切です。
具体的には「ホームページに料金やプラン内容など必要な情報が載っている」「口コミや火葬の事例を確認する」などの方法で信頼できる業者か事前に確認。
準備は「聞きたいことや要望をまとめて、実現可能か業者に確認を取る」こと。
信頼して任せられる業者を選び、要望を実現してもらうことが大切です。
個別火葬の流れ
ペット火葬業者に「立会個別火葬」を依頼した場合の作業の流れをご紹介します。
【①ペットちゃんを安置する】
ペットちゃんの死亡を確認したら、遺体をきれいに保てるように安置してあげましょう。
【②火葬業者に依頼】
ペットちゃんを安置したら、火葬業者に連絡します。
その際にスタッフに伝えたい・確認したいことをまとめておくと便利です。
問い合わせた業者と必ず契約する必要はありません。
余裕があれば複数の業者に問い合わせて比較することで、料金・プランなどの条件を良くできます。
【③火葬当日】
契約した日時に火葬業者が来てくれます。
今回は「立会個別火葬」のため、火葬炉の扉が閉じるまでペットちゃんのそばに居られます。
最後までペットちゃんに声をかけてあげて、気持ちを伝えてあげましょう。
拾骨はスタッフの指示に従って進めましょう。
お骨がすべて骨壺に収まったら、火葬の工程は完了です。
遺骨の供養方法
遺骨は大まかに「手元に残す」「希望の場所に埋葬する」ことのいずれかの方法で供養します。
自宅で手元供養する
「ペットちゃんのお墓の管理が大変」というような方は、ご自宅で遺骨を管理するのもおすすめ。
これを「手元供養」と言います。
しかし、骨壺のまま保管すると湿気によってカビが生える事があります。
除湿剤などを入れて湿気の少ない部屋できちんと管理するようにしましょう。
【ペットちゃんをさらに身近に感じられる手元供養】
遺骨を加工してダイヤモンドにする、ペンダントに納骨するなどの供養方法も注目を集めています。
納骨や埋葬に比べて、より身近にペットちゃんを感じることができます。
埋葬する
【お庭に埋葬する】
ペットちゃんと過ごしたご自宅の庭に埋葬してあげたい方も多いのではないでしょうか。
ご自宅の庭など、私有地であれば遺骨を埋葬しても問題ありません。
しかし、途中で引っ越しする場合や、悪臭や害虫が原因でご近所とトラブルになることもあります。
そのため「深く掘って埋める」「パウダー状にしてから埋める」など埋葬には十分注意しましょう。
【霊園に埋葬する】
ペット専用のお墓を建てる方も多いです。
お墓の種類は人のお墓と同じように名前が刻まれた個別のお墓や、複数のペットちゃんと一緒に納骨される共同墓地があります。
また、ペットちゃんと人が一緒に入ることができるお墓もあります。
今後の人生設計に応じて考えてみましょう。
まとめ
個別火葬の最大の特徴は「遺骨が返ってくる」ことです。
返ってきた遺骨を丁寧に供養してあげることで、抱えた寂しさや悲しさを軽減できるかもしれません。
ただし、個別火葬には「合同火葬と比べて料金が高い」「業者とトラブルになる恐れがある」などのデメリットもあります。
まずは「火葬後にどうやって供養してあげたいか」を考えた後、その条件をかなえてくれる業者を探してみる事をお勧めします。