ペット火葬の依頼を検討する際、最も気になるのは値段ではないでしょうか。
特に、ペット火葬を初めて依頼する方にとっては「この値段は適正価格?」「値段が業者によって違うのはなぜ?」など困惑するポイントも多いはず。
ペット火葬の値段はペットちゃんの種類・体重によって変わります。
そのため、おおよその相場を知っておけば信頼できる依頼先が分かるため、安心して依頼できます。
このページでは「主な火葬方法と、ペットちゃんの種類に応じた料金相場」について紹介します。
「火葬はどこに頼めばいいの?」「ペットちゃんのお見送りにいくら必要か知っておきたい」という方の参考になれば幸いです。
この記事の監修者
高間 健太郎
(獣医師)
大阪府立大学農学部獣医学科を卒業後、動物病院に勤務。診察の際は「自分が飼っている動物ならどうするか」を基準に、飼い主と動物の気持ちに寄り添って判断するのがモットー。経験と知識に基づいた情報を発信し、ペットに関するお困り事の解消を目指します。
ペット火葬の依頼先は3種類
ペットちゃんの火葬は、「自治体」「霊園」「ペット火葬業者」に依頼するのが一般的です。
自治体に依頼する
お住まいの自治体に依頼すれば、無料で引き取ってもらえる場合もあります。
ペットちゃんの種類によっては費用が掛かりますが、それでも値段は安いです。
火葬費用をできるだけ抑えたい場合には最適な方法です。
しかし、引き取られた後の遺体は一般廃棄物としてゴミと一緒に火葬される場合が多いです。
そのため、返骨されません。
理想の供養方法がある場合はよく検討してから依頼するようにしましょう。
ペット霊園施設へ連れていく
火葬設備があるペット霊園・斎場であれば、火葬から納骨まで一括して依頼できます。
また、ご要望に応じてセレモニーや納骨などのオプションを追加できます。
僧侶による読経や永代供養など、飼い主様の供養面でのご要望を叶えてくれるメリットがあり、人間と同じように葬儀をして見送りたい方にはピッタリな方法です。
しかし、霊園に火葬を依頼する場合は持ち込みが必要な場合が多く、交通手段が無い場合は利用しにくくなります。
ペット火葬業者による訪問火葬を依頼する
訪問火葬とは、火葬設備を備えた火葬車がお家やご希望の場所まで出向いて火葬を行う方法です。
ご要望に沿って業者が提携している霊園への埋葬や、メモリアルグッズ作成なども依頼できます。
遺体を搬送する必要がなく、ご要望に沿ってプランを設定してくれる業者も多いことがメリットです。
中でも、専門知識を身につけたスタッフに相談できることが最大のメリットです。
初めてペット火葬を行う方に最適な方法と言えます。
しかし、悪質な業者を避けるために業者の選別に時間がかかるなどのデメリットもあります。
火葬方法は希望や費用に合わせて選ぶ!
ペット火葬を行う際は火葬の依頼先に加えて、火葬方法を選ぶ必要があります。
火葬方法を選ぶ際は料金の違いに加えて、返骨の有無も一緒に選ぶようにしましょう。
「合同火葬」は火葬費用が一番安い
合同火葬とはペットちゃんの遺体を引き取った後、複数のペットちゃんと一緒に火葬するプランです。
料金相場は8,000~15,000円ほどと、他の火葬方法に比べると最も安価な火葬方法です。
そのため「できる限り費用を掛けずに火葬してあげたい」という方に選ばれている火葬プランです。
この火葬プランでは返骨されず、そのままによって埋葬、もしくは散骨されます。
「一任個別火葬」は返骨も依頼できる
ぺットちゃんの遺体を引き渡した後に、ペットちゃんを個別に火葬してもらうプランです。
料金相場は15,000~20,000円ほど。
「費用はできるだけ抑えたいけど、きちんと個別で火葬してあげたい」「手元供養のためにお骨を返してほしい」と思っている飼い主様に選ばれている火葬プランです。
飼い主様が火葬に立ち会うことはできませんが、スタッフが拾骨し、返骨してもらえます。
「立会個別火葬」は希望通りの火葬が行える
ペットちゃんを個別に火葬してもらう火葬プランです。
料金相場は20,000円からと他の火葬プランに比べ費用は掛かります。
しかし「人間と同じ方法で最後まで見送ってあげたい」「希望する供養方法があるので、火葬業者と相談したい」という飼い主様に最適な方法です。
一任個別火葬とは、飼い主様が火葬に立ち会い、自らの手で拾骨できることに違いがあります。
愛するペットちゃんをお見送りに立ち会い、お骨を拾うことは大切な思い出になるはずです。
小動物・犬・猫を合同火葬する場合の費用相場
「ペットちゃんの種類・体重」と「火葬方法」の2点にフォーカスして料金相場を紹介します。
下記の費用相場は各社の表記料金を参考にしていますが、依頼する内容によって「骨壺代」「永代供養費」「霊園への埋葬費」などのオプション料金が発生する場合もあります。
そのため、下記料金+10,000円~20,000円ほどがペットちゃんを火葬する値段となります。
【犬・猫を合同火葬する場合】
犬の場合は体重によって料金が大きく異なります。
これは猫の場合も同じです。
より詳しく知りたい場合は依頼先に問い合わせて確認するのがおすすめです。
種類・体重 | 料金 |
超小型犬(2~5kg) | 16,000~20,000円 |
小型犬(5~10kg) | 20,000~25,000円 |
中型犬(10~25g) | 30,000~35,000円 |
大型犬(40g以上) | 50,000円~ |
猫(2~5kg) | 16,000~20,000円 |
【小動物を合同火葬する場合】
種類・体重 | 料金 |
小鳥・ハムスター | 12,000~15,000円 |
うさぎ(2kg以上) | 16,000~20,000円 |
自治体に合同火葬を依頼する際の注意
自治体によってペットちゃんの体重に応じて料金が決まるケース(※1)体重を問わず一律で料金が決定するケース(※2)などルールが異なる場合があります。
自治体の合同火葬を利用する場合は、まずは自治体のホームページで確認するようにしましょう。
また、対応してくれるペットちゃんの体重に制限がある場合もあります。(※3)
大型の犬種の火葬を依頼したい場合こちらも忘れずに確認しましょう。
小動物・犬・猫を一任個別火葬する場合の料金相場
火葬には立ち会えませんが、返骨してもらえる火葬方法。
費用を抑えながら返骨してもらえるため、時間・費用に余裕が無い場合でも安心です。
【犬・猫を一任個別火葬する場合】
種類・体重 | 料金 |
超小型犬(2~5kg) | 21,000~24,000円 |
小型犬(5~10kg) | 25,000~30,000円 |
中型犬(10~25g) | 35,000~40,000円 |
大型犬(40g以上) | 55,000円~ |
猫(2~5kg) | 23,000~25,000円 |
【小動物を一任個別火葬する場合】
種類・体重 | 料金 |
小鳥・ハムスター | 17,000~20,000円 |
うさぎ(2kg以上) | 21,000~24,000円 |
小動物・犬・猫を立会個別火葬する場合
火葬から拾骨まで、火葬のすべての工程に立ち会える火葬方法です。
【犬を立会個別火葬する場合】
種類・体重 | 料金 |
超小型犬(2~5kg) | 23,000~25,000円 |
小型犬(5~10kg) | 27,000~35,000円 |
中型犬(10~25g) | 37,000~45,000円 |
大型犬(40g以上) | 57,000円~ |
猫(2~5kg) | 21,000~24,000円 |
【小動物を立会個別火葬する場合】
種類・体重 | 料金 |
小鳥・ハムスター | 19,000~22,000円 |
うさぎ(2kg以上) | 23,000~25,000円 |
結局どこに火葬を依頼すればいいの?
それぞれの火葬方法の違いは「値段」と「返骨の有無」にあります。
その中で特に注目してほしいのは「返骨」です。
返ってきた遺骨は「アクセサリーに納めて身につける」「骨壺のまま自宅で供養する」などの手元供養や、霊園に納骨するなど、飼い主様が希望する方法で供養することができます。
かけがえのないペットちゃんを失う悲しみや寂しさは想像を絶するもの。
希望する方法で供養することは、辛い気持ちと向き合うための第一歩となります。
自分では最適な方法が思いつかない場合は、火葬業者のスタッフに相談するのもおすすめ。
気持ちを汲み取り、過去の事例を参考にアドバイスしてもらえるはずです。
火葬に必要な物と、実際の火葬費用を紹介
費用が掛かるのは火葬だけではありません。
火葬前と火葬後に掛かる費用も計算に入れておきましょう。
急な出費に慌てないように、必要な料金を把握しておくのがおすすめです。
実際はどのくらいの費用が掛かる?
愛犬のための情報サイト「INUNAVI(いぬなび)」を運営する株式会社PLAN-Bが行った「愛犬の葬儀」に関するアンケートでは、葬儀に掛かった費用は「2万~4万円」と回答した方の割合が最も多くなっています。
ペットちゃんの火葬を行う際は火葬料金に加えて、棺に入れるお花などのお供え物の値段や、火葬後の供養方法のオプション料金も掛かります。
そのため、ペットちゃんの火葬・葬儀を行うためには、実際はこのくらいのお金が掛かることを覚えておきましょう。
※参考サイト
愛犬が亡くなったら葬儀どうする?トラブルがあった人も…!?【犬の飼い主691人に大調査!】INUNAVI(いぬなび)
棺・棺の中に入れる品
ペットちゃんを安置するため、体のサイズに合った棺を用意しましょう。
ダンボールや家にある保冷剤でも代用できますが、棺は3,000~5,000円程度、ドライアイスは購入する場合1kgで500円程度で購入できます。
また、棺にお花を入れたい場合は近くのお店で購入、もしくはネットで注文しましょう。
花の種類や量によって値段は異なりますが、3,000~5,000円程度で注文できます。
棺に入れる花の種類には特に決まりはありません。ペットちゃんとお出かけしたときに咲いていた思い出の花や、名前や毛色からイメージした色の花を選ぶのも良いですね。
骨壺・メモリアルグッズ
火葬後のお骨の供養方法に応じて、適切な品を用意します。
骨壺は3,000~5,000円、遺骨を納めるペンダントは2,000~4,000円で購入できます。
デザインが凝った骨壺や用途にあわせたメモリアルグッズを選ぶ場合はさらに費用が高額になるため、よく吟味して選ぶのがおすすめです。
また、ペット火葬業者に依頼すればお花、メモリアルグッズなど必要な品物を一緒に購入できます。
自分で用意する場合に比べて、サイズや量を間違える心配が要らないメリットがあります。
費用にこだわりすぎない
筆者が実家で飼っていた犬は一任個別火葬で火葬しました。
家族の予定がつかず立ち会いができないことが理由でしたが、少し寂しいお見送りになりました。
今になって思えば拾骨ができなかったことで「ひとりぼっちで送り出してしまった」という後悔を残してしまったのが原因だと思います。
火葬方法を選ぶ際には「値段」や「時間」などいろいろな要素を加味して選びます。
しかし、一つの要素だけに注目して選ぶと、筆者のように後悔するかもしれません。
ペットちゃんをお見送りできる機会はたった一度。
「予算はこれくらい」など1つの要素を軸に、多方面から判断して依頼先を決めるのがおすすめです。
ペット火葬業者との料金トラブルに注意!
全国にはたくさんのペット葬儀業者があります。
そのため初めて利用する場合は、どこに依頼すればいいのか分からないという方も多いと思います。
適当に葬儀業者を選んでしまうと、悪質な業者に騙されトラブルとなってしまうこともあります。
そこでこの章では実際にあった悪徳業者とのトラブルをご紹介いたします。
悪質業者に依頼するとどうなる?
悪質な業者に依頼すると、引き取った遺体を不法投棄されたり、無理やり高額な契約を結ばされたりと、希望していた通りの火葬が行われないことがあります。
特に料金面でのトラブルが多く報告されており、事前に説明がなかった高額な追加料金を後になって請求されるケースが多いようです。
その他にも火葬設備の老朽化やメンテナンス不足で遺骨が焦げる、異臭や有害物質が漏れ出ることで周辺住民からのクレームにつながるなど、設備面でのトラブルの報告も多いです。
悪質業者の被害や対策方法は以下のコラムにまとめています。
これらを参考に気になることは事前に確認しておいたり、その業者の口コミを調査したりして対策することが大切です。
まとめ
ペットちゃんの種類や体重によって異なりますが、火葬料金は小動物なら10,000円、小型の猫・犬なら20,000円程度。
それにメモリアルグッズや副葬品のお花などの費用がプラスされた金額がペットちゃんの火葬に掛かる費用となります。
費用も気になるポイントではありますが「返骨の有無」や「信頼できる依頼先かの判断」など注意するポイントは多いです。
せっかくのお見送りに悔いを残さないためには、どのように供養したいかを考えることが大切。
まずは、落ち着いて葬儀・供養について考えて、理想を叶えてくれる場所に火葬を依頼しましょう。